七月八月の暑い盛りに週三日の輪行通勤を続けた。月に一度のペースで友人とMTB山行をしていたのを止めて一年以上経ったし、自転車で走りたかった。右脚の麻痺が気になって筋力をつけたいという思いもあった。
輪行区間を除いて朝夕往復で約一時間の走りだが、長いアップダウンがあり、漕ぎ続けるのが辛いときもある。妻の反対を押し切って始めたことだから途中で止めるわけにはいかない。自転車を折りたたんでバッグに入れる方法もいろいろ工夫した。
八月の終わりが近づくと、自転車を入れたバッグをいよいよ重く感じるようになり、肩にかけて階段を上がるのにふらつくこともあった。疲れが溜まっていたのだろう。七十歳を過ぎているし無理もないが、朝夕自転車で走る爽快さを失いたくない。
考えた末に、以前試乗したことのある軽い小径車を買うことにした。価格は一台目と同じく三万円余りだ。一台目はタイヤ径が16インチで12.5キロだが、二台目は14インチで8.5キロだ。すごく軽い、片手で軽々と持ち上げることができる。
二台目には変速機が付いていないが、脚の筋力を付けるには好都合と考えた。持ち運びに軽さは絶対条件だから、他の要素は我慢しなければ、と言い聞かせた。ところが、休日に一台目に乗ると、タイヤだけでなく車体感覚がまるで違う。ギアの切り替えもスムーズで重量感があって、これぞ自転車とさえ感じた。
B.B.通勤には軽い14インチの変速機なし、休日は重くても16インチの6段変速というのが現時点の贅沢な選択だ。これを一夫多妻ならぬ一夫二車制と呼ぼうと思う。もう一台MTBも加えれば一夫三車、一夫多車制を密かに楽しんでいる。






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