15年ほど前によく通った西新宿のコーヒーショップを何年かぶりで訪ねた。たまたま店主のN氏に会い、2時間ほど話した。近ごろ江戸文化に魅せられているという彼と、なぜか話しが合った。
焙煎されたコーヒー豆を紙の上に広げ、一粒ずつ「これはグアテマラ、これはコロンビア」と分けたうえで、豆を噛んで唾液で湿して飲むように言われた。やってみると、豆によって苦みが違うのを感じた。実に味わい深い。
執筆中の小説でコーヒーショップやコンヴィニエンスストアを寺院や教会に見立てていると話したら、共感してくれた。そして、北米のコーヒーショップは「第三の場所」を提供しているが、N氏は「第二の場所」と「第三の場所」の中間的な場所をめざしている、と言った。少し意味合いが異なるものの、小説の理解者を得たようでうれしかった。
第三の場所というのは Ray Oldenburg の理論で第一の場所は家庭、第二の場所は学校や職場をいい、ヨーロッパのカフェなどが提供する第三の場所の必要を説いた理論のようだ。→ Celebrating the third place