一茶発句集新年の句を再編集していて気付くことが少なくない。その一つが正月の初空と茶の煙の関係である。正月に立つ茶の煙について初空を乱す邪魔者扱いしているかと思えば、他方で初空になろうとしそれを拵えているというのである。このように一見対立しているようにみえながら協働しているという関係性をおもしろいと思う。
- 235 初空にならんとすらん茶のけぶり 七番日記 化8
- 240 初空やはゞかり乍茶のけぶり 七番日記 化8
- 251 はつ空にはやきず付るけぶり哉 七番日記 化14 (出)『発句集続篇』
- 257 はつ空を拵へる也茶のけぶり 浅黄空
これが一茶流の観照態度なのかもしれない。上天に広がる初空を画する次の句もおもしろい。
253 初空の行留り也上総山 七番日記 化14
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