一茶: ルビなし蛙をかへると読む

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【この記事の内容はその後見直し修正しましたが、思索の記録を残すため保存します】

以下、作業中のふりがな小林一茶発句集春7より季語<蛙>の句と掲載資料(年)を表にしてみた。カナで<かへる>または<かはづ>と表記されたもの以外の蛙という漢字を<かへる>と読めば、表2のとおりになる。

岩波文庫「七番日記」(2003)、信濃教育会発行続一茶叢書「文化年中句日記・八番日記」(1976)、岩波文庫「一茶俳句集」(1990)、岩波文庫「一茶父の終焉日記・おらが春」(1992)において漢字の蛙に<かはづ>または<カハヅ>のルビを振ったものは次のとおり35あり、かなで表記したものが12ある。表2ではこれら表記と番号を太字で示した。なお、<かへる>のかな表記は2665, 2805の二つのみである。

  • かな表記(12) 2629, 2663, 2664, 2734a, 2769, 2771, 2782, 2807, 2816, 2818, 2820, 2824
  • かなルビ(35) 2634, 2641, 2669, 2673, 2675, 2676, 2679, 2682, 2683, 2686, 2690, 2691, 2694, 2697, 2700, 2701, 2703, 2704, 2712, 2716, 2717, 2718, 2719, 2726, 2733, 2742, 2746, 2748, 2754a, 2756, 2757, 2758, 2760, 2761, 2780
表2<蛙>をカエルまたはカワズと読む
2626 青梅あをうめに手てをかけ(掛)て寝ねる蛙かへる哉
寛政三紀行 寛3
2627 岩いはが根ねに蛙かへるの眠ねむる真昼まひる哉
寛政句帖 寛5
2628 道連に豊前の僧の二人あれば未明に出立して途中吟
蛙かへる鳴なき鶏とりなき(鳴)東ひがししら(白)みけり
西国紀行 寛7
2629よひ(宵)闇やみの一本いつぽん榎えのきなく(鳴)かはづ(蛙)
享和句帖 享2
2630 畔あぜひと(人)へ西にしの蛙かへるのきこ(聞)えけり
水の音 享3
2631 著
かりそめの娶入よめいり月づきよ(夜)や啼蛙なくかへる
享和句帖 享3
2632 天風姤
つるべ(釣甁)にも一夜ひとよ過すぎけりなく(鳴)蛙かへる
享和句帖 享3
2633 鳴なきながら蛙かへるとぶ(飛)也艸くさの雨あめ
享和句帖 享3
2634油火あぶらびのうつく(美)しき夜よやなく(鳴)蛙かはづ
文化句帖 化1 【1990】
2635 蛙かへるなく(鳴)や始はじめて寝ねたる人ひとの家いへ
文化句帖 化1
2636 鍋なべずミ(墨)を目口めくちに入いれてなく(鳴)蛙かへる
文化句帖 化1
2637 初蛙はつがへる 梢こずゑの雫しづく又またおち(落)よ
文化句帖 化1
2638 あさぢふ(浅茅生)や目出度めでたき雨あめになく(鳴)蛙かへる
文化句帖 化2
2639 芦あしの鶴つる又またおり(下)よかし夕蛙ゆふがへる
文化句帖 化2
2640 入相いりあひハ蛙かへるの目めにも泪なみだ哉
文化句帖 化2
2641片かたヒザ(膝)は月夜つきよ也けり夕蛙ゆふかはづ
文化句帖 化2 【1990】
2642 蛙かへるとぶ(飛)程ほどハふる(降)也艸くさの雨あめ
文化句帖 化2
2643 艸蔭くさかげにぶつくさぬかす蛙かへる哉
文化句帖 化2
2644 艸くさかげ(陰)や何なにをぶつくさゆふ(云)蛙かへる
文化句帖 化2
2645 なく(鳴)蛙かへる此夜このよ葎むぐらも伸のびぬべし
文化句帖 化2
2646 菜なの花はなにかこ(託)ち顔かほなる蛙かへるかな
文化句帖 化2
2647 葉はがく(隠)れに鳴なかぬつもりの蛙かへる哉
文化句帖 化2
2648 膝ひざぶし(節)へ鳴なきつきさうな蛙かへる哉
文化句帖 化2
2649 古艸ふるくさのさら〳〵雨あめやなく(鳴)蛙かへる
文化句帖 化2
2650 痩藪やせやぶも己おのが夜よる也なく(鳴)蛙かへる
文化句帖 化2
2651 蛙かへるなく(鳴)やとり(取)しま(締)りなき艸くさの雨あめ
文化句帖 化3
2652 あさぢふ(浅茅生)や臼うすの中なかよりなく(鳴)蛙かへる
文化句帖 化4
2653 影かげぼふし我われにとなり(隣)し蛙かへる哉
文化句帖 化4
2654 なく(鳴)蛙かへる夜よるハあつけ(呆気)なく成なりにけり
文化句帖 化4
2655 能因*のういんが雨あめもはら〳〵蛙かへる哉
文化句帖 化4 *平安中期の僧・歌人
2656 葉隠はがくれに年寄としより聲ごゑの蛙かへる哉
文化句帖 化4
2657 葉隠はがくれの椿つばき見みつめてなく(鳴)蛙かへる
文化句帖 化4
2658 晝比ひるごろはくつともい(云)はぬ蛙かへる哉
文化句帖 化4
2659 むさい家やの夜よを見みにござれなく(鳴)蛙かへる
文化句帖 化4
2660 夕蛙ゆふがへる葎むぐらの雨あめに老おいをなく(鳴)
文化句帖 化4
2661 我門わがかどのしハが(嗄)れ蛙かへる鳴なきにけり
文化句帖 化4
2662 梅うめの木きを鳴古なきふるしたる蛙かへる哉
化五六句記 化5
2663浦人うらびとのお飯めしの上うへもかはづ(蛙)哉
文化句帖 化5
2664ちる(散)花はなを口明くちあけて待まつかはづ(蛙)哉
文化句帖 化5
2665昼㒵ひるがほにうしろ(後)の見みゆるかへる(蛙)哉
化五六句記 化5
2666 山やまの鐘かね蛙かへるもとし(年)のより(寄)ぬべし
文化句帖 化5
2667 我われを見みてにが(苦)い㒵かほする蛙かへる哉
文化句帖 化5
2668 正月しやうぐわつを〳〵とやなく(鳴)蛙かへる
七番日記 化7
2669花はなびらに舌打したうちしたる蛙かはづ哉
七番日記 化7
2670 藪並やぶなみや仕様事しやうことなしに鳴蛙なくかへる
七番日記 化7
2671 夕陰ゆふかげや連つれにはぐれてなく(鳴)蛙かへる
七番日記 化7
2672浅あさぢふ(茅生)*や歩あるきながらになく(鳴)蛙かへる
七番日記 化8 *淺茅のはえた荒野
2673象潟きさがたや桜さくらを浴あびてなく(鳴)蛙かはづ
七番日記 化8
2674 我菴わがいほや蛙かへる初手しょてから*老おいを鳴なく
七番日記 化8 *最初から
2675か(斯)ゝる世よに何なにをほたへて*なく(鳴)蛙かはづ
七番日記 化9 *ふざける おどける
2676からさき(唐崎)*の松まつ真黒まつくろに蛙かはづかな
七番日記 化9 *琵琶湖西岸
2677 艸陰くさかげに蛙かへるの妻つまもこもり(籠)けり
七番日記 化9
2678 さく(咲)花はなのうち(内)に仕しま(舞)へよ鳴蛙なくかへる
七番日記 化9
2679小便せうべんの滝たきを見みせうぞ鳴蛙なくかはづ
七番日記 化9
2680 づう(図)〴〵し畳 たたみの上うへの蛙かへる哉
七番日記 化9
2681 掌てのひらに居すわりさうなり蛙かへる哉
七番日記 化9
2682どち向むくも万よろず吉きちとやなく(鳴)蛙かはづ
七番日記 化9
2683迯足にげあしや尿しとたれ(垂)ながら鳴蛙なくかはづ
七番日記 化9
2684 橋はしわた(渡)る盲めくらの迹あとの蛙かへる哉
七番日記 化9
2685 花はな[の]根ねへ推参すいさん*したる蛙かへる哉
七番日記 化9 *さし出る
2686蕗ふきの葉はに片足かたあしかけ(掛)て鳴蛙なくかはづ
七番日記 化9
2687ふんどし(褌)*のやうなもの引ひく蛙かへる哉
七番日記 化9 *水中の紐状の卵
2688 山吹やまぶきの御味方おみかた申まうす蛙かへるかな
七番日記 化9
2689 夕空ゆふぞらをにらみ(睨)つけ(付)たる蛙かへる哉
七番日記 化9
2690夕ゆふ不二ふじに尻けつを並ならべてなく(鳴)蛙かはづ
七番日記 化9
2691浅艸あさくさの不二ふじ*を踏ふまへてなく(鳴)蛙かはづ
七番日記 化10 *不二権現の富士山
2692 狗ゑのころに爰ここ迠まで来こいと蛙かへる哉
七番日記 化10
2693 をぢ(叔父)甥をひよいとこ(従兄弟)はとこ(再従兄弟)やなく(鳴)蛙かへる
七番日記 化10
2694川かはがり(狩)や大おほ続松ついまつ*をなく(鳴)蛙かはづ
七番日記 化10 *夜松明の火に集まる魚を捕る
2695艸くさの葉はにかくれんぼする蛙かへる哉
七番日記 化10; 化12 「草の葉…蛙かな」
2696柴舟しばふねに鳴なき〳〵下くだる蛙かへるかな
七番日記 化10
2697ちる(散)花はなに腮あごを並ならべる蛙かはづ哉
七番日記 化10
2698 な(菜)の花はなに隠居いんきよしてなく蛙かへる哉
七番日記 化10
2699 のさ〳〵と恋こひをするが(駿河)の蛙かへる哉
七番日記 化10
2700疱瘡はうさうのさんだらぼし(桟俵法師)*へ蛙かはづ哉
七番日記 化10 *疱瘡神を追い払う呪い
2701むき〳〵に蛙かはづのいとこ(従兄弟)はとこ(再従兄弟)哉
七番日記 化10
2702 むだ(無駄)口ぐちは一ひとつも明あけぬ蛙かへる哉
七番日記 化10
2703木母寺もくぼじの花はなを敷寝しきねの蛙かはづ哉
七番日記 化10
2704いうぜん(悠然)として山やまを見みる蛙かはづ哉
七番日記 化10
2705 世よ[の]中なかは是程これほどよい(良)を啼蛙なくかへる
七番日記 化10
2706 我わが杖つゑとしる(知)やじろ〴〵なく(鳴)蛙かへる
七番日記 化10
2707 うす(薄)縁べり[に]ばり(尿)して迯にげる蛙かへる哉
七番日記 化11
2708 艸陰くさかげにつんとしてゐる蛙かへるかな
七番日記 化11
2709ちる(散)花はなにのさばり廻まはる蛙かへる哉
七番日記 化11
2710菜畠なばたけに妻つまやこもり(籠)て鳴蛙なくかへる
七番日記 化11
2711一ひとつ星ぼし見みつけたやうになく(鳴)蛙かへる
句稿消息 化11
2712我一人われひとり醒さめたり㒵かほの蛙かはづ哉
七番日記 化11
2713御地蔵おぢざうの手てに据すゑ給たまふ蛙かへるかな
七番日記 化12
2714亀かめどの(殿)に負おぶさつて鳴蛙なくかへる哉
七番日記 化12
2715炬たいまつをはやし(囃)立たててや鳴蛙なくかへる
七番日記 化12
2716ちる(散)梅うめをざぶりと浴あびてなく(鳴)蛙かはづ
七番日記 化12
2717天下てんか泰平たいへいと居並ゐならぶ蛙かはづかな
七番日記 化12
2718人ひとを吐はくやうに居すわつて鳴なく蛙かはづ
七番日記 化12
『自筆本』「…所存か口を明く蛙」
2719目出度めでたさの烟けぶり聳そびえてなく蛙かはづ
七番日記 化12
2720山吹やまぶき[に]引ひつくる(絡)まりてなく(鳴)蛙かへる
七番日記 化12
2721亀かめどの(殿)に上座かみざゆづ(譲)りて鳴蛙なくかへる
七番日記 化13
2722来きかゝ(掛)りて一分別ひとふんべつの蛙かへるかな
七番日記 化13
2723車座くるまざに居直ゐなほりて鳴なく蛙かへる哉
七番日記 化13
2724小仏こぼとけの御首おかしらからも蛙かへるかな
七番日記 化13
2725ことし(今年)や世よがよ(良)いぞ小蛙こがへる大蛙おおがへる
七番日記 化13
2726西行さいぎやうのやうに居すわつて鳴蛙なくかはづ
七番日記 化13
2727笹ささの家や*の小言こごとの真似まねを鳴蛙なくかへる
七番日記 化13 *笹葺き屋根の家
2728叱しかつてもシヤア〳〵として蛙かへる哉
七番日記 化13
2729上人しやうにんの口真似くちまねしてやなく(鳴)蛙かへる
七番日記 化13
2730小便せうべんを致いたしながらもなく(鳴)蛙かへる
七番日記 化13
2731順じゆん〴〵に座ざにつき(着)てなく(鳴)蛙かへる哉
七番日記 化13
2732住吉すみよしの神かみ*の御前おまへの蛙かへる哉
七番日記 化13 *和歌の守護神
2733同音どうおんに口くちを明あけたる蛙かはづかな
七番日記 化13
2734長ながの日ひを脇目わきめもふ(振)らでなく(鳴)蛙かへる
七番日記 化13
2734a永の日に口明きくらすかはづかな
発句鈔追加
2735ナム(南無)〳〵と口くちを明あけたる蛙かへるかな
七番日記 化13
2736迯にげしなに何なにをぶつくさ夕蛙ゆふがへる
七番日記 化13
2737女房にようばうを追おひなくしてや鳴蛙なくかへる
七番日記 化13
2738能因のういんの雨あめ*をはや(囃)して鳴蛙なくかへる
七番日記 化13 *能因法師の雨乞い
2739のゝ様さま*に尻けつつんむけ(向)て鳴蛙なくかへる
七番日記 化13 *日月や神仏をいう幼児語
2740花蓙はなござや先さきへ居すわりてゐる蛙かへる
七番日記 化13 「い」→「ゐ」 
2741 蛙たゝかひ見にまかる四月廿日也けり
痩蛙やせがへるまけるな一茶是これに有あり
七番日記 化13
2742山吹やまぶきや先まづ御先おさきへととぶ(跳)蛙かはづ
七番日記 化13
『浅黄空』前書き「深川芭蕉庵の跡拝見して」 上五「古池や」
2743夕ゆふやけにやけ起おこしてや鳴蛙なくかへる
七番日記 化13
2744我菴わがいほに用ようありさうな蛙かへる哉
七番日記 化13
2745我門わがかどへしら(知)なんで這入はいる蛙かへる哉
七番日記 化13
2746足下あしもとの月つきを見みよ〳〵鳴蛙なくかはづ
七番日記 政1年2月 「かはづ」→「かへる」
2747有明ありあけや火ひを打うつまね(真似)を鳴蛙なくかへる
七番日記 政1
2748菴崎いほざきや亀かめの子こ笊ざる*になく(鳴)蛙かはづ
七番日記 政1 「かはづ」→「かへる」 *亀の甲に似た形の笊
2749 江戸えど蛙がへる一寸ちつとも迹あとへ引ひかぬかや 七番日記 政1
2750大蛙おほがへるから順じゆん〴〵に座ざどり(取)けり
七番日記 政1 (異) 「座どりけり大蛙から順〴〵に」
2751江州かうしう*に片手かたてをかけ(掛)て蛙かへる哉
七番日記 政1 *近江の国
2752散花ちるはなを奪ばひとり(取)がち*になく(鳴)蛙かへる
七番日記 政1 *われ勝ちに奪いとる
2753爪先つまさきは夜よに入いりにけり鳴蛙なくかへる 七番日記 政1
2754名乗なのるかや是これから田子たご*の蛙かへる迚とて
七番日記 政1 *農民
2754a名のるかや是より田子の蛙かはづぞと
七番日記 政1 (異)
2755 寅ノエド大火* *文化3年3月江戸芝車町の大火事
火ひの粉こ追おふ声こえのはづ(外)れや鳴蛙なくかへる
七番日記 政1
2756蕗ふきの葉はを引ひつかぶ(被)りつゝ鳴蛙なくかはづ
七番日記 政1
2757降ふる火ひの粉このり(乗)越こえはね(跳)越こえ鳴蛙なくかはづ
七番日記 政1
2758弁天べんてんの御前おまへに並ならぶ蛙かはづ哉
七番日記 政1
2759 三ヶ月みかづきを白眼にらみつめたる蛙かへる哉
七番日記 政1
2760夕ゆふ不二ふじ[に]手てをかけ(掛)て鳴蛙なくかはづ哉
七番日記 政1
2761 独座
おれとして白眼にらめくら(競)する蛙かはづかな
梅塵八番 政2 おらが春
2762親分おやぶんと見みえて上座かみざに鳴蛙なくかへる
風間八番 政2
2763蛙鳴かへるなくや狐きつねの嫁よめが出でた〴〵と
風間八番 政2
2764小高こだかミに音頭おんどうとりの蛙かへるかな
風間八番 政2
2765鶺鴒せきれいの尻けつではや(囃)すや鳴蛙なくかへる
八番日記 政2
2766其声そのこゑで一ひとつをど(踊)れよなく(鳴)蛙かへる
風間八番 政2
2767塔たふの影かげ莚むしろかす(掠)りてなく(鳴)蛙かへる
風間八番 政2『梅塵八番』「啼蛙」
2768初蛙はつがへる来きたりやしかも夫婦連ふうふづれ
風間八番 政2
2769木母寺もくぼじの鐘かねに孝行かうかうかはづ(蛙)哉
風間八番 政2
2770産うみさうな腹はらをかゝへ(抱)てなく(鳴)蛙かへる
風間八番 政3
2771江戸川えどがはにかはづ(蛙)もきく(聞)やさし(差)出口でぐち
風間八番 政3
2772 榎迄えのきまで春はるめかせけりなく(鳴)蛙かへる
発句題叢 政3
2773 蛙かへるらや火縄ひなはふる(触)手ての上うへを飛とぶ
風間八番 政3
2774 小蛙こがへるもなく(鳴)也口くちを持もった迚とて
風間八番 政3
2775元もとの座ざについ(着)て月つき見みる蛙かへる哉
風間八番 政3
2776山吹やまぶきに差出口さしでぐちきく蛙かへる哉
風間八番 政3
2777夕暮ゆふぐれに蛙かへるハ何なにを思案しあん橋ばし
風間八番 政3 『一茶句帳』「夕ぐれに蛙は何を思案ばし」
2778赤蛙あかがへる皮かはむかれても飛とびまハる
風間八番* 政4
2779梅うめの花はな笠かさニかぶ(被)つて鳴蛙なくかへる
風間八番 政4
2780つめ(詰)びらき(開)する㒵付かほつきの蛙カハヅ哉
八番日記 政4
2781一ひと理屈りくついふ(云)気きで居すわる蛙かへる哉
風間八番 政4
2782雨あめ降ふろと鎗やりが降ふろとも鳴なくかはづ(蛙)
文政句帖 政5
2783入相いりあひの尻馬しりうまニのる(乗)蛙かへる哉
文政句帖 政5
2784御座ござの面めン〳〵のうしろ(後)に蛙かへる哉
文政句帖 政5
2785田堺たざかひやひ(日)の図づをよつ(依)て鳴蛙なくかへる
文政句帖 政5
2786 古戦場真間の井  「ゝ」→「間」
散花ちるはなをはつたとにらむ(睨)蛙かへる哉
文政句帖 政5
2787とハ申まうしながらとや又またとぶ(跳)蛙かへる
文政句帖 政5
2788鳴出なきだして五分ごぶでも引ひかぬ蛙かへる哉
文政句帖 政5
2789なむ(南無)〳〵と蛙かへるも石いしニ並ならびけり
文政句帖 政5
2790なむ(南無)〳〵と田たニも竝ならんでなく(鳴)蛙かへる
文政句帖 政5
2791向合むきあつて何なにやら辯べんをふる蛙かへる
文政句帖 政5
2792芦あしの家やの佛ほとけニ何なにか夕蛙ゆふがへる
文政句帖 政7
2793五百崎いほざきや庇ひさしの上うへになく(鳴)蛙かへる
文政句帖 政7
2794いぼ釣つつてあちら向むいたる蛙かへる哉
文政句帖 政7 『方言雑集』「大蛙いぼを釣るやらあちらむく」
2795大形おほなりをしてとび(跳)下手べたの蛙かへる哉
文政句帖 政7
2796親蛙おやがへるついと横座よこざニ通とほりけり
文政句帖 政7
2797仙人せんにんの膝ひざと思おもふか来くる蛙かへる
文政句帖 政7
2798そこらでも江戸えどが見みゆるか鳴蛙なくかへる
文政句帖 政7政8
2799散花ちるはなニ首かうべを下さげる蛙かへる哉
文政句帖 政7
2800掌てのひらニ蛙かへるを居すゑるらかん(羅漢)哉
文政句帖 政7
2801天文てんもんを考かんがへ㒵がほの蛙かへる哉
文政句帖 政7
2802鳥居とりゐからヱドを詠ながむる蛙かへる哉
文政句帖 政7
2803野佛のぼとけの手てに居すゑ給たまふ蛙かへる哉
文政句帖 政7
2804晝過ひるすぎや地蔵ぢざうの膝ひざになく(鳴)蛙かへる
文政句帖 政7
2805蕗ふきの葉はニとん(跳)で引ひっくりかへる哉
文政句帖 政7
2806銘めい〳〵に鳴場なきばを座ざとる(取)蛙かへる哉
文政句帖 政7
2807吉原よしはらやさはぎ(騒)ハ過すぎて鳴なくかはづ 文政句帖 政7
2808じつとして馬うまに鼾かがるゝ蛙かへる哉
文政句帖 政8
2809ちさ蛙がへるこしやく(小癪)な口くちをたゝく(叩)也
文政句帖 政8
2810どつさりと居すわり込こんだる蛙かへる哉
文政句帖 政8
2811 三巡り
棒杭ばうくひニ江戸えどを詠ながむる蛙かへる哉
文政句帖 政8
2812 豊年ほうねんの圖づニ乗のつて鳴なく蛙かへる哉
文政句帖 政8
2813 山吹やまぶきへ片手かたてで下さがる蛙かへる哉
文政句帖 政8
2814 蘆あしの葉はに達磨だるまもどきの蛙かへる哉
文政句帖 政9
2815 じくなんで*茨いばらをくゞ(潜)る蛙かへる哉
文政句帖 政9 *強情を張って反抗する
2816 今いまの間まに一ひと喧嘩げんくわして啼なくかはづ
希杖本
2817 薄縁うすべりやどさり居すわつて鳴なく蛙かへる
浅黄空
2818 大榎おほえのき小楯こだてに取とつて啼なくかはづ
希杖本
2819 御地蔵おぢざうの膝ひざにすわつてなく(鳴)蛙かへる
発句鈔追加
2820御社おやしろへじくなんで入いるかはづ哉
浅黄空
2821 けふ(今日)明あけし窓まどの月つきよ(夜)やなく(鳴)蛙かへる
遺稿
2822 供とも部屋べやにさわぎ(騒)勝かつなり蛙酒かへるざけ
発句鈔追加
2823 鳴蛙なくかへる花はなの世よの中なかよかるべし
遺稿
2824寝ねた牛うしの頭かうべにすわ(坐)るかはづかな
発句鈔追加
2825 星ほしの歌うたよむ(読)つら(面)つきの蛙かへる哉
書簡

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