今日の歳時記: オクリツユ[送り梅雨]

七月の 面暗しや 送り梅雨 友ニ 梅雨あがりの雨で、豪雨に雷鳴をともなうことが多い。 集中豪雨にもなり、かなりの被害が出た事が伝えられている。 今日は「 七夕 」 出会いが約束された日であるが、“顔晴”につながることなら良いが、豪雨被害との再会は、ご免こうむりたいものだ。

零れ話: トランプ[西洋カルタ]

トランプと言っても、ドナルド・トランプ 米大統領ではなく、カード・ゲームで用いる物で、発生地は“東洋”であるという。 一説には、中国で、「銭札」という今の紙幣に似たものを、賭博に使っていたが、これを十二世紀頃、イスパニアの船員が持ち帰ったという。 更に、インドに、皮や木で作られた円盤に動・植物を極彩色で描いた「ヒンズー・カード」というものがあって、祭りの飾り物や占いの号具として使われていたらしいが、流離の民、ジプシーの手でヨーロッパに伝わったことで、今のトランプのもとになったらしい。 世間一般を含めて、“Joker”を何処に紛れ込ませるか、ウデの見せどころでもある。

今日の歳時記: ヤマビラキ[山開き]

どの嶺も 旭を喜べり 山開き 村山 故郷 昔の登山は信仰行事であったため、特に、富士山・木曽御岳・出羽月山などの霊峰にあっては、夏期一定の日々を限って登拝を許していた。 これを山開きといい、秋の初めに閉山祭、山納祭を行う例が多い。 今や、山開きは、スポーツとしての登山の開始を意味するようになった。

零れ話: ナツダイコン[夏大根]

三〜四月に種蒔きして、四十日ぐらいで収穫にいたるダイコンである。高冷地で栽培される。 冬ダイコンのように甘味がないが、ピリッととした味と水気の多いところが特徴である。 暑さに向かう折から、キュウリ、ワカメなどとの三杯酢、あるいはゴマ酢あえにして食べても美味しい。 なお、夏ダイコンはあまり日持ちしないので、早目に食べたほうが良いらしい。

今日の歳時記: ハンゲショウ[半夏生]

半夏生 子の用ゆえに みだしなみ 神村 睦代 昔ながらの節日や暦日は、当時の人々の生活に根ざしている。 半夏生は、昔は夏至から11日目とし、「チュウ(夏至)は外せ、ハンゲ(半夏生)は待つな」という言葉で、田植の時期を教えていた。 今や、農業改革・品種改良が進み、ずっと早まってはいるが… この時期、半夏(烏柄杓・カタシログサ)という薬草が生え、葉が名前のように半分白くなって見える頃とも。 因みに、上の詩歌は、子供の為にも、だらしない印象は与えられないと、子の用事で出かける母が、半(仮)化粧(半夏生)しているのに掛けたのかもしれない…

零れ話: 七月の異名

旧暦七月を文月(ふみづき、ふづき)と呼び、新暦七月の別名ともなっている。 月名の由来は、七夕の日に、二星に詩歌を献げたり、書物を夜風に曝す事からくるとの説。水耕栽培に結びつけて、稲の「穂含月(ほふみづき)」、「含月(ふくみづき)」とする説がある。 他には、文披(ふみひろげ)月、七夜月、女郎花(おみなえし)月などがある。 下半期のスタート、初心を思い出し…、暑さに向かうので、健康に留意し、一歩いっぽ、踏みしめて行きたいものです。

今日の歳時記: オオハライ[大祓]

「 はらへたまへ きよめたまへ まもりたまえ 」 ( 祓い給え 清め給え 守り給え ) 古くは「大はらえ」といい、近くは「大ばらい」ともいった。 百官万民の犯した一切の罪や汚れを除き去る為に行う神事。 毎年六月と十二月の晦日(みそか)に行なわれ、六月を“名越(なごし)”、十二月を“年越”のはらいともいう。 廃れた時期が続いたが、明治時代になって復興され、宮中はじめ各神社で行なわれるようになった。

零れ話: スイコウ[推敲]

昔から中国には文字にまつわるエピソードが多い。 唐代、ある日、一人の詩人が、ロバの背で揺られていて、詩句が浮かんだ。 「鳥宿池中樹( 鳥は宿る池中の樹 ) 僧推月下門( 僧は推す月下の門 )」 ところが、詩句をひねっていて、「推す」は「敲( たた)く」としたほうが良いなど考え込み、うっかりして、他のロバにぶつかってしまった。 詩人は非礼を詫び、事情を話すと、相手は、何と、中唐随一と言われた詩人で、しばらくして、「やはり〈 敲 〉としたほうがよいだろう」と答えてくださったという。 こうして、「 推敲 」という言葉が、文章を練るという意味に使われるようになったという。

今日の歳時記: スイカノハナ[西瓜の花]

道にまで 西瓜の花の さかりかな 除夜子 梅雨の、しとしとと雨の降る頃、西瓜畑には、淡黄色のささやかな花が開く。 果実の大きさに比べ、なぜか、花は小さく可憐で、雨に濡れた姿は可哀想である。 花は各葉腋につき、雄花と雌花の別がある。 茎は地にはいながら枝を伸ばし繁茂する。 タネを吹き飛ばしながら食べるのが、幼き頃からの楽しみである。

零れ話: ユース・ホステル

ユース・ホステルは、青少年の宿泊所で、青少年に太陽と緑の自然環境を与えることを目的としたものである。 1909年、ドイツのある小学校教師が、学校の教室を、徒歩旅行の生徒に宿舎として提供したのが始まり。 やがて、欧州各国に普及した。 日本での発足には裏話があり、戦後、日本青年館の事務局長が、教育視察団を率いて渡米した際、ことの外、親切にもてなしてくれたというが、それは、“日本青年館”を「ジャパン・ユース・ホステル」と直訳し、日本の仲間がやってきたとの早合点が背景にあったらしい。 その後、参加者が、今度は、我々が歓迎する番だと決心し、昭和26年(1951)に、具体的運動が始まり、1954年に、国際ユースの機関に加盟している。

零れ話: エダマメ[枝豆]

気温が上がってくると楽しみになるのが、一杯(?)の冷えたビールの喉ごし…。 そこに、添えられるのが“枝豆”である。 水田の畦を利用して植えることから「あぜまめ」ともいう。 今は、枝つきのものより、枝からサヤをちぎった、いわゆる“ちぎり”が多く出回っている。 枝つきのほうが日持ちもよく、色もあせにくいのだが… まぁ、余計な心配だが、「酒は飲んでも、飲まれるな…」

今日の歳時記: ヒルガオ[昼顔]

豆腐屋が 来る昼顔が 咲にけり 一茶 今話題の映画のタイトルではない… 山野辺に自生する、ひるがお科の多年草つる草で、夏がくると、朝顔に似た淡紅色の小さな花が咲く。 花が、昼開いて夕方しぼむことから、朝顔・夕顔に対して、この名がある。 朝顔と違って、鑑賞用に栽培されることは、殆ど無い。 花言葉は「絆」だが、大半は雑草扱いされている。

零れ話: シコ[四股]

来月九日から、大相撲名古屋場所が始まる。 新大関・高安関の登場、横綱・稀勢の里関の復活と、話題は尽きない。連日の“満員御礼”が予想される。 ところで、「シコをふむ」の「シコ」を「四股」と書くのは、その動作を表すために後から当てた字で、元々は「醜(シコ)」と書く。 この醜は“みにくい”との意ではなく、“強いこと”を意味する言葉である。 四股は、取り組む前の準備運動であると同時に、一種の示威運動でもある。「ふむ」というのは、足で土俵を踏むことではなく、相手を“醜”、つまり強者と見なし、その“醜”を踏み破るとの心意気を表す。 シコ名も、本来は「醜名」と書き、シコをふむ者の名であった。

今日の歳時記: ヤマクチナシノハナ[山梔子の花]

今朝咲きし くちなしの又 白きこと 立子 夏、芳香にある白い六弁の花が咲く、あかね科の常緑低木。 実が熟しても口を開かないことで、この名がある。 暖地に自生するが、多くは庭園などに観賞花として植えられる。 果実は黄赤色に熟し、染料または薬用として用いられる。 梅雨時の夕方、ほんのりと漂ってくる山梔子の香りは風情がある。

零れ話: リョウテ[両手]

「右の手の 左うらやむ 田うへ哉 ・ 支考 」 右利きの早乙女が田植えをしているが、働きづめで泥んこの右手が、汚れていない左手に「お前は楽だな…」と文句を垂れる図である。 でも、対であって成り立っていることが多い。 両手の“シワ”を合わせて、「 幸せ 」 片手では打てない、 「拍手」 互いに支え合っての、「 人 」 上図でも、左手でバランスをとっていたのにね。 相手をうらやむことなく、“結び目”を巡らしてゆきたい…

今日の歳時記: ハナショウブ[花菖蒲]

きる手元 ふるひ見えけり 花菖蒲 其角 初夏の頃から浅水、泥湿に、アヤメや杜若(かきつばた) に似た大形の美しい花を開く。 多年草で、高さ60〜90㎝。 茎は緑色で直立し、円柱形をしている。 ところで、花菖蒲の原種、ノハナショウブをご存知だろうか… 東北地方の沿岸部に生えているノハナショウブ、東日本大震災では、自生地が津波被害を受けたが、海水が引いた後で芽が出た。 地元の人は「津波は家屋を奪っていったが、花(ハナショウブ)を残していってくれた」。 身近な存在で心の支えであったこの花を、復興のシンボルにと願っているとのことである。

零れ話: ショウソウイン[正倉院]

聖武天皇がなくなられた時、そのお妃であった光明皇太后が、天皇の遺品を収めたもの。北・中・南の三倉に分かれ、校倉造(あぜくらづくり)といわれる防湿建築様式をとっている。 収蔵品は、奈良時代の貴族階級の調度品、楽器、武具など貴重な物ばかりである。 ☝︎ 平成十年(1998)に世界遺産登録 「正倉」とは、元来「正税を納める倉」の意で、上納品(米穀、等)を保管し、大寺には各々にあった。 しかし、歳月の経過で廃絶し、東大寺の一棟だけが残った。 今から、1261年前(756)の六月二十一日、創立。

67歳の父の日

記憶力の悪い僕はこれまでの父の日のことを格別記憶しているわけではないが、ことしは少し違うように思う。 これまでも行ったり行かなかったりだが、ことしは久しぶりに父の家を訪ねようと思いながら、訪ねなかった。それが気になっているのかもしれない。 米国に留学中の娘は夏休み休暇で帰国し、父の日にカードを手渡してくれた。自転車好きの僕にふさわしい、バイクが2台浮き上がったカードだ。小さくて赤いほうが初めて娘に買った16インチバイクに見える。 ことしは娘の婚約者からLINEメールが届いた。少し気恥ずかしい気もしたが、うれしかった。

今日の歳時記: メジロ[眼白]

見えかくれ 居て花こぼす 目白かな 風生 目白とも書く。 めじろ科の小鳥で、大きさはスズメぐらい、目のまわりが白いのでこの名がある。 活発な可愛らしい小鳥でチーチーと鳴き、声がいいので籠鳥としてもよく飼われる。 五月から七月にかけてが繁殖期で、森林に群がってすむ。 花の蜜を好み「はなすい」、「はなつゆ」などの地方名がある。 よく、「梅に鶯」といわれるが、これは春の風情を意味し、絵画としては、梅の枝にメジロを描くことが多い。