一茶07: はつぞら

一茶発句集新年の句を再編集していて気付くことが少なくない。その一つが正月の初空と茶の煙の関係である。正月に立つ茶の煙について初空を乱す邪魔者扱いしているかと思えば、他方で初空になろうとしそれを拵えているというのである。このように一見対立しているようにみえながら協働しているという関係性をおもしろいと思う。

  • 235 初空はつぞらにならんとすらんちやけぶり(煙) 七番日記 化8
  • 240 初空はつぞらやはゞかりながらちやのけぶり 七番日記 化8
  • 251 はつぞらにはやきずつけるけぶり哉 七番日記 化14 (出)『発句集続篇』
  • 257 はつぞらこしらへる也ちやのけぶり 浅黄空

これが一茶流の観照態度なのかもしれない。上天に広がる初空を画する次の句もおもしろい。

253 初空はつぞら行留ゆきどまり也上総かづさやま 七番日記 化14

Leave a comment