最近発売された総合雑誌「世界」2月号に私のインタビュー記事が掲載されています。タイトルは「慰安婦問題の隘路(あいろ)をどう進むか」で、特集2「戦争の記憶と向き合いつづける」に組み込まれています。
雑誌編集の特性のため、昨年10月31日にインタビューした内容が、2月号(1月上旬発売)に掲載されます。インタビュー前日に韓国最高裁の強制動員労働者判決が出ていますので、インタビューは微妙な時期に行われました。ムン・ジェイン政府の慰安婦政策が日本の人々に正しく理解されていないと考え、インタビューに応じることにしたのです。
「12・28日本軍慰安婦の合意検討TF*」委員長をした者としての責任感もありました。日本の一般市民を対象に、慰安婦問題を捉える現韓国政府の考えを直接伝えることが、この問題に関する日本の市民の理解を深めるのに役立つという考えが何より大きかった、と思います。*taskforce
7ページにわたる長いインタビューのため、慰安婦問題に関連した論点について、比較的詳細に説明することができました。韓国内でいろいろな経路を通じて明らかにした内容であり、このような分量と深みのあるインタビューは日本では初めてなので、記事が掲載された意義は小さくないと思います。
要旨は次のとおりです。12・28慰安婦の合意は、公開された部分だけ見れば一定の成果があったと見ることもできます。ただし、少女像の移転、挺対協の反発の抑制、国際社会における批判の自制、海外の記念碑に対する韓国政府の支援自制などの非公開部分を含む全体を見れば、被害者中心のアプローチでない合意だったのです。そして、日韓はこの問題を国際社会が培ってきた戦時性女性人権問題の解決策に沿って行う必要があると述べました。
日韓間に存在する歴史問題をめぐる対立は、問題の性格上、いっぺんに簡単に解決できるものではありません。日韓間には歴史的な対立に限らず、北朝鮮の核問題をはじめ、協力すべき重要な問題も山積しています。このような対立が暴走しないようコントロールしながら、相互協力の共通分母を育んでいく方法によって日韓の問題を解決していくのが望ましいという意見を述べました。
