今日の歳時記: スズラン[鈴蘭]

すゞらんや 葉陰に咲いて 隠れがち 鬼城 別名キミカゲソウともいい、ユリ科の多年草である。 茎の高さは30センチ内外で、葉は藍にに似て大きく、五月末頃、葉の間から花軸を伸ばし、すこぶる匂いのよい白い小花をふさ状につける。 その形が鈴に似ていることから、この名で呼ばれている。 もうすぐ、“ジューンブライド”。花嫁に鈴蘭を贈る風習のある国もある。 花言葉は“幸福の復帰”、是非、願いたい…

零れ話: 君子豹変、小人革面

“君子”つまり立派な人は、ヒョウの毛が抜け替わるように、時代の変化に適応して自己変革する意である。 「変わり身が早い」という意味が広まってもいるが、本来はすぐに過ちを改め、良い方へ変わるという意味である。 しかし、“小人”と呼ばれる人は、物事の真相を理解できない為に、上っ面だけを改めているので、根っこは同じで、同様のことを繰り返す。 このところの“政治家”が、ご自分の発言を訂正、謝罪を繰り返す姿を観ると、上記の事が頭をよぎる。

零れ話: 後生畏るべし…

いつの世も、「最近の若者は…」と年輩者に言われきている。 でも、「自分より年少の者の将来は、努力次第で、どの様な人物に成長するか分からないのだから、見くびってはいけない」とともに、周囲は見守り・育てることが求められるのでは… 「畏るべし」といえば、将棋の最年少プロ棋士が連勝記録の更新中であり、確か、十五歳のJリーガーが、大人顔負けの活躍をしている。 我々も、見習って、“己を活かす”ことに努めましょう。

今日の歳時記: ナツメク[夏めく]

夏めくや 椎のかずきし 雲のいろ 潤 春咲く花々が終わると、若葉・新樹の光は夏らしい輝きをみせる。 気候や、衣食住などの生活面でも、生気あふれる夏の活動期に入ってゆく。 日中、道を歩いていても、照りつける太陽に、思わず汗がふきでてくることが度々となる。 「夏きざす」ともいわれる。

零れ話: イッチョウラ[一張羅]

今や、「一張羅」といっても、物資の豊かな時代に育った若人にはピンとこないことかもしれないが、今風の言葉遣いでは「勝負服」とでもいうべきか… 今、高齢者の過ごした若かりし時は、行楽・遠距離旅行は一大イベントであった。持ってる着物・洋服の中でも、一番上等なお気に入りで着飾って出掛けたものだった。 懐かしい思い出である。 先の朝ドラ「べっぴん(別品)」も、同様の意…? 地方にも、面白い表現があった → 「けんちょいき(県庁行き)」→ 大分の方言で、よそ行きの上等の服の意。

今日の歳時記: バクシュウ[麦秋]

麦の秋 雀等海へ 出てかへす 誓子 麦の秋ともいう。 麦の熟したこと、また、その頃の季節にもいう。 初夏の頃が“麦刈り”の時期とされる。 熟した麦穂をみると、あたかも秋の収穫の時期と重なるので、この名がある。 梅雨を控えているので、農家の人たちは忙しく働くことになる。

零れ話: ことばの雑学

日本語には、ひょんなことから生まれたことばを見かける。 ⚪︎「たたらを踏む」ー 力が余って前のめりに、から足を踏む意。 “たたら”とは、大きなフイゴのこと。 ⚪︎「及び腰」 ー これは「及」という字の形が、へっぴり 姿勢に似ていることから出たらしい。 ⚪︎「ケリをつける」 ー 昔、歌の終いに「…けり」とつけるのが 定形だったことから、終わりの意に。 まさに、言霊…、意味深い…

今日の歳時記: シャクナゲ[石楠花]

深山、渓谷、山林などに生ずるニ、三メートルの常緑灌木。 葉は革質、表面は深緑色で光沢があり、淡白色の密毛がある。 初夏、淡紅色の美しい花をひらく。 葉に利尿、強壮の効果があるとして、お茶の代わりに飲む習慣を持つ人が多くいらっしゃるらしいが、そもそも、有毒植物といわれており、気をつけたい。

零れ話: クスリ(薬)の語源

「薬は久須利(くすり)とよむ。奇験をもって名を得たらしいが、また、草作(くさす)ともいわれ、薬には草類が多いからだろう」との説がある。 一方、「クスリの原義は令和(なぐし)の意で、神を和し、人を和し、風の和、波の和などの和(なぎ)にて、体言なれどナグシなり」と説明している。 いずれにしても、疾病は神の意志によるもので、人間が神を犯すようなことがあると、たたって病気が起きると信じられおり、病気は“神気(かみのけ)”とも呼ばれていた。 神気をはらうには、やはり、“奇(くす)しき力”が求められると信じられいたのだろう。 ところで、今の世情を清め正す“薬師”は、何処に…

零れ話: ローマ字の日

大正十一年の今日は、日本ローマ字会が創立した日である。 これを記念して、ローマ字の恵みに感謝するとともに、一層の発展をはかろうというものである。 ローマ字が日本に伝えられたのは十六世紀末で、ポルトガルの宣教師によるが、十九世紀(1859年)に来日したアメリカの宣教師の「ヘボン式」が普及した。 その後、「訓令式」が採用されたが、未だに、ヘボン式も活用されている。 発音 訓令式 → ヘボン式 「チ」 ti chi 「ツ」 tu chu

今日の歳時記: ナエウリ[苗売]

寺の門 出て苗売に 逢へりけり 万太郎 瓜や、キュウリ、ヘチマ、ナスなど、初夏に植える苗を売り歩く行商の様子を指す。 苗市も同様である。 最近では、あまり見かけることもなくなったが、苗売ののどかな呼び声は、初夏の情緒を十分に感じさせるものであった。 まさに、夏近し…

零れ話: ウガイ[嗽]…鵜飼

顔を上にむけて、水などを含んで口や喉をすすぐ格好が似ているからからだろうか。「うがい」の語源は「鵜飼(うかい)」とする説がある。 風邪予防の基本といえば、“手洗い”と“うがい”がよくいわれる。 日本独自ということから、効果を疑う方がいらっしゃいますが、有効性は確認されており、うがい薬ですと喉に障害を生じさせる可能性もあるので、「水でのうがい」が望ましいらしい。 「風邪は万病のもと。」気をつけましょう。

今日の歳時記: クサブエ[草笛]

草笛を 泳ぎ子野路を なだれゆく 木歩 草の葉を摘んで、唇にあてて吹くと、ピューッというするどい笛のような音が出る。 草笛を吹くと、青葉の緑々しい匂いが口元にひろがり、なんとも、清々しいいものであった。 遠い少年の頃の想い出の一つである。

零れ話: 五月五日は女性の節句(?)

「こいのぼり」の一番の歌詞に、〈お父さん〉と〈子ども〉は出てくるが、〈お母さん〉の歌詞はみあたらない。 ある説によると、旧暦五月は早苗月といい、田植えが始まる時期で、田植えをする女性(早乙女)は、田の神を迎えるために、家にこもって身を清めたという。五月五日は女性の節句。だから、表に出ることがなかったということらしい。 後日、二番の歌詞が加えられ、〈母さん〉が歌い込まれる。 更に、昭和二十三(1948)年、国民の祝日に関する法律が公布・施行され、「こどもの日」となった。 〈こどもにの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する〉となり、こんどは、父が出てこない…のだ。

今日の歳時記: キリノハナ[桐の花]

通る時 落ちしことなく 桐の花 草田男 桐は日本各地に広く栽培されている。幹の丈は9mにも及び、径90㎝にも達するものがある。 初夏の頃、紫色の大形の唇形花を多くつける。見た目に清楚で芳香がある。 切れば直ぐに芽を出して生長する意で、動詞の「きる」が、そのまま「きり」になったとの説がある。 また、早く切り出せることから、農村では、女の子が生まれると桐の苗を植えて、結婚する時に、それで箪笥を作って、持たせるところがある…、親の願いがこもっている。

零れ話: エキチュウ[益虫]

周りで見かけるクモ・ゲジは、姿かたちから毛嫌いされるが、ハエ・ゴキブリを捕食してくれるので〈 益虫 〉との見方もある。 我々の暮らしに役立っている生物はいろいろいる。 体長わずか1㍉の“線虫”は医療に役立つらしい…。 「臭覚が際立っており、人の尿を嗅がせると、がん患者の尿には近づき、健常者の尿からは逃れるという。この性質を活用し、かんの症状を発見する検査装置が開発された。」との朗報が過日にあった。 外見で毛嫌いせず、各々の能力を活かし、互いに支え合いたいものである。

今日の歳時記: ヘビイチゴ[蛇苺]

ふるさとの 沼のにほひや 蛇苺 秋桜子 原っぱや道ばたでよく見かける。 三つ葉をつけた茎が地をはっている。 三、四月頃、黄色の五弁の花をひらき、五月過ぎには、緑色の大きな花托をもった紅い小粒の身を結ぶ。 いちごに似ているが、無味で生食には向かない。 ヘビが食べる事から有害と思われているが、毒はない。 でも、何と、「虫刺されの薬」として効果があるらしい。

零れ話: モシモシ[申し]

「モシモシ」といえば、電話の代名詞みたいなものだが、この呼びかけ語は、どの。ように生まれたのか。 「明治二十三年、電話が初めて設置された時、ハローに代わる日本語が思いつかない、そこで、ある方が〈モシモシ〉との言葉を言いだし、これでいこうじゃないか…」ということになったらしい。 「もし」とは「申し」のつづまったもので、呼びかけに用いた古語である。浄瑠璃にも「もし、備中守」とのセリフがある。 このところ、NSN、等で、「モシモシ」との前ぶれが省かれることが多く、言葉の温もりが欲しいと思う昨今である。

今日の歳時記: ボタン[牡丹]

白牡丹 といふといへども 紅ほのか 虚子 五月上旬頃、きわめて大型の美麗な花を開く。 牡丹は中国原産の落葉潅木で、高さ 1〜1.5m になる。 花は紫・紅・淡紅・白など多様で、花弁は八片 ないし それ以上となる。 奈良県.長谷寺には、150種7.000株が植えられ、“花の御寺”と呼ばれている。 島根県の県花、福島県.須賀川市の花、などに名所があり、花見客でにぎわう。