マスク(mask)を付けながら、顔(masque)や個性(persona)のない人々、帽子やキャップを深々と被りマスクをした人々は顔を見せることがない。そもそも個性を持たない人々が増えているのではないか。個性とは何だという話は置いておく。
唐突ながら、正倉院宝物のなかにあった西域の人の仮面を思い出す。そうだ、突起状のマスクをした人々はカルラ(迦楼羅)そのものではないか。Wikipedia によると、カルラはガルーダに由来するらしい。そして、朝鮮の탈(假面)を思う。その優しさを湛えたゆたかな表情を見よ。
日本政府に現在の姿勢を変える意向がない以上、日韓関係をふつうの外交関係に戻すことを韓国政府に求めるべきではない。省みれば、明治国家が立ち上がって以来、日韓・日朝関係がまともな状態にあったことなどないのだから。翁の能面は微笑みながらもどこか哀しげだ。朝鮮の탈も泪を堪えているように見える。