一茶に魅せられて(1)を書いた4月初め、縦書き文庫版「一茶発句集」の句数は新年と春の季語をあわせて5,218句だった。その後、夏の季語にとりかかり、夏(7)動物の部で合わせて9,025句になった。一茶は生涯に約2万2千句遺したといわれ、その8千句余りは48-56歳(51歳で弟との相続問題に和解が成立、52歳で結婚)に書かれた「七番日記」(1810-18年)に掲載され、「一茶調」もこの時期に成立したとされる。老醜と向き合いながら結婚生活をいとなみ、創作活動は最盛期を迎える。晩年における彼の活動ぶりが同じく老境に入った僕を励ましてくれるのだ。
縦書き文庫版(季語の夏を制作中)の元データとしている長野郷土史研究会のサイトに公開されているのは、季語の秋(動物の部まで)だ。秋の植物の部と季語の冬・雑について何らかの方法で制作しなければならない。半年ほど悩んだ末に、1979年8月に完成した全9巻の『一茶全集』第1巻(信濃教育会編集/信濃毎日新聞社発行/菊判/762頁)をもとにすることにした。長野郷土史研究会サイトの凡例にも「同全集を底本にして」とある。一茶研究における金字塔とも云うべき資料だ。その第1巻発句(18,700句収録)を入手した。うれしいことこの上ない。

写真の見開きは、概ね右半分が長野郷土史研究会がデータ化し公開している部分(全体の約4分の3)、左半分が公開されていない部分(約4分の1)を示している。まだ夏の季語も終えていないが、秋の季語の動物の部までを研究会のデータに基づいて入力し、さらに左半分にあたる秋(植物)/冬/雑の発句を手入力する予定だ。一茶翁の没後2百年までに何とか縦書き文庫版「一茶発句集」を完成させ、僕の最晩年の碑にしたいと思う。
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