假面 masque

マスク(mask)を付けながら、顔(masque)や個性(persona)のない人々、帽子やキャップを深々とかぶりマスクをした人々は顔を見せることがない。そもそも個性を持たない人々が増えているのではないか。個性とは何だという話は置いておく。

唐突ながら、正倉院宝物のなかにあった西域の人の仮面を思い出す。そうだ、突起状のマスクをした人々はカルラ(迦楼羅)そのものではないか。Wikipedia によると、カルラはガルーダに由来するらしい。そして、朝鮮のタル(假面)を思う。その優しさをたたえたゆたかな表情を見よ。

日本政府に現在の姿勢を変える意向がない以上、日韓関係をふつうの外交関係に戻すことを韓国政府に求めるべきではない。かえりみれば、明治国家が立ち上がって以来、日韓・日朝関係がまともな状態にあったことなどないのだから。翁の能面は微笑ほほえみながらもどこかかなしげだ。朝鮮のタルなみだこらえているように見える。

memo: 手のひらを見つめる人々

[以下に小説「いつか名もない魚になる」第三部第四節「手のひらを見つめる人々」(縦書き文庫)を引用します。7月14日東京で起きた踏切事故にあまりにも重なるからです。事故の犠牲者はスマホを見ながら踏切内に入り、近づいた電車の警告音にも気づかないで電車に跳ねられたといいます。さらに恐ろしいのは踏切バーの外で待っていた人々の多くがスマホに没頭していて、踏切内の人に注意することがなかったことです]

人々は睡眠を除くほとんどの時間、手のひらを見て過ごした。歩くとき、電車や地下鉄の到着を待つとき、電車の車内、エスカレータに乗っているとき、便座にすわっているとき、食事中、時間つぶしなど、家にいるときも外出先でも、いつも手のひらを見つめていた。車を運転するときや自転車に乗るときも手のひらを見ることをやめなかった。

歩くとき、人々は手のひらを自分に向け(ひじ)を九十度曲げて歩いた。駅構内の至るところで、手のひらを見ながら歩かないように注意するが、従う者はいない。手のひらに保存された写真や動画を含むデータに自分だけの領域を見いだし、好きなニュースやマンガを読み、ゲームに興じて時間を費やすことが大半の人々の日常になった。歩きながら事故に()う人も多く、駅ホームから線路に転落する人も絶えなかった。

[三〇年までにスマホが画期的変化を遂げ、スマフォと呼ばれるようになったようです。二〇年代と違って、手のひら自体がその機能を果たしたらしいのです。医師と記録係には想像しにくいのですが、凭也(ヒョーヤ)は診察中にそれらしい動作をすることがありました。スマホを手に持っていないのに、あたかも手のひらにあるように操作し、熱心に説明するのです]

左の手のひらを指でこすると、左手にスマフォ画面が立ち上がり、両方の手のひらを合わせてこすると両手に画面が表示される。画面サイズの拡大縮小もできる。スマフォの下辺が手首に接し、画面全体が手のひらの上に浮いて見える。画面はいつも見やすい角度に保たれ、指を立てたりそらせたりして画面の角度を自在に調整できる。画面の解像度がはるかに向上し、以前ほどのぞき込む必要がない。立ち上げたスマフォ画面を消すには、もう一度手のひらをこすればよい。

体の一部がスマフォになった感覚なので、置き忘れや落下の心配はなく、倒れて手のひらをついたときは自動的に消える。生体の新陳代謝にもとづく微弱電流を利用したからバッテリーもいらない。カメラのレンズ機能は人差し指か中指の爪に納められ、シャッターは同じ指の指先にあって、親指の指先で軽く押すだけだ。録音用のマイクとスピーカー機能も指先にあり、入力は音声か指で行われる。音声入力の場合は手のひらを口の近くに持ってきて小声で話せばいいし、手のひらに反対の手の指で文字を書けば文字入力もできる。手のひらをかざすだけで、別紙に書いた文章や画像をスキャンできる。手洗いや入浴時には画面を消せば、ただの手のひらになる。手のひらにプロジェクション・マッピングされた旧型のスマホ画面を想像すればよい。

ただ、スマフォが普及するにつれ、人々はますます自閉し、他者の意見を聞かなくなった。自分の体の一部に映し出されるものを自分だと思い込んだ人々は自分の手のひらばかりを見た。入力も電話も手のひらに向かうだけで、写真も動画も自在に撮れたから、盗撮(とうさつ)がさらに巧妙化した。周囲も他者も(かえりみ)ない、自閉症とスマフォ依存症を合併した症状を持つ人が(ちまた)(あふ)れた。

二〇二〇年代はじめに新型コロナウイルス感染症が世界中に猛威をふるい、外出が禁止された時期の状態が日常化したのだ。親子を含む家族内の衝突が増え、親が殺され、子が虐待(ぎゃくたい)される事件が多発した。自分の利益を守り正当化するのに汲々(きゅうきゅう)とする人が増え、職場や学校でもいじめや殺傷事件がふつうになった。さらに禁句が増えて自由な会話が制限され、人々が口にする言葉が空疎(くうそ)になった。

[コロナ後の数年間、官製マスクの着用が義務づけられ、言論封じ込め手段の一つとして日本島の支配層に利用されたことがありますが、それが常態化したのです]

スマフォの普及とともに、旧支配層による無宗教派の取り込みが一気に加速される。二〇年代後半には、旧テレビも旧新聞もスマフォに取って代わられ、これら旧メディアの入っていた高層ビルが無用の長物と化し、ンヴィニ教を含む無宗教派の寺院や教会のセンターに変貌していく。センターの一階に旧コーヒーショップやコンビニに似たスペースがあるのはその名残(なごり)である。

[「いつか名もない魚になる」第三部第四節「手のひらを見つめる人々」より抜粋しました]

闇の恐怖・やまの神々

このサイトに習作として載せている複数の短編を<縦書き文庫>に載せた。習作「闇の恐怖と山の神々」「一匹の黒犬」は連作なので、文庫への掲載に際し一本にまとめた。

複数の読者から「これは実話なのか」という問い合わせをいただいた。ここに一応の回答を記しておく(ほとんど答えになっていませんが)。

「実話」というのが、ここに書かれたことが「実際に起こったのか」という意味ならば、「似たような経験をしたが、実際に起こったことではない」と答えよう。あるいはまた、「実際に起こるはずはないだろう」という意味ならば、「いやいや、似たようなことを実際に経験したのです」と答えたいと思う。

平仮名の海に漢字の宝石が…

()琴峰(ことみ) LI Kotomi という台湾語籍と日本語籍を持つ、数々の文学賞を受賞している作家の記事を nippon.com で読んだ。すごい人がいるな、と感心するとともに、文学というものが持つ可能性の広さを考えた。以下、記事から引用させていただく。国籍ではない語籍という語彙が持つ広がりを思う。

…国籍というのは閉じられたもので、所定の条件を満たし、所定の手続きを踏まえ、所定の審査を通して初めて手に入るもの。新しい国籍を取得するためには古い国籍を放棄する必要がある場合もある。しかし「語籍」は開かれたもので、誰でもいつでも手に入れていいし、その気になれば二重、三重語籍を保持することもできる。国籍を取得するためには電話帳並みの申請書類が必要だけれど、語籍を手に入れるためには、言葉への愛と筆一本で物足りる。国籍は国がなくなれば消滅するけれど、語籍は病による忘却か、死が訪れるその日まで、誰からも奪われることはないのだ。

やっと日本語籍を取得したその日、講談社ビルを出て黒が濃密な夜空を見上げ、私は一度深呼吸をした。そして心の中で決めた。この二重語籍の筆で、自分の見てきた世界を彩るのだと。

日本語籍を取得した日

日本語への恋を叶えた台湾人作家、李琴峰が芥川賞を受賞

「いつか名もない魚(うを)になる」縦書き版

「いつか名もない魚(うを)になる」縦書き文庫版です。スマホのページ送りはページの左右をクリック、PCでは[ Jキー]が右送り、[Kキー]が左送りです。左右の送りキーでもページ送りできます。

縦書き文庫 (antiscroll.com)から入って、メニューの作品検索で「小栗」と入力すれば表示されます。短編2編もアップしました。タテ書きを楽しんでいます。新着作品リストにも載っています。

法律を読む姿勢の180度転換

行政書士試験の過去問を解けない理由が一つ明らかになった。僕は、法律の利用者(申請者)の側から解釈していたが、過去問を解くためには、法律の制定者の側から読解しなければいけないということなのだ。これを法律を読む姿勢の180度転換と呼ぶことにする。

たとえば、行政手続法第7条に次の規定がある(一部編集)。申請者の立場に立てば申請書に不備があった場合はその旨指摘してもらいたいから、行政機関はそうすべきだと考える。だが、そうではない。申請内容に形式上の不適合があった場合、「許認可を拒否することができると読まなければいけないのだ。

また、同法12条には不利益処分について「行政庁は処分基準を定め、かつこれを公にしておくよう努めなければならない」「処分基準を定めるに当たっては不利益処分の性質に照らしてできる限り具体的なものとしなければならない」とある。不利益処分を受ける側は具体的な処分基準を参照したいが、行政側は作らなくてもよいということなのだ。それは努力義務にすぎないのだから。

第7条 [申請に対する審査、応答] 行政庁は申請がその事務所に到達したときは遅滞なく当該申請の審査を開始しなければならず、かつ申請書の記載事項に不備がないこと、申請書に必要な書類が添付されていること、申請をすることができる期間内にされたものであることその他の法令に定められた申請の形式上の要件に適合しない申請については速やかに申請をした者(申請者)に対し相当の期間を定めて当該申請の補正を求め又は当該申請により求められた許認可等を拒否しなければならない
第12条 [処分の基準] 行政庁は処分基準を定め、かつこれを公にしておくよう努めなければならない 行政庁は処分基準を定めるに当たっては不利益処分の性質に照らしてできる限り具体的なものとしなければならない

行政手続法とは

1970年代以降、国交省(旧運輸省)、外務省、文科省(旧文部省)、金融庁関東財務局など、さまざま形で長期短期に関わってきた行政機関に関する法律の共通項を定めた行政手続法、その構成は次のとおり(句読点等一部編集)。

第1章 総則(第1-4条)
第2章 申請に対する処分(第5-11条)
第3章 不利益処分
 第1節 通則(第12-14条)
 第2節 聴聞(第15-28条)
 第3節 弁明の機会の付与(第29-31条)
第4章 行政指導(第32-36条の2)
第4章の2 処分等の求め(第36条の3)
第5章 届出(第37条)
第6章 意見公募手続等(第38-45条)
第7章 補則(第46条)
附則

その第1章総則を法令リードより引用する。第2条[定義]に続き適用除外規定がある。

第1条 [目的等] この法律は、処分、行政指導及び届出に関する手続並びに命令等を定める手続に関し、共通する事項を定めることによって、行政運営における公正の確保と透明性行政上の意思決定について、その内容及び過程が国民にとって明らかであることをいう。第46条において同じ)の向上を図り、もって国民の権利利益の保護に資することを目的とする。
 処分、行政指導及び届出に関する手続並びに命令等を定める手続に関しこの法律に規定する事項について、他の法律に特別の定めがある場合は、その定めるところによる
第2条 [定義] この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
 法令 法律、法律に基づく命令(告示を含む)、条例及び地方公共団体の執行機関の規則(規程を含む。以下「規則」という)をいう。
 処分 行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為をいう。
 申請 法令に基づき、行政庁の許可、認可、免許その他の自己に対し何らかの利益を付与する処分(以下「許認可等」という)を求める行為であって、当該行為に対して行政庁が諾否の応答をすべきこととされているものをいう。
 不利益処分 行政庁が、法令に基づき、特定の者を名あて人として、直接に、これに義務を課し、又はその権利を制限する処分をいう。ただし、次のいずれかに該当するものを除く。
 事実上の行為及び事実上の行為をするに当たりその範囲、時期等を明らかにするために法令上必要とされている手続としての処分
 申請により求められた許認可等を拒否する処分その他申請に基づき当該申請をした者を名あて人としてされる処分
 名あて人となるべき者の同意の下にすることとされている処分
 許認可等の効力を失わせる処分であって、当該許認可等の基礎となった事実が消滅した旨の届出があったことを理由としてされるもの
 行政機関 次に掲げる機関をいう。
 法律の規定に基づき内閣に置かれる機関若しくは内閣の所轄の下に置かれる機関、宮内庁、内閣府設置法(平成11年法律第89号)第49条第1項若しくは第2項に規定する機関、国家行政組織法(昭和23年法律第120号)第3条第2項に規定する機関、会計検査院若しくはこれらに置かれる機関又はこれらの機関の職員であって法律上独立に権限を行使することを認められた職員
 地方公共団体の機関(議会を除く)
 行政指導 行政機関がその任務又は所掌事務の範囲内において一定の行政目的を実現するため特定の者に一定の作為又は不作為を求める指導、勧告、助言その他の行為であって処分に該当しないものをいう。
 届出 行政庁に対し一定の事項の通知をする行為(申請に該当するものを除く)であって、法令により直接に当該通知が義務付けられているもの(自己の期待する一定の法律上の効果を発生させるためには当該通知をすべきこととされているものを含む)をいう。
 命令等 内閣又は行政機関が定める次に掲げるものをいう。
 法律に基づく命令(処分の要件を定める告示を含む。次条第2項において単に「命令」という)又は規則
 審査基準(申請により求められた許認可等をするかどうかをその法令の定めに従って判断するために必要とされる基準をいう。以下同じ)
 処分基準(不利益処分をするかどうか又はどのような不利益処分とするかについてその法令の定めに従って判断するために必要とされる基準をいう。以下同じ)
 行政指導指針(同一の行政目的を実現するため一定の条件に該当する複数の者に対し行政指導をしようとするときにこれらの行政指導に共通してその内容となるべき事項をいう。以下同じ)
第3条 [適用除外] 次に掲げる処分及び行政指導については、次章から第4章の2までの規定は、適用しない。
 国会の両院若しくは一院又は議会の議決によってされる処分
 裁判所若しくは裁判官の裁判により、又は裁判の執行としてされる処分
 国会の両院若しくは一院若しくは議会の議決を経て、又はこれらの同意若しくは承認を得た上でされるべきものとされている処分
 検査官会議で決すべきものとされている処分及び会計検査の際にされる行政指導
 刑事事件に関する法令に基づいて検察官、検察事務官又は司法警察職員がする処分及び行政指導
 国税又は地方税の犯則事件に関する法令(他の法令において準用する場合を含む)に基づいて国税庁長官、国税局長、税務署長、国税庁、国税局若しくは税務署の当該職員、税関長、税関職員又は徴税吏員(他の法令の規定に基づいてこれらの職員の職務を行う者を含む)がする処分及び行政指導並びに金融商品取引の犯則事件に関する法令(他の法令において準用する場合を含む)に基づいて証券取引等監視委員会、その職員(当該法令においてその職員とみなされる者を含む)、財務局長又は財務支局長がする処分及び行政指導
 学校、講習所、訓練所又は研修所において、教育、講習、訓練又は研修の目的を達成するために、学生、生徒、児童若しくは幼児若しくはこれらの保護者、講習生、訓練生又は研修生に対してされる処分及び行政指導
 刑務所、少年刑務所、拘置所、留置施設、海上保安留置施設、少年院、少年鑑別所又は婦人補導院において、収容の目的を達成するためにされる処分及び行政指導
 公務員(国家公務員法(昭和22年法律第120号)第2条第1項に規定する国家公務員及び地方公務員法(昭和25年法律第261号)第3条第1項に規定する地方公務員をいう。以下同じ)又は公務員であった者に対してその職務又は身分に関してされる処分及び行政指導
 外国人の出入国、難民の認定又は帰化に関する処分及び行政指導
十一 専ら人の学識技能に関する試験又は検定の結果についての処分
十二 相反する利害を有する者の間の利害の調整を目的として法令の規定に基づいてされる裁定その他の処分(その双方を名宛人とするものに限る)及び行政指導
十三 公衆衛生、環境保全、防疫、保安その他の公益に関わる事象が発生し又は発生する可能性のある現場において警察官若しくは海上保安官又はこれらの公益を確保するために行使すべき権限を法律上直接に与えられたその他の職員によってされる処分及び行政指導
十四 報告又は物件の提出を命ずる処分その他その職務の遂行上必要な情報の収集を直接の目的としてされる処分及び行政指導
十五 審査請求、再調査の請求その他の不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の処分
十六 前号に規定する処分の手続又は第3章に規定する聴聞若しくは弁明の機会の付与の手続その他の意見陳述のための手続において法令に基づいてされる処分及び行政指導
 次に掲げる命令等を定める行為については、第6章の規定は、適用しない。
 法律の施行期日について定める政令
 恩赦に関する命令
 命令又は規則を定める行為が処分に該当する場合における当該命令又は規則
 法律の規定に基づき施設、区間、地域その他これらに類するものを指定する命令又は規則
 公務員の給与、勤務時間その他の勤務条件について定める命令等
 審査基準、処分基準又は行政指導指針であって、法令の規定により若しくは慣行として、又は命令等を定める機関の判断により公にされるもの以外のもの
 第1項各号及び前項各号に掲げるもののほか、地方公共団体の機関がする処分(その根拠となる規定が条例又は規則に置かれているものに限る)及び行政指導、地方公共団体の機関に対する届出(前条第7号の通知の根拠となる規定が条例又は規則に置かれているものに限る)並びに地方公共団体の機関が命令等を定める行為については、次章から第6章までの規定は、適用しない。
第4条 [国の機関等に対する処分等の適用除外] 国の機関又は地方公共団体若しくはその機関に対する処分(これらの機関又は団体がその固有の資格において当該処分の名あて人となるものに限る)及び行政指導並びにこれらの機関又は団体がする届出(これらの機関又は団体がその固有の資格においてすべきこととされているものに限る)については、この法律の規定は、適用しない。
 次の各号のいずれかに該当する法人に対する処分であって、当該法人の監督に関する法律の特別の規定に基づいてされるもの(当該法人の解散を命じ、若しくは設立に関する認可を取り消す処分又は当該法人の役員若しくは当該法人の業務に従事する者の解任を命ずる処分を除く)については、次章及び第3章の規定は、適用しない。
 法律により直接に設立された法人又は特別の法律により特別の設立行為をもって設立された法人
 特別の法律により設立され、かつ、その設立に関し行政庁の認可を要する法人のうち、その行う業務が国又は地方公共団体の行政運営と密接な関連を有するものとして政令で定める法人
 行政庁が法律の規定に基づく試験、検査、検定、登録その他の行政上の事務について当該法律に基づきその全部又は一部を行わせる者を指定した場合において、その指定を受けた者(その者が法人である場合にあっては、その役員)又は職員その他の者が当該事務に従事することに関し公務に従事する職員とみなされるときは、その指定を受けた者に対し当該法律に基づいて当該事務に関し監督上される処分(当該指定を取り消す処分、その指定を受けた者が法人である場合におけるその役員の解任を命ずる処分又はその指定を受けた者の当該事務に従事する者の解任を命ずる処分を除く)については、次章及び第3章の規定は、適用しない。
 次に掲げる命令等を定める行為については、第6章の規定は、適用しない。
 国又は地方公共団体の機関の設置、所掌事務の範囲その他の組織について定める命令等
 皇室典範(昭和22年法律第3号)第26条の皇統譜について定める命令等
 公務員の礼式、服制、研修、教育訓練、表彰及び報償並びに公務員の間における競争試験について定める命令等
 国又は地方公共団体の予算、決算及び会計について定める命令等(入札の参加者の資格、入札保証金その他の国又は地方公共団体の契約の相手方又は相手方になろうとする者に係る事項を定める命令等を除く)並びに国又は地方公共団体の財産及び物品の管理について定める命令等(国又は地方公共団体が財産及び物品を貸し付け、交換し、売り払い、譲与し、信託し、若しくは出資の目的とし、又はこれらに私権を設定することについて定める命令等であって、これらの行為の相手方又は相手方になろうとする者に係る事項を定めるものを除く)
 会計検査について定める命令等
 国の機関相互間の関係について定める命令等並びに地方自治法(昭和22年法律第67号)第2編第11章に規定する国と普通地方公共団体との関係及び普通地方公共団体相互間の関係その他の国と地方公共団体との関係及び地方公共団体相互間の関係について定める命令等(第1項の規定によりこの法律の規定を適用しないこととされる処分に係る命令等を含む)
 第2項各号に規定する法人の役員及び職員、業務の範囲、財務及び会計その他の組織、運営及び管理について定める命令等(これらの法人に対する処分であって、これらの法人の解散を命じ、若しくは設立に関する認可を取り消す処分又はこれらの法人の役員若しくはこれらの法人の業務に従事する者の解任を命ずる処分に係る命令等を除く)
第36条の3 [処分等の求め] 何人も法令に違反する事実がある場合において、その是正のためにされるべき処分又は行政指導(その根拠となる規定が法律に置かれているものに限るがされていないと思料するとき当該処分をする権限を有する行政庁又は当該行政指導をする権限を有する行政機関に対し、その旨を申し出て当該処分又は行政指導をすることを求めることができる。
 前項の申出は次に掲げる事項を記載した申出書を提出してしなければならない。
 申出をする者の氏名又は名称及び住所又は居所
 法令に違反する事実の内容
 当該処分又は行政指導の内容
 当該処分又は行政指導の根拠となる法令の条項
 当該処分又は行政指導がされるべきであると思料する理由
 その他参考となる事項
 当該行政庁又は行政機関は第1項の規定による申出があったときは、必要な調査を行いその結果に基づき必要があると認めるときは、当該処分又は行政指導をしなければならない
行政手続法第1章、第4章の2(法令リード)

仮説: 日本島にもあった「日帝時代」

「日帝時代」は朝鮮半島や台湾あるいは満州国にだけあったのではない、日本島にもあったと考えるべきではないか。反論もありそうだが、一つの仮説として有効ではなかろうか。

明治維新だ、大正デモクラシーだと美化された時代、朝鮮半島等における「日帝時代」と同じ抑圧を日本臣民(天皇主権だから国民主権ではない)に課していたのではないか。こんな当たり前のことをなぜ自覚できなかったのだろうか。

その残滓どころではない、明治維新150年を祝い、明治期の英雄にまつわるる歴史ドラマがNHKの後押しで、繰り返し喧伝される。そこで作られる歴史観をそのまま受け入れ、物言わぬ視聴者になってはいけないとも思う。

重要なことは、大日本帝国(1889-1945)と日本国(1945/46-)を、截然と分けて捉えることだ。天皇が神から象徴になって継続しているという幻説に惑わされてはならない。両者に共通する版図(領土)があるとするのはよいが、二つの異質な体制なのであって連続していない、連続するものと考えてはならない。「戦前」「戦後」という区分の仕方そのものが、連続させる意図を内包していると考えるべきだと思う。

コロナ禍のなかの選挙戦

選挙戦が始まるたびに憂鬱になる。くり返し名前と陳腐な枕詞を連呼する街宣車は右翼のそれと同じく騒音であり、粗大ゴミの収集車と同じく住宅街の静けさを破る迷惑行為でしかない。彼らに共通しているのは住民や通行人を愚弄していることだ。コロナ禍のなか、せめて大声をはりあげるのはやめてくれ。

サブリミナル効果を狙っているとしか思われない名前の連呼の合間に「応援ありがとうございます」「お勤めご苦労さまです」「お疲れさまです」「お騒がせして申しわけございません」のくり返し。これが日本国の選挙戦の現状だ。選挙権を持たない在日外国人のことなど想像だにできない人たちが多様性を謳いLGBTを唱える。

同時にTVに映る、人を喰ったような顔の閣僚、目線が泳いでいる党首、いかにも右顧左眄しているような表情の党首を見るにつけ、政治に対する失望と怒りの混ざった虚しさを感じる。そういうおまえば何をしていると問われれば困るのだが、だからといって何も発しないわけにはいかない。

民主党政権がダメになって以来の野党の低迷と、本来結びつくはずのない自公連携による選挙戦が日本国の政治を貶(おとし)めて久しい。この怒りをどこに向け何をなすべきか、ブログでほざいていても何にもならないのではあるが。

憲法の第1章天皇より重要な前文

現行憲法はその前文冒頭に国民主権を掲げている。明治憲法では天皇主権だったから、主権在民こそが現行憲法の画期的な点であろう。その現行憲法の肝心かなめはむしろ前文に述べられている。単なる「まえがき」と考えてはならないと思う。以下、前文より抜粋して引用する。

…..政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する…..

ところが、現行憲法の第1章は国民ではなく天皇に関する条文で、第2章は戦争放棄の第9条のみである。第3章にようやく国民の権利及び義務がくる。第4章以下、国会・内閣・司法・財政・地方自治・改正・最高法規・補則とつづく。

法律も歴史的な制約のなかで作られるものだから、現行憲法が明治憲法の影響を免れないのは理解できるのだが、前文で国民主権を高らかに謳っていながら、第1章に天皇が来るのはおかしいのではないか。第2章戦争の放棄は、明治期以来の戦争につぐ戦争に対する反省を表明したものとして理解できるが、その前に象徴であれ何であれ天皇が来るのはおかしいのではないか。70歳の老書生はそう思うのである。

わきびとたち