夕方暗くなる前に寄った。店内に文庫本を読んでいる中年男性がいたので、店主と話すことも憚られ店の外にあるベンチに座った。左右から通り過ぎる人々を見ていると、それぞれの暮らしぶりが想像されて面白い。
歌舞伎の花道近くの客席にいて通りすがる役者を見ているような感じだろうか。かなりの重圧感と肉感が伝わってくる。至近距離で何の隔てもなく観察できるからだろうか。
両足を引きずりながら手押し車を押していく老婆、自転車の前後に子どもを乗せて重そうにペダルを踏む若い女、スマホを見ながら俯いて歩く中学生らしき少年、母親に遅れまいと足早に駆ける少女、堂々と道のど真ん中を歩く腹が大きく突き出た中年男性などなど


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