卯の花の根元に葬られた蛙

一茶発句集の季語「卯の花」に蛙の登場する句が5句あり、卯の花と葬と墓参に関連づけている。は蛙に含めた。縦書き文庫一茶発句集もお読みいただければ幸いです。

  • 卯の花に葬る法師哉(夏4711)
  • 卯の花や水の明りになく(夏4713)
  • うの花や葬る明り先(4720)
  • 卯の花もほろりほろりやの塚(夏4736)
  • 卯の花や子らがの墓参り(夏4750)

夏4736の前文に、ここらの子どものたはぶれに蛙をいきながら土に埋めて「ひきどのゝお死なつた、おんばくもつてとぶらひに〳〵〳〵」とうたったとあり、子どもたちの遊びがあったことがわかる。

滝上町サイトに載った卯の花の写真↓

葛履
4709 みちよけてひとまつはな 享和句帖 享3
4710 いかけし(鋳掛師)(坩)堝つぼこぼすやはな卯木うつぎ 文化句帖 化1 
4711 はなかへるはうむ法師ほふし哉 文化句帖 化1
4712 [の]はなさう真似まねするどもたち 文化句帖 化1
4713 はなみづあかりになくかへる 文化句帖 化1
4714 さびしさに蠣殻かきがらふみぬはな卯木うつぎ 文化句帖 化1
4715 いましばし有明ありあけのこはな 文化句帖 化2
4716 僧入そういれれぬかき[の]はなさきにけり 文化句帖 化2
4717 ひとりにあなく也はなうの 文化句帖 化2
4718 うのはなにどつさりかゝるやなぎ哉 化五六句記 化6
4719 [の]はなうすきり(切)うぐひすと 化五六句記 化6
4720 うのはなかへるはうむあかさき 化五六句記 化6
4721 うのはな二人ふたり二人ふたり仏好ほとけずき 化五六句記 化6
4722 うのはな飯鐘めしがねすぎもなま二日ふつか 七番日記 化7
4723 かたどうふ(豆腐)あな[の]はな在所ざいしょ哉 七番日記 化7
4724 うのはなにとぼ〳〵うすきり哉 七番日記 化10
4725 はな伏見ふしみかよいぬみち 七番日記 化10
4726 はなかみ乞食こじきなかさく 七番日記 化11 
4727 はな乞食村こつじきむら大祭おほまつり 七番日記 化11
4728 ずつぷりとぬれはなつきよ哉 七番日記 化11
4729 はなまづかざしけり菩薩役ぼさつやく 七番日記 化12
4730 はないきひな御山おやま哉 七番日記 化12
4731 はなかどはわらぢの名代なだい哉 七番日記 化13 
4732 小盥こだらひうすにうのはな吹雪ふぶき哉 七番日記 政1
4733 はな一人ひとりきり鳥居とりゐ哉 八番日記 政2 
4734 はな吉日きちにちもちし後架こうか哉 八番日記 政2 
八日
4735 はなはな(無)きさへうられけり 八番日記 政2
  ここらの子どものたはぶれに蛙をいきながら土に埋めてうたふていはく「ひきどのゝお死なつた、おんばくもつてとぶらひに〳〵〳〵」と口〴〵にはやして芣苡おほばこの葉をかのうづめたる上に打かぶせて帰りぬ、しかるに『本草綱目』車前草しゃぜんそうの異名を蝦蟇衣かぼいといふ此国の俗がいろつ葉とよぶおのづからに和漢心をおなじくすといふべし、むかしはかばかりのざれごとさへいはれあるにや
4736 はなもほろり〳〵やひきつか おらが春 政2 
4737 寝所ねどこほどはな月夜つきよ哉 八番日記 政2 
4738 はな布子ぬのこひざひかり哉 八番日記 政4 
4739 はな四角しかくくれ在所ざいしよ哉 八番日記 政4 
4740 はなども(供)つくつちだんご 八番日記 政4
4741 はな(蹴)げのどろさかり哉 文政句帖 政5
4742 はなまど鬼王おにわう新左衛門しんざえもん 文政句帖 政5
4743 [の]はなかきのこちらの俄道にはかみち 文政句帖 政5
4744 樒有しきみありひめのりもありはなうつ 文政句帖 政5
4745 泥道どろみちれば[の]はななかりけり 文政句帖 政5
[四月]十九日雪降
4746 はなほんまのゆきさ[か]ふる 文政句帖 政6
4747 はなにしめつぽくなるたたみ哉 文政句帖 政7
4748 はな垣根かきねいぬ産屋うぶや哉 文政句帖 政8
4749 はな垣根かきね吹雪ふぶきはら〳〵と 文政句帖 政8
4750 はならがかへる墓参はかまゐり 文政句帖 政8
4751 はな糊看板のりかんばんのから〳〵と 文政句帖 政8
4752 はな目先めさきさむ朝心あさごころ 遺稿

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