縦書き文庫「ふりがな小林一茶発句集」春を修正しながら各句に日付を入れる必要を感じた。文化句帖の句を句帖に記載された句順と発句集における句順が入り乱れていることに気づいたのがきっかけだった。
句帖は日記形式で記載しているから当然時系列になる。他方、発句集は2万を超える一茶の句を対象に後世の者が季語ごとに整理したものだから日付が前後するのは当然だろう。ただ、同じ季語のなかにさらに小さな季語の集合を作るため句の年次順は守られるが、月次順は乱れてしまう。
「発句集」を制作しながら原著では気づかなかった点を発見できるわけだ。僕は原著と発句集を照合しながら作業するなかで気づかされることが少なからずある。一方、句順が前後するために混乱させられることもある。
このような混乱を避けるため、発句集の句に日付と天候など原著に記載された情報を挿入することにした。以下はその具体例である。左端の4桁のアラビア数字は「ふりがな小林一茶発句集」の句番号である。
原著の上段ほかに記載されている日付や天候などを読み込むことでそれぞれの句をより具体的に理解することができればと思う。
| 二月八日 晴 霜 |
| 3604 痩藪もいなりおはして梅[の]花 文化句帖 化2 |
| 二月九日 晴 寒 |
| 3605 ありふれの野さへ原さへ梅[の]花 文化句帖 化3 |
| 十二月十七日 晴 連歌 |
| 3606 梅がゝを都へさそふ風も哉 文化句帖 化3 |
| 十月廿日 晴 |
| 3607 梅がゝに鼬もないて通りけり 文化句帖 化3 3608 梅がゝに引くるまりし小家哉 文化句帖 化3 |
| 十二月十七日 晴 |
| 3609 梅がゝや針穴すかす明り先 文化句帖 化3 |
| 二月十日 晴 |
| 3610 皮かふが宿の白梅咲にけり 文化句帖 化3 |
| 二月九日 晴 寒 |
| 3611 来る人を當くらべせん梅[の]花 文化句帖 化3 「当」→「當」 |
| 十二月十七日 晴 |
| 3612 下艸も香に匂ひけり梅[の]花 文化句帖 化3 「草」→「艸」 |
| 十二月十五日 晴 流山ニ入 |
| 3613 藪むらや口のはた迄梅の花 文化句帖 化3 3614 山里ハ油手ふくも梅の花 文化句帖 化3 「は」→「ハ」 (異)『文化句帖』化4 上五「山里や」 |
| 正月廿五日 雪 |
| 3615 あさぢふや馬の見て居る梅の花 文化句帖 化4 |
| 二月四日 晴 大風吹 夜八時芝口出火 |
| 3616 馬の子の襟する梅の咲にけり 文化句帖 化4 |
| 二月八日 朝雪交雨 |
| 3617 梅がゝにともいさミする菜畠哉 文化句帖 化4 「み」→「ミ」 3618 梅咲て今を春辺の菜畑哉 文化句帖 化4■ |
| 二月十三日 晴 盲人を殺す曲者 本役荒尾但馬守に生捕らるゝ云々 |
| 3619 梅咲ぬ替つて莚おらばやな 文化句帖 化4 |
| 二月八日 朝雪交雨 |
| 3620 梅の花なくにたれと祭哉 文化句帖 化4 |
| 正月四日 晴 大西風 本所番場太子堂より火出て法恩寺表迄焼 |
| 3621 焼主が寝て見る梅でありしよな 文化句帖 化4 (異)『文化句帖』化4上五「正月を」 |
| 二月四日 晴 大風吹 夜八時芝口出火 |
| 3622 藪脇にこそり咲けり梅[の]花 文化句帖 化4 |
| かねてねがひなる生れ国柏原にやどりて二百日あまりとゞまりて漸ことしの暮なんとする日かつしかの旧巣にもどれば留主守る人もいづち行けん(以下略) |
| 3623 迹〳〵の人にあかれな梅の花 化三-八写 化5 |
| 十二月十六日 晴 江戸松井ニ入 |
| 3624 あなかしこ*鳥にしらすな梅[の]花 化五六句記 化5 *けっして、絶対に |
| 十二月九日 曇 |
| 3625 有がたや楮裂く人の梅[の]花 化五六句記 化5 |
| 正月廿九日 晴 |
| 3626 梅が香をすゝり込だる菜汁哉 文化句帖 化5 (出) 遺稿 |
| 十二月廿九日 雨 昼より晴 夜大雨 |
| 3627 梅がゝにかぶり馴たる莚哉 化五六句記 化5 |
| 正月廿九日 晴 |
| 3628 梅がゝに引く[る]まりて寝たりけり 文化句帖 化5 |
| 十二月十六日 晴 江戸松井ニ入 |
| 3629 梅がかやそも目出度ハ夜の事 化五六句記 化5 「は」→「ハ」 |
| 正月八日 晴 |
| 3630 梅咲て一際人の古びけり 文化句帖 化5 |
| 正月一日 晴 龍ト来ル |
| 3631 梅咲くやあはれことしももらひ餅 文化句帖 化5 |
| 十二月十六日 晴 江戸松井ニ入 |
| 3632 梅さくやかまくら五寺の外[の]院 化五六句記 化5 「かまくら」→「カマクラ」 |
| 正月廿九日 晴 |
| 3633 梅ちりて急に古びる都哉 文化句帖 化5 |
| 十二月十六日 晴 江戸松井ニ入 3634 梅の花人ハ斯程に油断也 化五六句記 化5 「は」→「ハ」 3635 梅[の]花夜ハ尿桶も見えざりし 化五六句記 化5 「は」→「ハ」 「へ」→「え」 3636 惣締[て]卅六坊梅の花 化五六句記 化5 六月十四日 晴 3637 野の梅や松ハいろ〳〵に曲らるゝ 化五六句記 化5 「は」→「ハ」 正月廿九日 晴 3638 梟の分別㒵や梅の花 文化句帖 化5 「顔」→「㒵」 正月一日 晴 龍ト来ル 3639 ヨロ法師梅を淋しくしたりけり 文化句帖 化5 「よろ」→「ヨロ」 正月廿九日 晴 3640 六彌太の心ハいかに梅の花 文化句帖 化5 「弥」→「彌」 「は」→「ハ」 3641 梅が香やそも〳〵春は夜の事 己巳元除 化6 正月七日 晴 随斎初会 3642 梅咲て身のおろかさの同也 化五六句記 化6 正月一日 寅刻ヨリ辰刻迄晴天不二南吹巳刻霰午刻晴大風 思旧巣 3643 梅さくや寝馴し春も丸五年 化五六句記 化6 正月十二日 晴 3644 御祓をいつ迄しばる梅の花 化五六句記 化6 正月八日 晴 流山ニ入 3645 のら猫のうかるゝ梅が咲にけり 化五六句記 化6 四月十五日 晴 毛野ニ入 3646 古郷や卯月咲てもんめの花 化五六句記 化6 正月十二日 晴 3647 馬屋ごひ[を]どさりかぶりて梅[の]花 化五六句記 化6 三月三日 晴 中村坐始源之介梅の由兵衛役 3648 旦暮の梅にも耻る柱哉 七番日記 化7 「恥」→「耻」 三月一日 雨 未尅(刻)ヨリ晴 3649 梅を見て梅を蒔けり人の親 七番日記 化7 (異)『七番日記』化7 中七「梅をつぎけり」 正月二日 晴 申八刻雪 夜丑刻地震 外神田於藤堂和泉守辻番前乞食没 3650 梅咲て値ぶみをさるゝ此身哉 七番日記 化7 「直」→「値」 正月五日 晴 随斎ニ在福引 3651 梅咲や里に広る江戸虱 七番日記 化7 三月三日 晴 中村坐始源之介梅の由兵衛役 3652 梅さくやみちのく銭も里の春 七番日記 化7 三月一日 雨 未尅(刻)ヨリ晴 3653 大原やおくれ藪入おくれ梅 七番日記 化7『庚午遍覧』化7 三月廿九日 晴 野々下村通り柏村にかゝりて我孫子駅にて昨夜の三人に別ル、布川に入 3654 幼子や摑〳〵したり梅の花 七番日記 化7 「掴」→「摑」 正月三日 晴 梅屋治兵ヱニハカラレテ下谷御切手町家主長兵ヱを尋ヌ終不知泥途足袋ヲ損ジテ日暮ニ皈 3655 婆ゝ猫よをどりばかさん梅の花 七番日記 化7 「お」→「を」 |
| https://tb.antiscroll.com/novels/goolee/24949 |
Leave a comment