カッコウ科の鳥。鳩よりやや小さい。 夏期はユーラシア大陸東部で繁殖し、日本にも、九州以北に飛来する。 鳴き声が“ジュウイチ”と聞こえることから、「十一」との古名があるが、一方、“ジヒシン”と聴き取った古の人がおり、「慈悲心鳥」と名づけたという。「十一」では味気ない… 《 慈悲心 → 慈悲の心 》 かっては、貧しさも共同で対処する〈 共同貧 〉であったが、今や、〈 孤立貧 〉で、一人づつが向き合うこととなり、結び目が粗く・細くなってきている。 此れを繕い直す為にも、慈悲の心で、結び目を巡らすことが求められているのではないでしょうか。
今日の歳時記: ユウダチ[夕立]
バリバリと 空を破って 夕立かな 内田 園生 空が太鼓のような皮でできていて、鉄砲玉のような雨粒が、其れを突き破って落ちてくる。 雨が上がった後は、空に開いた大きな穴から、涼しい風が吹いてくる。 他の雨模様では、こうはいかない。 自然界の脅威には、脱帽である。
零れ話: 天主(教)と天守(閣)
「 天守閣でキリストの神、天主をまつっていた 」 意外な歴史認識だが、日本で、本格的な天守閣が登場したのは安土桃山時代( 織田信長の頃 )で、当時の文献には、この建物は“天主”とのっている。“天守”や“天守閣”は、後でひろがったとの説なのである。 のみならず、16世紀に南蛮貿易がはじまり、ポルトガルの宣教師が天主の教えを伝え、高くそびえる教会堂の話を紹介した。 此れを聞いた信長が、安土城に天主(天守閣)を設けたと、19世紀末まで考えられていた。 現在は、“天主”が仏教の経典に由来する事が突き止められ、否定説が普及している。
今日の歳時記: アリ[蟻]
脛長の 荒法師なり 蟻闊歩 荒法師といえば、その昔、帝さえも困らせた比叡山の僧兵たちがいた。山法師ともいった。 これは足の長い山蟻だろうか。黒頭巾をかぶり、長刀を振りかざし、高下駄を履いているかのような姿でのし歩いている。 更に、“ヒアリ”という侏儒が海外から侵入し、脅威を与えている。 気をつけましょう。
零れ話: ハコメガネ[箱眼鏡]
水遊びの季節である。 子どものころ、田舎で箱眼鏡を川面に押しつけて、鮒などをヤスで狙った。 夢中になってガラス越しに覗いていると、潜水艦の窓から外をうかがっているような気分になったものだ。 但し、周りを確認し、足元に気をつけ、遊んで欲しい。
今日の歳時記: オクリツユ[送り梅雨]
自転車に 乗れる息子に 梅雨明ける 稲畑 廣太郎 水害、等に襲われる地区があれば、水不足に悩む場所がある。 同じ国内なのに、悩ましい事である。 梅雨あがりの雨で、豪雨に雷鳴を伴うことが多い。 科学が進んだとはいえ、降雨量を調整する事は難しいらしい… 「起こるはずが無いと思いたい災害の多くは、起こりえないのではなく、起こるまでに時間がかかるだけのことである」 要は、「備え」と「自然尊重・自然順応」では…
零れ話: 自然公園の日
元は、昭和25年から、厚生省( 現、厚生労働省)の呼びかけで始まった「自然に親しむ運動」で、7月21日から8月20日の期間であった。 其の後、昭和32年(1957)の7月21日「公園法」が制定された。 現在、人口の都市集中などから、益々、自然の大切さが痛感されられている。 自然が無いところでは健康な生活は難しい。 自然に親しみながら、公園や景勝地の美化に務め、大切な我々の財産を守ってゆきたいですね。
零れ話: キョウチクトウ[夾竹桃]
インド原産の常緑灌木。葉は桃の葉に似て、質が厚く、濃緑色。 盛夏の頃、梢に紅色の、香りのよい花が群がり開く。 花期が長く、炎暑の中で、時々、くたびれた格好を見せる。 八重咲き、淡黄色、純白のものもある。 乾燥や大気汚染に強い為、街路樹なに、多く植えられている。 広島市では、被爆焦土に、いち早く咲いた花として、原爆からの復興のシンボルとなり、同市の花に指定されている。
今日の歳時記: カブトムシ[兜虫]
ひつぱれる 糸まつすぐや 兜虫 素十 コガネ虫科の昆虫で、角の形が兜の前立てに似ているので、この名がある。甲虫とも書く。また、さいかち虫、関西では源氏虫ともいう。 長さ6センチ余り、黒褐色または赤褐色で光沢がある。 くぬき、楢、さいかちの樹液を吸う。 空中をよく飛び、力も強いので、子供の頃、夏休みの観察記録で、角に糸を結びつけ、ものを引かせたり、他の昆虫と戦わせたりした記憶が残っている。
零れ話: 日本の野球史
今、高校野球は夏の大会に向け、地区予選の真っ最中である。 明治6年、開拓使仮学校のアメリカ人教師が、一本のバットと3個のボールを持ってきて、キャッチボールをしたのが日本野球の始まりといわれる。 同11年、アメリカ帰りの鉄道技師が同僚を集めて作った「新橋倶楽部」が、日本初の野球チームである。用具は全て舶来品。 大正7年、職業野球が誕生したが、同12年9月、大震災で解散に至った。 昭和9年秋、全米最強軍が来日したことを契機に、東京巨人軍が結成され、更に、大阪タイガース、名古屋金鯱軍、東京セネターズなど、相次いで設立された。 今や、高校野球夏季大会は“夏の風物詩”となっている。
今日の歳時記: ウミノヒ[海の日]
海の日や 谷の蝉声 波となり 海上 俊臣 海の日は、平成7年に制定され、平成8年から施行された日本国民の祝日。 当初は7月20日だったが、平成15年の祝日法改正により、7月の第3月曜日となった。 祝日化される前は「海の記念日」という位置付けであった。 この記念日は、明治9年( 1876 )、明治天皇の東北地方巡行の際、灯台巡視の汽船「明治丸」によって航海をし、7月20日に横浜港に帰着したことにちなみ、昭和16年( 1941 )に逓信大臣・村田 省蔵の提唱により制定された。 明治丸は、其の後、航海練習船として使用され、現在は東京海洋大学・越中島キャンパスに保存されている。
零れ話: 日本標準時制定
イギリスのグリニッチ天文台を通る子午線を0度とし、日本では東経135度をもって標準子午線としている。 この線上に太陽がきた時が日本標準時の正午と定められた。 これは、グリニッチ標準時より九時間早い計算になる。 この結果、東日本では朝は早い時刻に開け、夜は遅く、西日本ではその逆になるらしい。
今日の歳時記: サルスベリ[百日紅]
散れば咲き 散れば咲きして 百日紅 千代女 その黄褐色の木肌はなめらかで、サルも滑ってしまうとのことから、この名で呼ばれる。 また、盛夏から秋風が吹き始めめる頃まで咲き続けるので、百日紅(ひゃくじつこう)の名がある。 枝の先に、シワの多い深紅の六弁の花が群がって咲いている。 いかにも夏らしい花で、多くは庭木として植えられている。 「猿滑」と表記することもあるが、実際は、猿は滑ることなく、簡単に上るという。
零れ話: アイシャドー事始め
アイシャドーの歴史は古い。 5,000年も前の、古代エジピトで用いれられていた。 当時のアイシャドーは、孔雀(くじゃく)石をすりつぶした青い粉を、まぶたに塗っていた。 しかし、美的効果をねらったものではなく、強い陽射しを和らげる効果を、それ以上に、蠅避けが主であったらしい。 孔雀石には強い毒性があり、蠅が止まることや眼病の伝染を防ぐという目的があった。 まぁ、蠅避けだったとは、少し興ざめな話で有るが…
今日の歳時記: ネムノハナ[合歓の花]
谷空に かざして合歓の ひるのゆめ 素逝 梅雨明けの頃、夕暮れの中に、細い糸を無数に集めたような紅色の美しい花を開く。 六メートルにも達する落葉喬木で、枝を分けて繁茂し、葉は沢山の小葉からなり、その小葉が、夜になると静かに閉じるのでこの名がある。 漢字名で、“合歓”を「ごうかん」と読み、合歓木(ネムノキ)は、中国では夫婦円満の象徴とされている。
零れ話: クサノイチ[草の市]
盆(盂蘭盆)の行事に使うものを売る市。 かって、旧暦七月十二日の夜から十三日の朝まで、各地で開かれていたが、十二日の夜がにぎわうようになった。 この夜は、町中に秋の草や花が積まれて、昔の武蔵野の風情を思い出すので“草の市”といわれるようになった。 今でも、東京都中央区の月島では、盆用品以外にも各地の産物などの店が立ち並び、人々が集まっている。
今日の歳時記: ホオズキイチ[鬼灯市]
青鬼灯 一鉢さげて 終電車 伊代次 この時期、あちこちでほおずき市が立つ。 中でも浅草の市は、古くから夏の風物詩として下町の人々に親しまれてきた。 浴衣姿でうちわ片手に、ほおずきを買い求める情景は、爽やかで風情あるものである。 この謂れは、源頼朝が奥州征伐の帰り、浅草で部下を休ませ、日射病で倒れた兵士に“ほおずき”を食べさせて元気づけたという伝えかららしい。 効能大であるが、腹痛が起きる事があり、妊娠中の女性には禁物である。
零れ話: チュウゲン[中元]
古く中国では、一月十五日 → 上元 七月十五日 → 中元 十月十五日 → 下元 と呼び、 お祭りを行なったものだが、その中元の行事が日本に伝わった。 それが盆の行事と日も同じことから、混同され、盆に贈り、贈られるものを、中元といわれる様になったらしい。 元々、お盆には、親戚や親しいもの同士の間で、供物の意味があったが、今や、薄れて、世話になった方への感謝の意が強くなっている。 功罪半ばするが、縁を結ぶということの一つなのであろう…
今日の歳時記: スイレン[睡蓮]
睡蓮を 出て一本の 鯉となる 養三 池・沼などに自生する。 栽培品も多い。 7月頃、七、八センチの蓮に似た美しい白い花を開く。 花色は白・黄・赤など種々で、清らかな感じである。 朝露を含んで開き、夕べには静かに花を閉じるので、 この名がある。 また、未草(ひつじくさ)の別名がある。
零れ話: ショウショ[小暑]
二十四節気の第十。 陰暦六月の節。 地域にもよるが、この頃には梅雨も終わりを告げ、夏型の気圧配置となり、気温も高まり、本格的な夏の始まりとなる。 暑さに向かう折、知人の健康を気遣う葉書(→暑中見舞 )は、“結び目”を巡らすキッカケになるのではないでしょうか。 社交辞令とはとらえずに、言葉のキャッチボールを重ねませんか…