一茶: カへルよみ試案

一茶の俳句において蛙と蟇蛙はもっともよく描かれた生き物の一つである。蛙という字は一茶の同時代にも日常的に使われたカヘルのほかに、和歌や俳句で使われる歌語のカハヅの読みがあったようで、現代の読者はどちらで読まれていたか判定しにくい。

下の表はカヘルと読むべき句の試案として提示するものだが、確たる理論的根拠がある訳ではない。感官にもとづく案に過ぎない。

カへルよみ試案no
2637 初蛙はつがへる こずゑしづくまたおち(落)
文化句帖 化1
1
2639 あしつるまたおり(下)よかし夕蛙ゆふがへる
文化句帖 化2
2
2641 かたヒザ(膝)月夜つきよ也けり夕蛙ゆふがへる
文化句帖 化2
3
2644 くさかげ(陰)なにをぶつくさゆふ(云)かへる
文化句帖 化2
4
2660 夕蛙ゆふがへるむぐらあめおいなく(鳴)
文化句帖 化4
5
2725 ことし(今年)(良)いぞ小蛙こがへる大蛙おほがへる
七番日記 化13
6
2736 にげしなになにをぶつくさ夕蛙ゆふがへる
七番日記 化13
7
2741 痩蛙やせがへるまけるな一茶これあり
七番日記 化13
8
2749 江戸えどがへる一寸ちつとあとひかぬかや
七番日記 政1
9
2750 大蛙おほがへるからじゆん〴〵にどり(取)けり
七番日記 政1
10
2768 初蛙はつがへるきたりやしかも夫婦連ふうふづれ
風間八番 政2
11
2774 小蛙こがへるなく(鳴)くちもっとて
風間八番 政3
12
2778 赤蛙あかがへるかはむかれてもとびまハる
八番日記 政4
13
2792 あしほとけなに夕蛙ゆふがへる
文政句帖 政7
14
2796 親蛙おやがへるついと横座よこざとほりけり
文政句帖 政7
15
2805 ふきとん(跳)ひっくりかへる哉
文政句帖 政7
16
2809 ちさがへるこしやく(小癪)くちたゝく(叩)
文政句帖 政8
17
2822 とも部屋べやさわぎ(騒)かつなり蛙酒かへるざけ
発句鈔追加
18

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