をとめ

一茶の発句集のなかに美人という語が次の14句に入っている。これらをどう読むか、ルビ振りに悩まされる。現代かなの「びじん」ではなく「をとめ」だろうと考えている(以下、アラビア数字は縦書き文庫版「一茶発句集」季節[部]ごとの番号)。

  • 新年23 元日に曲眠りする美人をとめ哉 文政句帖 文政6
  • 春359 春雨はるさめ大欠おほあくびする美人をとめ哉 七番日記 文化8
  • 春3347 菫咲すみれさくかはをとび美人をとめ哉 七番日記 文化
  • 春4228 花さくや京の美人をとめの頬かぶり
  • 春4578 夜ざくらや美人をとめ天から下るとも 八番日記 政3
  • 夏843 やこらさと清水しみづとびこす美人をとめ哉 七番日記 文化10
  • 夏1182 がさがさとちまきをかぢる美人をとめ哉 七番日記 文化9
  • 夏1573 青すだれ白衣びやくえ美人をとめ通ふ見ゆ 寛政句帖 寛政5
  • 夏2388 かはほりにはたして美人をとめ立りけり 七番日記 文化7
  • 夏3612 大川へしらみとばする美人をとめ哉 七番日記 文化14
  • 夏3946 美人草びじんさうそなた本地ほんぢなに菩薩ぼさつ 文政句帖 文政7
  • 美人をとめ等に水しぼらるゝ糸瓜哉 八番日記 文政4
  • 冬 縄帯の美人をとめ逃すなけさの雪 七番日記 文化12
  • 冬 此ごろやおち葉の下の三美人をとめ 七番日記 文化8

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