稲妻が走り雷が轟くなか降りしきる雨にめげることなく、経堂から洗足池までMTBで45分ほど疾走した。ヘルメット(Montbell)のお蔭でメガネに雨の滴が落ちることもなく、都会でMTBによる快走を楽しんだ。ギアの切り替えも実に滑らかだった。
山道と比べれば都会の舗装路は楽なものだが、雨雲で暗くなった夕方濡れた車道を走るのはかなりの緊張を強いられる。金属製の排水口や路肩のくぼみに注意しながら走るからだ。山道でタイヤを樹木の根っこに取られまいとして常に気を張っているのと同じかもしれない。信号が変わるのを見届け、後方から走ってくる車を気にしながらの疾駆でもある。
いずれの場合も、危険を避けることに集中して頭が空っぽになるからいいのだ。走り終えたあとの爽快感も小一時間何も考えずにいたことの反作用だろう。小学生のころ、プールの帰り道に雷雨のなかを走ったことがある。あのとき少年が感じていたのも同じ緊張感と解放感だったかもしれない。少年は何よりも雷と闇夜が怖かった。

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