一茶: 春の雁

雁()を詠んだ句は縦書き文庫版のふりがな小林一茶発句集春6の季語「帰る雁」に162あり、春の部動物のなかでも「蝶」302、「蛙」200に次いで多い。また、秋の部「雁」(雁金・初雁・天津雁・雁の竿・小田の雁)の167句ほか冬の部にもある。「帰る雁」「行く雁」など多様な表現があり、カリを表記する漢字も雁・鴈・厂の3種類がある。

一茶の描くほかの動物にもある程度共通するが、カリに対する思いは切々としていて読者を切なくうら寂しい気持ちにさせる。カリは連れ合いのようであり、彼らが帰ってゆく姿を見送るのはまるで葬送のようだ。己も連れて行ってくれと泪を流し、むさ苦しい草庵に留まるよう懇願する。それが叶わず庵の窓に付いた彼らの名残りを見つめる、ほぼ戀情に近いものだ。

どこか萩原朔太郎の描く郷愁につながる感性が漂っているようにさえ感じられる。蕪村を「郷愁の詩人」と呼んで称賛した朔太郎はなぜ一茶について書かなかったのだろう。戀猫の句々など靑猫の詩情そのものではないか。

読み込むにつれカリに女性の面影が重なってくる。上述の切々とした情感は一茶自身の想いを描いているように感じる。春の部に載ったカリの多くに獏とした女性に対する思慕を拭うことができない。

잇싸가 묘사한 다른 동물들에게도 어느 정도 공통되는 점이지만, 기러기에 대한 마음은 애절하여 독자로 하여금 서글프고 쓸쓸한 기분을 느끼게 한다. 기러기는 마치 짝과도 같아서, 그들이 돌아가는 모습을 배웅하는 것은 마치 장례식 같다. 자신도 데려가 달라며 눈물을 흘리고, 허름한 초암에 머물게 해 달라고 간청한다. 그 소원이 이루어지지 않아 암자의 창문에 남은 그들의 흔적을 바라보는 모습은, 거의 연정에 가까운 것이다.

어딘가 하기와라 사쿠타로(萩原朔太郎 1886-1942)가 그려낸 향수에 이어지는 감성이 감도는 것처럼 느껴지기도 한다. 부손(与謝蕪村 1716-84)을 ‘향수(郷愁)의 시인’이라 부르며 칭송했던 사쿠타로는 왜 잇싸에 대해서는 쓰지 않았을까. 잇싸의 ‘사랑하는 고양이’에 대한 시구들 등은 사쿠타로의 청묘(靑猫)의 시정 그 자체가 아닌가.

읽어갈수록 기러기에게 여성의 모습이 겹쳐 보인다. 앞서 언급한 애절한 감정은 잇싸 자신만의 마음을 그려낸 것처럼 느껴진다. 봄 편에 실린 기러기의 많은 작품에서 어렴풋이 떠오르는 여성에 대한 그리움을 떨쳐낼 수 없다.

春2610 ゆきたいかかり伸上のびあがり〳〵の句に他にみられない若々しい力が漲るのを感じる、僕が年老いたからだろうか。

noふりがな小林一茶発句集春6より
2449夕暮ゆふぐれ松見まつみしをかへ(帰)かり
享和二句記 享2
2450あまだれの有明ありあけづきかへ(帰)かり
享和句帖 享3
2451行灯あんどんめしくふ(喰)ひとかへ(帰)かり
享和句帖 享3
2452一度いちど見度みたきさらしな(更科)山*やまかへかり
享和句帖 享3 *長野県の冠着山
2453小田をだ[の]かりひとつとなりてはるいく(幾)
享和句帖 享3
2454かへ(帰)かりえき行灯あんどんかす(霞)む也
享和句帖 享3
2455かへかりなにはなしてゆくやらん
享和句帖 享3
2456かへかり北陸道ほくろくだうかへ(帰)る也
享和句帖 享3
2457 鴻雁こうがん
かへ一番いちばんさき寡雁やもめかり
享和句帖 享3
2458門口かどぐち行灯あんどんかす(霞)みてかへ(帰)かり
享和句帖 享3
2459くさあめまつつき(夜)かへ(帰)かり
享和句帖 享3
2460行雁ゆくかり更科さらしな見度みたきのぞみさへ
享和句帖 享3
2461朝雨あさあめいはうてかへ(帰)小田をだかり
文化句帖 化1
2462後立あとだちあめひけりかへ(帰)かり
文化句帖 化1
2463いたづらにひゞひとかへ(帰)かり
文化句帖 化1
2464近江あふみのやかりかへり(帰)まつつき
文化句帖 化1
2465かへ(帰)かりあすいづく(何処)つき
文化句帖 化1
2466帰鴈かへるかり見知みしつてをれよ浮御堂うきみだう
文化句帖 化1
2467かへしら(知)そぶり(素振)小田をだ[の]かり
文化句帖 化1
2468かどかりたつとなりぬとなりぬ
文化句帖 化1
2469是式これしきまどにもかりなごり(名残)
文化句帖 化1
2470しかられてそこ(其処)からすぐかへ(帰)かり
文化句帖 化1
2471立雁たつかりのぢろ〴〵みる(見)ひとかほ
文化句帖 化1
2472 かりかへ(帰)るつもりかかへらぬか
文化句帖 化1
2473 ひとかさくそしてかへ(帰)かり
文化句帖 化1
2474 兀山はげやま見知みしつておけよかへ(帰)かり
文化句帖 化1
2475 ひとツでもない行也ゆくなりかへ(帰)かり
文化句帖 化1
2476 ひとよりもあさきげん(機嫌)かへ(帰)かり
文化句帖 化1
2477 とせ(歳)こずゑあめかへ(帰)かり
文化句帖 化1
2478 行鴈ゆくかりのませてやらんきやうみづ
文化句帖 化1
2479 行鴈ゆくかりきのふ(昨日)えぬ小田をだみづ
文化句帖 化1
2480 ゆくかり廿日はつか[も]ればこれ古郷こきやう
文化句帖 化1
2481 我戀わがこいさらしな(更科)やまかへ(帰)かり
文化句帖 化1
2482 はなはな(離)にく(難)いか小田をだ[の]かり
文化句帖 化2
2483 げつそりとかりへり(減)けりよしず(葦簀)茶屋ぢやや
文化句帖 化3
2484 玉川たまがはうすしたよりかへ(帰)かり
文化句帖 化3
2485 見知みしられしかりもそろ〳〵立田たつた
文化句帖 化3
2486 ゆくハ〳〵江戸えどかりかり
文化句帖 化3
2487 芣苢おほばこのつや〳〵しさを皈鴈かへるかり
文化句帖 化4
2488 鴈立かりたちてさば〳〵したる浦邊うらべ
文化句帖 化4
2489 鴈行かりゆきひと荒行あれゆく艸葉くさば
文化句帖 化4
2490 立鴈たつかりおほきなくそをしたりけり
文化句帖 化4
2491 藪蕎麦やぶそばのとく〳〵にほかへ(帰)かり
文化句帖 化4
2492 行鴈ゆくかりがつく〴〵るや煤畳すすだたみ
文化句帖 化4
2493 行鴈ゆくかりひとこころうハ(上)そら
文化句帖 化4
2494 かりにさへとり(取)のこされしすみか
文化句帖 化5
2495 便たよりない我家わがやすてかへ(帰)かり
文化句帖 化5
2496 のう〳〵とやまたつらんかへ(帰)かり
文化句帖 化5
2497 厂立かりたつあとゆく小松こまつ
化五六句記 化6
2498 雁立かりたつあをくもらぬかき(根)
化五六句記 化6
2499 大切たいせつ廿五日にじふごにちかへ(帰)かり
化五六句記 化6
2500 木母寺もくぼじあかさきよりかへかり
化五六句記 化6
2501 行厂ゆくかりわがみづうみをすぐとほ
化五六句記 化6
2502 有明ありあけ念仏ねんぶつずきかりゆく
七番日記 化7
2503 いか(如何)ひとかりわかれつぐるぞよ
七番日記 化7
2504 いざさらば〳〵とかりきげん(機嫌)
七番日記 化7
2505 帰雁かへるかりわれかひ(甲斐)なきものとやは
七番日記 化7
2506 厂行かりゆくいまぢやうあけやぶいへ
七番日記 化7
2507 念仏ねんぶつさづ(授)けてやらん帰鴈かへるかり
七番日記 化7
2508 ハン(榛)のはら〳〵かりわかれ
七番日記 化7
2509 卅日みそかなきさとがあるやら帰厂かへるかり
七番日記 化7
2510 みやこをばかれ(彼)きらひか帰鴈かへるかり
七番日記 化7
2511 夕暮ゆふぐれかりうへにも一人旅ひとりたび
七番日記 化7
2512五百崎*いほざき御舟ぎよしゆうをが(拝)んでかへかり
七番日記 化8 *現在の東京向島・押上近く
2513三月やよひ卅日みそかになりて帰鴈かへるかり
七番日記 化8
2514青柳あをやぎざめ(醒)[の]してやかへかり
株番 化9
2515有明ありあけかりになりたや行厂ゆくかり
七番日記 化9
2516帰厂かへるかりひとはなか〳〵未練みれん
七番日記 化9
2517雁行かりゆくあと本間*ほんま角田川すみだがは
七番日記 化9 *ほんとう
2518さつぱりとかりいな(去)して姫小松*ひめこまつ
七番日記 化9 *小さな若松、少女
2519ゆきがけのちん(賃)なくあまかり
七番日記 化9
2520行厂ゆくかりあととなれやまとなれと
七番日記 化9 (異)『七番日記』化9 下五「花となれと」
2521おもふさまいねはこ*(箱)して帰雁かへるかり
志多良 化10 *大便
2522帰厂かへるかりあれも一人ひとりはなかりけり
七番日記 化10
2523かしま(姦)しや江戸えどかりかへやう
七番日記 化10
2524善光寺ぜんくわうじとほり*して帰厂かへるかり
七番日記 化10 *素通り
2525それがしもつれにせよやれ帰鴈かへるかり
七番日記 化10
2526人丸*ひとまろふでさきより帰雁かへるかり
志多良 化10 *柿本人麻呂 (類)『七番日記』化12 下五「時鳥」
2527またかとて鹿しかるらん帰雁かへるかり
志多良 化10
2528ゆくかりどつこもばらのうきぞや
句稿消息 化10
2529辛崎*からさきまつはどう帰鴈かへるかり
七番日記 化11 *琵琶湖西岸の唐崎
2530こんリンザイ(輪際)ぬふりをして厂立かりたち
七番日記 化11
2531武蔵むさしきたなし〳〵とや帰鴈かへるかり
七番日記 化11 (異)『八番日記』政2 「雁行や武蔵北なし〳〵と」
2532行厂ゆくかりよるらるゝしなの(信濃)やま
七番日記 化11
2533我顔わがかほにむつとしたやら帰鴈かへるかり
七番日記 化11
2534あさもや(靄)まぎれかりたちにけり
七番日記 化12
2535小田をだかり長居ながゐおそ(恐)れ〳〵とや
七番日記 化12
2536かしま(姦)しきかりいに(去)風立かぜたちにけり
七番日記 化12
2537 立際たちぎははならして帰鴈かへるかり
七番日記 化12
2538 釣人つりびとのぼんのくぼよりかへかり
七番日記 化12
2539 どこへなとわれつれ(連)[て]よ帰鴈かえるかり
七番日記 化12
2540 なくな〳〵それほどまめでかへかり
七番日記 化12年1月: 同2月 上五「鳴な〳〵」
2541 念仏ねんぶつがうるさいとて厂帰かりかへ
七番日記 化12
2542 はや(早)だちおやのありてや帰鴈かへるかり
七番日記 化12
2543 かへらねばならぬうき(浮)ひとかり
七番日記 化13
2544 帰厂かへるかり浅間あさまけぶり(煙)いく(幾)
七番日記 化13
2545 帰厂かへるかりはなのお江戸えどいく(幾)
七番日記 化13
2546 かりども[も]かへいへをばもつたげな
七番日記 化13
2547 かりかりいくつのとし(歳)からたびをした
七番日記 化13
2548 立際たちぎはになるやさつさと帰鴈かへるかり
七番日記 化13
2549 つれもたぬかりもとぼ〳〵かへりけり
七番日記 化13
2550どこでどう正月しやうぐわつをした帰鴈かへるかり
七番日記 化13
2551 名所などころ[を]けつ(蹴)ちら(散)かしてかへかり
七番日記 化13
2552 一組ひとくみ千住せんじゆどまりか帰鴈かへるかり
七番日記 化13
2553 ひとかりかへらでもすむ(済)ことならば
七番日記 化13
2554 ひとかりゆかかな(叶)はぬことなるか
七番日記 化13 同年 「一つ鴈よく〳〵行でかなはぬか」
2555 まて(待)しばし御供おともまうさん帰鴈かへるかり
七番日記 化13
2556 夫婦ふうふかりはなしてゆくぞあれゆく
七番日記 化13
2557 木母寺*もくぼじ念仏ねぶつさづ(授)かりて帰鴈かへるかり
七番日記 化13 *江戸向島の寺
2558 我家わがいへおきざりにして帰鴈かえるかり
七番日記 化13
2559 我門わがかどおぞげ(怖気)ふるつ(振)帰鴈かへるかり
七番日記 化13
2560 わやくや*はわか同士どうし帰雁かへるかり
七番日記 化13 *騒がしいようす
2561 けふ(今日)まではようし[ん]ぼ(辛抱)したかどかり
七番日記 化14
2562 はぢ(掻)ゝぬうち(内)につい〳〵帰鴈かえるかり
七番日記 化14
2563夜伽*よとぎしてくれたるかりかへりけり
七番日記 化14 *夜の話し相
2564 外ケ浜* *津軽地方の雁の名所
厂鳴かりなくいま日本ひのもとはなるゝと
七番日記 政1
2565 高梨むら* *現在の須坂市高梨町
大雨おほあめやずつぷりぬれ帰鴈かへるかり
七番日記 政1 
2565大雨おほあめやずつぷりぬれ帰鴈かへるかり
七番日記 政1 
2566かへたくかりおもふやおも(思)はずや
七番日記 政1
2567帰鴈かへるかりほそけぶりわするゝな
七番日記 政1
2568かりにさへ袖引そでひきあめふりにけり
七番日記 政1
2569厂行かりゆく小菜こなもほち[ち]や〳〵ほけたつ
七番日記 政1
2570こんな旅立たびだちよしか帰鴈かへるかり
七番日記 政1
2571しよぼぬれかりかへるぞ九十川くじふがは*
七番日記 政1 *大井川の別称、増水時に肩車で渡賃90文を取った
2572しりくら(暗)クハン(観)音山のんやま帰鴈かへるかり
七番日記 政1 *尻暗観音(六観音の縁日18-23日の後闇夜になることから)
2573まつ置去おきざり[に]して帰鴈かへるかり
七番日記 政1
2574行厂ゆくかりやおヱドはむさしうるさ(煩)しと
七番日記 政1
2575我村わがむらいく(幾)とほかへかり
七番日記 政1
2576鴈行かりゆく(矯)めつすが(眇)めつ隅田川すみだがは
八番日記 政2
2577小社こやしろ三遍さんべんまつかへかり
風間八番 政2
2578あとしりむすばず*歸鴈かへるかり
風間八番 政2 *後始末をする
2579早立はやだち千住せんじゆどまりかかへかり
風間八番 政2
2580足元あしもとあかるいうちかへる(帰)かり
風間八番 政3
2581江戸えどかたまづじやう首尾しゆびかへかり
梅塵八番 政3
2582おや三人さんにんづれかへかり
八番日記 政3
2583おはるゝをしほにかへるやかどかり
風間八番 政3
2584かどかりおはついでかへりけり
八番日記 政3
2585厂行かりゆくひとのやれこれいふ(云)うち(内)
八番日記 政3
2586 すつぽんもはねほしげ也歸厂かへるかり
風間八番 政3
2587 やみみちあるくにかへかり
八番日記 政3
2588我跡わがあとつき(付)そんじてやかへかり
梅塵八番 政3 (異) 風間八番 下五「歸る蝶」
2589あきらめてわかれなくかどかり
風間八番 政4
2590 なくかりいつもわかれおなこと
八番日記 政4
2591大組おほぐみあとだまつ(黙)かへかり
文政句帖 政5
2592大組おほぐみかりはたしてかへる也
文政句帖 政5
2593此國このくにのものニゆかかり
文政句帖 政5
2594折角せっかく居馴いなじんでからかへる(帰)かり
文政句帖 政5
2595なく(啼)[な]かりとても*一度いちどわかれねば
文政句帖 政5 *どうせ
2596何事なにごとこの大雨おほあめかへるかり
文政句帖 政5
2597ひとり(一人)だま(黙)りこくつてかりかへ(帰)
文政句帖 政5
2598満月まんげつぬけしとやかへかり
文政句帖 政5
2599かずともよくバかへるな小田をだかり
文政句帖 政5
2600ゆき拍子ひやうしかりかへりけり
文政句帖 政5
2601行雁ゆくかりくだるやこひ輕井澤かるいざは
文政句帖 政5
2602行雁ゆくかりおぼ(思)しきをさきたて
文政句帖 政5
2603夜伽よとぎしたかりけふ(今日)こそかへるなれ
文政句帖 政5
2604夜伽*よとぎしてなきたるかりよなぜかへ
文政句帖 政5 *夜の相手をつとめ
2605江戸えどの[みづ]ミおほせて*やかへる(皈)かり
文政句帖 政6 *終えて (異) 文政句帖 政5 中七下五「呑んだ聲して皈鴈」
2606 朝雨あさあめかり首尾しゆびよくかへこゑ
文政句帖 政7
2607 立際たちぎはじやうきげん(機嫌)小田をだかり
文政句帖 政7
2608 痩雁やせかりともかへるをてハなく(啼)
文政句帖 政7
2609 みちのく(陸奥)田植たうゑてからかへかり
希杖本
2610 ゆきたいかかり伸上のびあがり〳〵
浅黄空

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