wakibitos

2024年から総ルビ付きの縦書き文庫版を制作中で、その作業の一部として以下の資料(未定稿)を掲載しています。同文庫版はすでに夏と新年の部の句に旧かなルビを振りました。25年後半に春の部の修正を終えて秋と冬･雑の部に取りかかり、26年中に完成する予定です。

一茶発句集 冬1/4
十月(神無月) 安蘇一見急ぎ候やがて神無月 寛政句帖 寛5 十月の中の十日の霰哉 七番日記 化7 十月やほの〴〵かすむ御綿売 七番日記 化7 十月の中の十日を茶(の)湯哉 七番日記 化11 十月の中の十日の寝坊哉 七番日記 化12 十月やうらからおがむ浅草寺 七番日記 化12 御地蔵よ我も是(か)らかみな月 七番日記 化13 十月を春辺にしたり菜畠哉 七番日記 化13 十月の春辺をほこる菜畠哉 七番日記 化13 十月の春辺をほこる野菜哉 七番日記 化13 異 師走(十二月 極月) 吹降やされど師走の人通り 寛政句帖 寛5 京の師走高みに笑ふ仏哉 享和句帖 享3 けろ〳〵と師走月よの榎哉 享和句帖 享3 旅の空師走も廿九日哉 享和句帖 享3 旅鴉師走も廿九日哉 享和句帖 異 選当し庵に寝ても師走哉 文化句帖 化1 とび抜て師走日向の小村哉 七番日記 化10 松のおく又其おくも師走哉 七番日記 化10 世につれて師走ぶりする草家哉 七番日記 化10 十二月二十九日の茶の湯哉 七番日記 化11 十二月二十九日の楽寝哉 文政句帖 政5 異 二本棒たらして歩く師走哉 七番日記 化11 十二月廿九日も入相ぞ 七番日記 政1 十二月も今日卅日となりにけり 八番日記 政4 極月や廿九(日)の猫の恋 文政句帖 政6 山本や師走日なたのこぼれ村 文政句帖 政7 短日 日短やかせぐに追いつく貧乏神 文政句帖 政8 冬の夜 冬の夜やきのふ貰ひしはりまなべ 文化句帖 化2 冬の夜や庭の小山も影見へて 文化句帖 化2 冬の夜を真丸に寝る小隅哉 七番日記 化12 冬のよや火ばしとりてもおもしろき 七番日記 化12 冬至 さぼてんを上坐に直ス冬至哉 七番日記 化11 鈴ふりがからり〳〵と冬至哉 七番日記 化11 日本の冬至も梅の咲にけり 七番日記 化11 日本の冬至も梅は咲にけり 自筆本 異 野狐がいな村祭る冬至哉 七番日記 化11 我梅はなんのけもなき冬至哉 七番日記 化11 雪ちらり〳〵冬至の祝義哉 八番日記 政2 粥くふも物しりらしき冬至哉 文政句帖 政5 上白の一陽来たり梅の花 書簡 政9 寒(寒の入り 大寒) 今時分の寒の入らん夜念仏 享和句帖 享3 降雨の中にも寒の入にけり 享和句帖 享3 松の木に寒糞かけて夜の雨 文化句帖 化2 重複686 むつかしや今月が入寒が入 七番日記 化7 大寒の大い〳〵とした月よ哉 七番日記 化12 有明や壁の穴から寒が入 七番日記 化13 さす月(の)ぼんの凹から寒が入 七番日記 化13 おとろへやぼんの凹から寒が入 書簡 異 うす壁にづんづと寒が入にけり 七番日記 化14 うす壁にづんづと寒が入りけり 自筆本 下馬先や奴が尻に寒が入 七番日記 化14 うしろから寒が入也壁の穴 八番日記 政3 赤坂や寒が入也壁の穴 文政句帖 政5 かご脇の高股立や寒の入 八番日記 政3 大寒や八月ほしき松の月 発句題叢 政3 放(れ)家やずん〴〵別の寒が入 八番日記 政3 棒突や石垣たゝく寒の入 八番日記 政4 灯のしん〳〵今や寒が入 文政句帖 政5 宵過や柱みり〳〵寒が入 文政句帖 政6 あばら家(や)寒ある上(に)寒が入 文政句帖 政7 薄壁や月もろともに寒が入 文政句帖 政7 薄壁や鼠穴より寒が入 文政句帖 政7 かぢけ坊に寒が二度迄入にけり 文政句帖 政7 大寒の入るもきびしき武門哉 文政句帖 政7 はき庭や入るも手強い江戸の寒 文政句帖 政7 和らかな寒が入る也京の町 文政句帖 政7 節穴や月もさし入寒も入 自筆本 寒し(寒き日 寒き夜) 犬吼て親呼ぶ乞食寒からん 寛政句帖 寛4 巨燵出て一文けるも寒(さ)哉 寛政句帖 寛4 寒き夜や我身をわれが不寝番 寛政句帖 寛4 関処より吹戻さるゝ寒さ哉 寛政句帖 寛4 我好て我する旅の寒(さ)哉 西紀書込 寛中 井戸にさへ錠のかゝりし寒(さ)哉 享和句帖 享3 掌に酒飯けぶる寒(さ)哉 享和句帖 享3 鳥の羽のひさしにさはる寒(さ)哉 享和句帖 享3 あら寒し〳〵といふも栄よう哉 七番日記 化8 生残り〳〵たる寒(さ)かな 我春集 化8 合点して居ても寒いぞ貧しいぞ 我春集 化8 かけ金の真赤に錆て寒(さ)哉 七番日記 化9 寒き日や井戸の間の女郎花 七番日記 化9 寒き日や鎌ゆひ付し竿の先 七番日記 化9 しなのぢの山が荷になる寒(さ)哉 七番日記 化9 寒(寒の入り 大寒) しなのぢの雲が荷になる寒(さ)哉 句稿消息 寒し(寒き日 寒き夜) 二(つ)三(つ)赤い木(の)葉のあら寒き 七番日記 化9 寒(寒の入り 大寒) 二(つ)三(つ)赤い木(の)葉のあら寒し 自筆本 寒し(寒き日 寒き夜) 夕過の臼の谺の寒(さ)哉 七番日記 化9 赤い葉におつ広がりし寒(さ)哉 七番日記 化10 けふばかり別の寒(さ)ぞ越後山 七番日記 化10 寒(寒の入り 大寒) けふばかり別の寒や越後山 七番日記 化10 寒し(寒き日 寒き夜) 死こぢれ〳〵つゝ寒(さ)かな 七番日記 化10 草庵は夢に見てさへ寒(さ)哉 七番日記 化10 寒(寒の入り 大寒) 我庵は夢に見てさへ寒(さ)哉 書簡 異 寒し(寒き日 寒き夜) 一祭り過てげつくり寒(さ)哉 七番日記 化10 あら寒や大蕣のとぼけ咲 七番日記 化11 下町や寒(い)が上に犬の糞 七番日記 化11 本町の木戸りんとして寒(さ)哉 七番日記 化11 両国がはき庭に成る寒(さ)哉 七番日記 化11 寒(寒の入り 大寒) 両国のはき庭に成る寒(さ)哉 七番日記 異 寒し(寒き日 寒き夜) 我程は寒さまけせぬ菜畠哉 七番日記 化11 あばら骨あばらに寒(き)夜也けり 七番日記 化12 もた(い)なと思へど大寒小寒哉 七番日記 化12 山雀や寒し〳〵とふれ歩く 七番日記 化12 なん妙法蓮花寺ときくも寒(さ)哉 七番日記 化13 古盆の灰で手習ふ寒(さ)哉 七番日記 化13 庵の夜はしんそこ寒ししん〳〵と 七番日記 化14 御祓も木に縛らるゝ寒(さ)哉 七番日記 化14 しん〳〵と心底寒し新坊主 七番日記 化14 古郷は寒もいごちわろき哉 七番日記 化14 寒(寒の入り 大寒) 茨垣の寒もいごちわろき哉 七番日記 化14 異 寒し(寒き日 寒き夜) 一人と帳に付たる夜寒哉 七番日記 政1 寒(寒の入り 大寒) 一人と帳面につく寒かな さびすなご他 異 寒し(寒き日 寒き夜) うしろから見ても寒げな天窓也 七番日記 政1 狼の糞を見てより草寒し 七番日記 政1 ずん〴〵とぼん(の)凹から寒(さ)哉 七番日記 政1 ひいき目に見てさへ寒き天窓哉 七番日記 政1 ひいき目にさへも不形な天窓哉 七番日記 政１ ひいき目に見てさへ寒きそぶりかな 文政版他 遺稿 ひいき目に見てさへ寒し影法師 七番日記 政1 真丸に小便したる夜寒哉 七番日記 政1 一文に一ツ鉦うつ寒(さ)哉 八番日記 政2 狼は糞ばかりでも寒(さ)かな おらが春 政2 狼は糞を見てさへ寒(さ)かな 自筆本 異 古札の藪にひら〳〵寒(さ)哉 八番日記 政2 椋鳥と人に呼るゝ寒(さ)哉 八番日記 政2 極楽が近くなる身の寒(さ)哉 八番日記 政4 寒き日やにせ徳本の念仏石 八番日記 政4 寒き日や二里徳本の念仏鉦 梅塵八番 異 寒(さ)にも馴て歩くやしなの道 八番日記 政4 寒(さ)にも馴て歩くや鹿の道 梅塵八番 異 寒(さ)にも馴て歩くや信濃山 嘉永版 水風呂の口で裾ぬふ寒(さ)哉 八番日記 政4 年かさをうらやまれたる寒さ哉 八番日記 政4 とつときの皮切一ツおふ寒し 八番日記 政4 初雪の皮切一ツおふ寒し 梅塵八番 異 蛬きり〳〵仕廻へ寒い雨 文政句帖 政5 極楽の道が近よる寒(さ)かな 文政句帖 政5 しん〳〵としんそこ寒し小行灯 文政句帖 政5 猫の穴から物をかふ寒(さ)哉 文政句帖 政5 木の七五三のひら〳〵残る寒(さ)かな 文政句帖 政6 草の家や親の寒(さ)が子にむくふ 文政句帖 政6 あばれ家や親の寒(さ)が子にふくむ 自筆本 異 寒き日や家にしあらば初時雨 文政句帖 政6 田の人や畳の上も寒いのに 文政句帖 政6 庵の夜や寒し破るゝはどの柱 文政句帖 政7 去年より一倍寒し来年は 文政句帖 政7 塩入の貧乏樽の寒さ哉 文政句帖 政7 きればきる程寒(い)也上見れば 文政句帖 政8 土一升金一升の寒(さ)哉 文政句帖 政8 身にしむや元の主の寒さまで 政九十句写 政10 身にしむや前のあるじの寒さまで 終焉記 異 寒き夜や風呂の明りで何かぬふ 自筆本 　 次の間の灯(で)膳につく寒(さ)哉 自筆本 　 月花のぬくなき門の寒さかな 終焉記 　 角大師へげきりもせぬ寒(さ)哉 自筆本 　 のらくらの遊びかげんの寒(さ)哉 発句鈔追加 身に添や前の主の寒(さ)迄 文政版 凍る 凍とけぬうちに参(る)や善光寺 七番日記 化14 朝凍のうちに参(る)や善光寺 文政句帖 政6 異 うらの戸(や)腹へひゞきて凍割るゝ 七番日記 化14 門川や腹へひゞきて凍割るゝ 自筆本 異 冴る 今夜から世が直るやら鐘さへる 七番日記 化10 初氷 うら口や曲げ小便もはつ氷 七番日記 化12 拵へたやうな紅葉やはつ氷 七番日記 化12 福鼠渡り返せやはつ氷 七番日記 化12 大晴(の)旦や浅黄のはつ氷 八番日記 政2 夕やけや唐紅の初氷 八番日記 政2 染汁や唐紅の初氷 八番日記 政3 異 をさな子や文庫に仕廻ふはつ氷 文政句帖 政7 をさな子や文庫へ仕廻ふはつ氷 文政句帖 政7 異 氷 萍と見し間に池の氷かな 寛政句帖 寛4 せゝなぎや氷を走る炊ぎ水 寛政句帖 寛６ 人先に鷺の音する氷哉 文化句帖 化4 家ともに氷ついたよ角田川 七番日記 化8 家ともに氷ついたぞ角田川 七番日記 化14 異 闇がりの畳の上も氷哉 七番日記 化8 子ども達江戸の氷は甘いげな 七番日記 化8 有明や月より丸き棄氷 七番日記 化10 さい銭が追かけ廻る氷哉 七番日記 化12 浅漬に一味付し氷哉 七番日記 化14 米負て小唄で渡る氷哉 七番日記 化14 物買て小唄で渡る氷哉 希杖本 異 さく〳〵と氷かみつる茶漬哉 七番日記 化14 たばこ殻けぶり歩くやうす氷 七番日記 化14 葭垣や立かけておく丸氷 七番日記 化14 我家(の)一つ手拭氷りけり 七番日記 化14 我宿の一つ手拭氷りけり 自筆本 異 なしろふ氷をかけちる若子哉 八番日記 政2 縄付て子に引せけり丸氷 八番日記 政2 馬人の渡り馴たる氷哉 八番日記 政3 売ものゝ並に致すや丸氷 梅塵八番 政3 氷ぞと気が付ばなる湖水哉 八番日記 政3 氷ともしらで渡(り)し湖水哉 八番日記 政3 氷とはしらで渡(り)し湖水哉 自筆本 異 こおり すい〳〵と渡れ(ば)渡る氷哉 八番日記 政3 氷 わらんぢの並につるすや丸氷 八番日記 政3 渡りたる迹で気が付氷哉 八番日記 政4 渡りたる跡で気のつく氷哉 梅塵八番 異 云訳に出すや硯の厚氷 文政句帖 政5 云訳の手がたに(氷る)硯かな 文政句帖 政5 うつくしく油の氷る灯かな 文政句帖 政5 松影も氷りついたり壁の月 文政句帖 政5 はらんべは目がねにしたる氷かな 文政句帖 政5 手拭のねぢつたまゝの氷哉 文政句帖 政6 油皿くつ返(し)ても氷哉 文政句帖 政7 おさな子の文庫(に)仕廻ふ氷かな 書簡 政7 氷までみやげのうちや袂から 文政句帖 政7 氷る夜はどんすの上の尿瓶哉 文政句帖 政7 氷る夜やどんすの上の尿瓶哉 真蹟 猫の目や氷の下に狂ふ魚 文政句帖 政7 本馬のしやん〳〵渡る氷哉 文政句帖 政7 本堂や手本のおしの欠氷 文政句帖 政7 夜廻りの太鼓氷(る)や明屋敷 文政句帖 政7 人ともに氷ついたよ橋の月 文政句帖 政8 門垣にほしておく也丸氷 自筆本 鐘氷る かね氷る山白妙に月夜哉 寛政句帖 寛６ 鐘氷る山をうしろに寝たりけり 文化句帖 化3 門口へ来て氷(る)也三井の鐘 七番日記 化8 門口に来て氷(る)也三井の鐘 我春集他 異 下町に曲らんとして鐘氷る 七番日記 化10 下町や曲らんとして鐘氷る 志多良他 横丁へ曲らんとして鐘氷る 自筆本 明(の)鐘の見事に氷る湖水哉 文政句帖 政5 氷柱(垂氷) 夕風や社の氷柱灯のうつる 寛政句帖 寛4 おそろしき柳となりて垂氷哉 寛政句帖 寛６ 小鼠の足代になる氷柱哉 七番日記 化11 御仏の御鼻の先へつらゝ哉 七番日記 化11 折氷柱狗どもはじやらしけり 七番日記 化13 僧正の天窓で折し氷柱哉 七番日記 化13 入道の頭ではらふ氷柱哉 自筆本 異 我家は煤竹色の氷柱哉 七番日記 化13 野仏の御鼻の先の氷柱哉 七番日記 化14 野仏の鼻の先より氷柱哉 八番日記他 政3 異 我家や初氷柱さへ煤じみる 七番日記 化14 ほんのりと煤竹染の氷柱哉 八番日記 政2 世渡りの氷柱下ルや天窓から 八番日記 政2 一方は氷柱でもちし草家哉 文政句帖 政5 入口の氷柱をはらふつらゝかな 文政句帖 政5 入口の氷柱をはらふ頭かな 文政句帖 政7 異 面白くすゝのしみたる氷柱哉 文政句帖 政5 かくれ家に氷柱廻りて這入けり 文政句帖 政5 かた〳〵は氷柱をたのむ屑家哉 文政句帖 政5 山柴(の)氷柱四五本よくもゆる 文政句帖 政5 山寺は鋸引の氷柱かな 文政句帖 政5 はんぱくが袂より出る氷柱哉 文政句帖 政5 柴先に見事にもゆる氷柱哉 文政句帖 政7 小春(小六月) ふる雨も小春也けり智恩院 文化句帖 化1 麦ぬれて小春月夜の御寺哉 文化句帖 化1 口すぎの念仏通る小春哉 化三八写 化7 鶯の軒廻りする小春哉 七番日記 化10 けふも〳〵〳〵小春の雉子哉 七番日記 化10 椋鳥が唄ふて走る小春哉 七番日記 化10 米俵手玉にとるや小六月 七番日記 化11 石橋の奉加幟の小春哉 七番日記 化12 くり〳〵と笹湯の笹も小春哉 八番日記 政2 穀留のつく棒さす又小春哉 八番日記 政2 さをしかのしの字に寝たる小春哉 八番日記 政2 さをしかのしもくに寝たる小春哉 八番日記 政２ 異 棒先の紙のひら〳〵小春哉 八番日記 政2 棒先の紙もひら〳〵小春哉 嘉永版 異 縁先は昼飯過の小春哉 文政句帖 政7 かつらぎや小春つぶしの天狗風 文政句帖 政7 神の猿蚤見てくれる小春哉 文政句帖 政7 小坐敷の丁ど半分小春哉 文政句帖 政7 小座敷は半分通り小春哉 発句鈔追加 異 小春とて出歩く(に)蠅連(に)けり 文政句帖 政7 芝原や小春仕事(に)塗ル鳥井 文政句帖 政7 杖ぽく〴〵拾ひ日和の小春哉 文政句帖 政7 十日程おいて一日小春哉 文政句帖 政7 針事や縁の小春を追歩き 文政句帖 政7 膝ぶしは小春後はあらし山 文政句帖 政7 独居るだけの小春や窓の前 文政句帖 政7 年内立春 年の内に春は来にけり猫の恋 七番日記 化9 年の内に春は来にけりいらぬ世話 七番日記 化13 異 柊にちよつと春立月夜哉 七番日記 化13 柊にちよつと春立ばかり哉 七番日記 化13 異 かすみ立春立ながら師走哉 文政句帖 政5 行く年(年の暮) 年の暮人に物遣る蔵もがな 我泉歳旦 寛３ 年の暮隠れ里にも人通り 寛政句帖 寛4 行年の行先〴〵は市日哉 寛政句帖 寛4 叱らるゝ人うらやまし年の暮 其日庵歳旦 寛10 斧の柄の白きを見ればとしの暮 享和句帖 享3 年已に暮んとす也旅の空 享和句帖 享3 流れ木のあちこちとしてとし暮ぬ 享和句帖 享3 見る俵一つ残してとしの暮 享和句帖 享3 鶴好の人さへ年は暮る也 文化句帖 化1 役どしと申(す)間に暮にけり 文化句帖 化1 行年もかまはぬ顔や小田の鶴 文化句帖 化1 枯(し)木の空しく暮るゝことし哉 文化句帖 化2 耕さぬ罪もいくばく年の暮 文化句帖 化2 餅の出る槌がほしさよ年の暮 文化句帖 化2 行年やかへらぬ水を鳴烏 文化句帖 化2 我と松あはれことしも今暮るゝ 文化句帖 化2 雁鴎暮行としを鳴止よ 文化句帖 化4 来い〳〵と鐘も鳴らんとしの暮 文化句帖 化4 としの暮池の心もさはぐらん 文化句帖 化4 とし(の)暮入山のはもなかりけり 文化句帖 化4 とし(の)暮亀はいつ迄釣さるゝ 文化句帖 化4 けふに成て家取れけりとしの暮 化五六句記 化5 行年を元の家なしと成り(に)けり 化五六句記 化5 傾城や秤にかゝるとしの暮 七番日記 化7 茶けぶりや暮行としの福の神 七番日記 化7 とし暮て薪一把も栄耀哉 七番日記 化7 とら鰒の何をふくるゝとしの暮 七番日記 化7 藪先や暮行としの烏瓜 七番日記 化7 行としや馬にもふまれぬ野大根 七番日記 化7 行としや気違舟の遊山幕 七番日記 化7 行としや空の名残を守谷迄 七番日記 化7 行としや空の青さに守谷迄 我春集 異 行年や寝てもござらぬ福の神 七番日記 化7 行としや身はならはしの古草履 七番日記 化7 わらの火のめら〳〵暮ることし哉 七番日記 化7 行としやたのむ小藪もかれの原 我春集 化8 行としもそしらぬ富士のけぶり哉 七番日記 化9 行としやかぶ(つ)て寝たき峰の雲 七番日記 化9 行としや本丁すじの金の山 七番日記 化9 悪どしや暮ての後も小一月 七番日記 化10 市姫の一人きげんやとしの暮 七番日記 化10 大まぐろ臼井を越て行としぞ 七番日記 化10 おもしろう暮(る)かとしが壁の穴 七番日記 化10 おもしろう人が暮らすぞ壁の穴 自筆本 杭の鷺汝がとしはどう暮る 七番日記 化10 さはぐ雁年はそこから暮るかよ 七番日記 化10 さはぐ雁そこらもとしが暮るかよ 自筆本 化10 異 大黒の鼠ならなけとしの暮 七番日記 化10 とく暮よことしのやうな悪どしは 七番日記 化10 梟よのほゝん所かとしの暮 七番日記 化10 古家の曲りなりにもとし暮ぬ 七番日記 化10 実なし穂や立はだかつて年の暮 七番日記 化10 木兎は何の小言ぞとしの暮 七番日記 化10 行年に手をかざしたる鼬かな 七番日記 化10 行としや何をいぢむぢ夕千鳥 七番日記 化10 べら〴〵と三百五十九日哉 七番日記 化11 物参りなきにしもあらずとしの暮 七番日記 化11 寝た所が花の信濃ぞとしの暮 七番日記 化12 行年や覚一ツと書附木 七番日記 化12 角大師かんでおじやるとしの暮 七番日記 化13 羽生へて銭がとぶ也としの暮 七番日記 化13 行としや屁の上におく薪 七番日記 化14 とし暮ぬ仕様事なしにおもし(ろ)き 七番日記 政1 年もけふ暮けりひらにおもしろき 七番日記 政1 貧楽ぞ年(が)暮よと暮まいと 七番日記 政1 むちやくちや(や)あはれことしも暮の鐘 七番日記 政1 めそ〳〵と年は暮けり貧乏樽 七番日記 政1 行としや午に付たる娵が下駄 七番日記 政1 影法師も祝へたゞ今とし暮る 八番日記 政2 影法師も祝へよ今とし暮る 年行や肱で尺とる布の先 八番日記 政2 年行や腹で尺取る布の先 希杖本 異 ともかくもあなた任せのとしの暮 おらが春 政2 湯に入て我身となるや年の暮 八番日記 政2 けふの日も棒にふりけり年のくれ 八番日記 政4 下戸の立たる蔵もなし年の暮 八番日記 政4 屁もひらず沈香もたかず年の暮 八番日記 政4 行年や湯水につかふ金壱分 八番日記 政4 としも行けさゝら三八宿に有 文政句帖 政5 念仏のはかをやる也としの暮 文政句帖 政5 証文が物をいふぞよとしの暮 文政句帖 政6 証文がもの云出やとしの暮 文政句帖 政6 風鈴やちんぷんかんのとしの暮 文政句帖 政6 風鑰のちんぷんかんのとしの暮 自筆本 政6 異 待つものはさらになけれどとしの暮 文政句帖 政6 おもしろや今としが行壁の穴 文政句帖 政7 寝酒いざとし(が)行うと行まいと 文政句帖 政7 のらくらもあればあるぞよとしの暮 文政句帖 政7 仏土にも獄入有りけりとしの暮 文政句帖 政7 行としはどこで爺を置去に 文政句帖 政7 あゝまゝ(よ)年(が)暮よとくれまいと 文政句帖 政8 手枕や年(が)暮よとくれまいと 文政句帖 政8 うつくしや年暮きりし夜の空 文政句帖 政8 うつくしや年暮きうた夜の空 発句鈔追加 異 行としやかせぐに追つく貧乏神 文政句帖 政8 行としや降ろともまゝの皮頭巾 文政句帖 政8 ひとつ雁居所ないやら年くるゝ 発句鈔追加 わんといへさあいへ犬も年のくれ 文政版 春待つ(春近し) 人並に正月を待つ灯影かな 庚申春遊 寛12 正月を待し窓哉枕哉 文化句帖 化1 正月の待遠しさも昔哉 文化句帖 化1 竹植し欠すりばちや春待と 文化句帖 化1 春を待つもりで居かあみだ坊 文化句帖 化1 前の人も春を待しか古畳 文化句帖 化1 口明て春を待らん犬はりこ 文化句帖 化2 春待や雀も竹を宿として 文化句帖 化2 来る春も聞つもりかよ山の鐘 文化句帖 化3 来年も叉聞事か山の鐘 七番日記 政１ 春を待見識もなき葎哉 化五六句記 化5 草の戸やどちの穴から春が来る 七番日記 化8 うす壁やどちの穴から春が来る 我春集 古壁やどちの穴から春が来る 浅黄空 来る春かどちの穴から春が来る 七番日記 化8 春来いと(ゝ)しより来いと鳴鳩よ 七番日記 化11 年惜しむ 年おしむ人と等しき枕哉 文化句帖 化1 日本の年がおしいかおろしや人 文化句帖 化1 雁鴨よなけ〳〵としが留るなら 七番日記 化8 雁かもめなけ〳〵としが留るなら 七番日記 政１ 異 梟がとしおしむやら竿の先 七番日記 化10 大年 大卅日梅見て居(る)をそしらるゝ 享和句帖 享3 此人も別れとなりぬ年に月 享和句帖 享3 大年のよい夢見るかぬり枕 文化句帖 化1 行水のかへらぬ年の一夜哉 文化句帖 化1 大年や我死所の鐘もなる 文化句帖 化2 大年や我はいつ行寺の鐘 文化句帖 化2 むら竹や大晦日も夜の雨 文化句帖 化2 大年にかぎつて雪の降にけり 文化句帖 化3 あ(さ)ぢふ(や)大卅日の夕木魚 化五六句記 化5 大年の日向に立る榎哉 化五六句記 化5 大年や雀が藪の大日和 化五六句記 化5 おもしろや翌は我等も卅九 七番日記 化8 卅日やそれ梅も咲く餅もつく 七番日記 化9 悪どしも一夜と成ぬ夜と成りぬ 七番日記 化10 かすむぞや大卅日の寛永寺 七番日記 化10 喰て寝てことしも今よひ一夜哉 七番日記 化10 喰て寝てことしも今よひかぎり哉 自筆本 異 小うるさの年をとる夜ぞやつこらさ 句稿消息 化10 正月にするとて星のとぶ夜哉 七番日記 化10 どこを風が吹かと寝たり大卅日 七番日記 化10 年神が今行かしやるぞ御時宜せよ 七番日記 化10 年もはや穴かしこ也如来様 七番日記 化10 梟よのほゝん所か大卅日 句稿消息 化10 夜も夜大卅日のたびら雪 七番日記 化10 六十の坂を越るぞやつこらさ 七番日記 化10 七十の坂を越るぞやっこらさ 自筆本 異 六十の坂を越夜ぞやつこらさ 句稿消息 一日に煎(じ)つめたりことし哉 七番日記 化11 入相の鐘も仕廻の卅日哉 七番日記 政1 かくれ家や大卅日も夜の雪 七番日記 政1 ごろり寝や先はことしも仕廻酒 七番日記 政1 ごろり寝やことしも無事に仕廻酒 自筆本 異 せめてもの足六十よとしの坂 七番日記 政1 せめてもの足六十やとしの坂 八番日記 政２ 異 (大)卅日とんじやくもなし浮寝鳥 八番日記 政２ 大年や二番寝過の人通り 八番日記 政3 うら縁は梅見衆也大卅日 文政句帖 政5 大卅日大のらくらが通りけり 文政句帖 政5 のらこきもあればある也大卅日 文政句帖 政5 先よしと大卅日の寝酒哉 文政句帖 政5 うら町や大卅日の猫の恋 文政句帖 政6 隠れば大卅日の日永哉 文政句帖 政6 かくれ家は大卅日の日永哉 自筆本 異 入りの間や年の終りの鑰の声 文政句帖 政7 鑰打や年仕廻の穴かしこ 文政句帖 政7 このなさや三百八十四日ン日 文政句帖 政7 冬来る 吉野山冬来れば冬の花見哉 たびしうゐ 政7 日脚伸ぶ 有がたや能なし窓の日も伸る 七番日記 化13 有がたや能なし窓の日の伸る 発句鈔追加 異 蔓草や一尺ばかり日が延る 七番日記 化13 むだ草や汝も伸る日も伸る 七番日記 化13 むだ草やあはうに伸る日の伸る 句稿消息 異 冬の月 外堀の割るゝ音あり冬の月 寛政句帖 寛4 冬の月いよ〳〵伊予の高根哉 寛政句帖 寛６ 片壁に海手の風や冬の月 享和句帖 享3 武士ばりし寺のそぶりや冬の月 享和句帖 享3 冬の月さしかゝりけりうしろ窓 享和句帖 享3 冬の月膝元に出る山家哉 享和句帖 享3 鶯の寝所見(ゆ)る冬の月 七番日記 化12 おんひら〳〵金毘羅声よ冬の月 七番日記 化12 老人の下駄も鳴りけり冬の月 七番日記 化12 石切のかち〳〵山や冬の月 七番日記 化13 下駄音や庵へ曲ル冬の月 七番日記 化13 金毘羅の幟ひら〳〵冬の月 七番日記 化13 四五寸の橘赤し冬の月 七番日記 化13 笛ぴい〴〵杖もかち〳〵冬の月 七番日記 化13 深川をすもどりす也冬の月 七番日記 化13 ふんどしに脇ざしさして冬の月 七番日記 化13 むだ人や冬の月夜をぶら〴〵と 七番日記 化13 我はけば音せる下駄ぞ冬の月 七番日記 化13 寒月 小盲や身を寒月になして行 七番日記 化7 寒月や喰つきさうな鬼瓦 七番日記 化8 寒月や雁も金比羅祈る声 七番日記 化12 息杖や石原道を寒の月 七番日記 化13 寒月や石尊祈る角田川 七番日記 化13 寒月や石尊祈る川の声 自筆本 異 寒月やしやき(り)張たる大男 七番日記 化13 寒月やむだ呼されし坐頭坊 七番日記 化13 棒突や石にかん〳〵寒の月 七番日記 化13 夜廻りや石をかん〳〵寒の月 自筆本 異 寒月に尻のりつぱな奴哉 七番日記 化14 寒月に立や仁王(の)からつ臑 八番日記 政3 寒の月真正面也寒山寺 八番日記 政3 寒月や真正面に寒山寺 梅塵八番 異 冬日和 家一つ畠七枚冬日和 享和句帖 享3 初時雨 義仲寺へいそぎ候はつしぐれ しぐれ会 寛7 是しきの竹にもかゝる初時雨 享和句帖 享3 茶の水の川もそこ也初しぐれ 享和句帖 享3 寝所はきのふ葺けり初時雨 文化句帖 化1 蓮(の)葉(の)青きも見へて初時雨 文化句帖 化1 見なじまぬ竹の夕やはつ時雨 文化句帖 化1 山守よ是でいく度の初時雨 文化句帖 化2 梅干と皺くらべせんはつ時雨 文化句帖 化3 蝸牛我と来て住め初時雨 文化句帖 化3 初時雨馬も御紋をきたりけり 文化句帖 化3 祭り酒紅葉かざして初時雨 文化句帖 化3 今買し紅葉一本はつ時雨 七番日記 化7 鶯が親の迹追ふ初時雨 七番日記 化7 必や湯屋休みてはつ時雨 七番日記 化7 初時雨ちび〳〵舞のよりにけり 七番日記 化7 初時雨提をもやして遊けり 七番日記 化7 はつ時雨俳諧流布の世也けり 七番日記 化7 ぼた餅の来べき空也初時雨 七番日記 化7 青柴や秤にかゝるはつ時雨 七番日記 化8 あれみさい松が三本初しぐれ 七番日記 化8 御俵に筆つゝさしてはつ時雨 七番日記 化8 口笛も御意にかなふか初時雨 七番日記 化8 耳の底鳴るやら但はつ時雨 七番日記 化8 有様は寒いばかりぞはつ時雨 七番日記 化9 嘘咲の桜と思へど初時雨 七番日記 化9 嘘咲の桜咲けり初時雨 自筆本 異 桃青霊神詫宜に曰はつ時雨 七番日記 化9 はつ時(雨)酒屋の唄に実が入ぬ 七番日記 化9 はつものと人は申せど時雨哉 七番日記 化9 椋鳥の釣瓶おとしやはつ時雨 七番日記 化9 山寺の茶に焚かれけりはつ時雨 七番日記 化9 さをしかの何やら詠(む)はつ時雨 七番日記 化10 しぐるゝや家にしあらば初時雨 七番日記 化10 初時雨走り入けり山の家 七番日記 化9 やあしばらく?(こほろぎ)だまれ初時雨 七番日記 化10 やあしばらく蝉だまれ初時雨 遺稿 異 湯けぶりやそよとあしらふ初時雨 梅塵抄録本 化10 湯けぶりがそよとあしらふ初時雨 発句鈔追加 異 午島の午も鳴べき初時雨 七番日記 化11 狗の俵踏まへてはつ時雨 七番日記 化11 黒門やかざり手桶の初時雨 七番日記 化11 米と銭篩分けゝり初時雨 七番日記 化11 萩垣やかざり雪隠や初時雨 七番日記 化11 曲り所やざぶりと思へ初時雨 七番日記 化11 薪の山俵の山やはつ時雨 七番日記 化11 餅のなる木も植えたしや初時雨 七番日記 化11 酒飯のぽつぽとけぶるはつ時雨 七番日記 化12 柴栗のしば〳〵ゑみて初時雨 七番日記 化12 陶の杉の葉そよぐはつ時雨 七番日記 化12 三ッ指でつくばを押せばはつ時雨 七番日記 化12 過分だぞ送(つ)てくれし初時雨 七番日記 化13 義仲寺や拙者も是にはつ時雨 七番日記 化13 義仲寺はあれに候はつ時雨 七番日記 化13 淋しさの上ぬりしたり初時雨 七番日記 化13 太義ぞよおくつて来たる初時雨 七番日記 化13 婆ゝがつく鐘さへみへて初時雨 七番日記 化13 干栗の数珠もいく連初時雨 七番日記 化13 干栗の数珠も四五連初時雨 七番日記 化13 異 夕飯の膳配りけり初夕時雨 七番日記 化14 門雀四の五のいふなはつ時雨 七番日記 政1 旅人の悪口す也初時雨 七番日記 政1 池主の鯉屋も祝へはつ時雨 八番日記 政2 夕山やそば切色のはつ時雨 八番日記 政2 国がらやそば切色のはつ時雨 希杖本 異 遠山に野火が付たぞ初時雨 八番日記 政3 初しぐれ松笠なんど拾うよ 発句類題集 政3 座敷から湯(に)飛入るや初時雨 八番日記 政4 座敷から湯に飛込や初時雨 梅塵八番他 異 丈たけの箕をかぶる子やはつ時雨 文政句帖 政5 素湯を煮る伝受すむ也はつ時雨 文政句帖 政6 雀踏む程は菜もありはつ時雨 嘉永版 初時雨夕飯買に出たりけり 文政句版 洛陽やちとも曲らぬ初時雨 希杖本 時雨 人に見し時雨をけふはあひにけり 寛政三紀行 寛３ 塚の土いたゞひてふるしぐれかな しぐれ会 寛９ 牲にもれし鹿かよ夕時雨 享和句帖 享3 一時に二ッ時雨し山家哉 享和句帖 享3 北時雨火をたく顔のきな(く)さき 享和句帖 享3 けぶり立隣の家を時雨哉 享和句帖 享3 しぐるゝや牛に引かれて善光寺 享和句帖 享3 城きづくつくりの松に時雨哉 享和句帖 享3 吹かれ〳〵時雨来にけり痩男 享和句帖 享3 山の家たがひ違ひに時雨哉 享和句帖 享3 夕時雨馬も故郷へ向て嘶 享和句帖 享3 北しぐれ馬も故郷へ向て嘶 享和句帖 異 しぐるゝや馬も故郷へ向て嘶 文化句帖 化4 夕時雨すつくり立や田鶴 享和句帖 享3 行人が此炉も見なん夕時雨 享和句帖 享3 夜時雨の顔を見せけり親の門 享和句帖 享3 我上にふりし時雨や上総山 享和句帖 享3 さはつても時雨さう也ちゝぶ山 文化句帖 化1 しぐれねば夜も明ぬ也片山家 文化句帖 化1 しぐるゝや生れぬ先の門榎 文化句帖 化1 時雨や前見し家は先の沢 文化句帖 化1 なよ竹や時雨ぬ前もうつくしき 文化句帖 化1 寝始る其夜を竹の時雨哉 文化句帖 化1 死べたと山や思はん夕時雨 文化句帖 化2 鶴をよぶ人から先へ時雨哉 文化句帖 化2 もろ〳〵の智者達何といふ時雨 文化句帖 化2 ろく〳〵に時雨もふらぬ垣根哉 文化句帖 化2 夕暮や茶笊仕かへて待時雨 文化句帖 化2 梅干の種をなげても時雨哉 文化句帖 化3 切株の茸かたまる時雨哉 文化句帖 化3 むさしのや腰から下を一時雨 文化句帖 化3 痩竹も夜は時雨の便り哉 文化句帖 化3 夜登城におの〳〵時雨支度哉 文化句帖 化3 我と山とかはる〴〵に時雨哉 文化句帖 化3 人のみか松もとしよるむら時雨 文化句帖 化4 木兎のたはいなく寝る時雨哉 文化句帖 化4 山〳〵も袖に馴たる時雨哉 文化句帖 化4 山々の袖に馴たる時雨哉 発句題叢他 異 門の松淋しがらすなやよ時雨 七番日記 化7 しぐるゝや雀も口につかはるゝ 七番日記 化7 しぐるゝや苦い御顔の仏達 七番日記 化7 誰ためにしぐれておはす仏哉 七番日記 化7 人のためしぐれておはす仏哉 七番日記他 化10 異 身代にしぐれておはす仏哉 八番日記 政4 寝莚にさつと時雨の明り哉 七番日記 化7 蕗の葉に酒飯くるむ時雨哉 七番日記 化7 又犬にけつまづき(け)り小夜時雨 七番日記 化7 山里は槌ならしても時雨けり 七番日記 化7 此時雨なぜおそいとや鳴烏 我春集 化8 しぐるゝや軒にはぜたる梅もどき 七番日記 化8 時雨して名札吹るゝ俵哉 七番日記 化8 地蔵様あるは倒れてむら時雨 七番日記 化8 松蒔て十三年の時雨哉 我春集 化8 むら時雨山から小僧ないて来ぬ 七番日記 化8 女郎花結れながら時雨けり 七番日記 化9 女郎花縛れながら時雨けり 自筆本 異 柿一つつくねんとして時雨哉 七番日記 化9 鶏頭のつくねんとして時雨哉 七番日記 化9 異 雁鴨の櫛の歯を引く時雨哉 七番日記 化9 小けぶりに時雨じたくの小家哉 七番日記 化9 しぐるゝや菊を踏へてなく烏 七番日記 化9 しぐるゝや闇の図星を雁のなく 七番日記 化9 しぐるゝや闇の図星を雁の声 自筆本 異 はや〴〵としぐれて仕廻ふ小家哉 七番日記 化9 はり子笠時雨に出ればしぐれぬぞ 七番日記 化9 はり子笠時雨におればしぐれぬぞ 自筆本 夕暮を下手な時雨の通りけり 七番日記 化9 此便聞とてある夜一時雨 七番日記 化10 しぐるゝや迎に出たる庵の猫 七番日記 化10 時雨るや母親もちし網代守 七番日記 化10 師も心行なり菊にしぐれけり 七番日記 化10 草庵や菊から先へしぐれたり 七番日記 化10 日本と砂へ書たる時雨哉 七番日記 化10 日本と砂に書たる時雨哉 七番日記 化１１ 異 目ざす敵は鶏頭よ横時雨 七番日記 化10 目ざす敵は鶏頭か横時雨 句稿消息 異 目ざす敵は鶏頭よはつしぐれ 遺稿 綿玉のひそかにはぜる時雨哉 七番日記 化10 今の間に十時雨程の山家哉 七番日記 化11 芋運ぶ僧都の猿やむら時雨 七番日記 化11 大時雨小しぐれ寝るもむづかしや 七番日記 化11 大時雨小時雨世上むづかしや 七番日記 化13 異 大時雨小時雨世間むづかしや 文政句帖 政7 おそろしや狼よりももる時雨 七番日記 化11 菰簾ばたり〴〵としぐれかな 七番日記 化11 西行の形した石へ時雨哉 七番日記 化11 西念が家の奉加や村しぐれ 七番日記 化11 坐頭の坊中につゝんで時雨けり 七番日記 化11 時雨捨〳〵たるかきね哉 七番日記 化11 時雨(る)や細工過たる菊の花 七番日記 化11 死ぬ山を目利しておく時雨哉 七番日記 化11 捨杖よ時雨(る)たしになりもせよ 七番日記 化11 須磨時雨河内時雨に追つきぬ 七番日記 化11 ちんば鶏たま〳〵出れば時雨けり 七番日記 化11 科札に天先時雨給ひけり 七番日記 化11 蛤のつひのけぶりや夕時雨 七番日記 化11 蛤のつひのつむりや夕時雨 遺稿 異 一ッ家や馬も旅人もしぐれ込 七番日記 化11 継子には何がなるやら村しぐれ 七番日記 化11 木母寺につきあたりたる時雨哉 七番日記 化11 罠ありてしらでしぐるゝ雀哉 七番日記 化11 犬ころが土産をねだる夕時雨 七番日記 化12 木つゝきも骨折損や夕時雨 七番日記 化12 鶏頭の身に引受る時雨哉 七番日記 化12 御不運の藪の仏やむらしぐれ 七番日記 化12 しぐるゝや在鎌倉雁かもめ 七番日記 化12 しぐれ込角から二軒目の庵 七番日記 化12 捨られし姥の日じややら村時雨　 七番日記 化12 捨られし姨が日じややら村時雨 自筆本他 異 おくり風おくり時雨や暮迄 七番日記 化13 しぐれ鶏見て居卵とられけり 七番日記 化13 しぐるゝは覚期の前からひとり坊 七番日記 化13 しぐるゝは覚期の前ぞ一人旅 自筆本 異 時雨るや流人入れぬ立札に 七番日記 化13 小便の供がつくばふ時雨哉 七番日記 化13 一時雨行あたりけりうしろ窓 七番日記 化13 ひとり坊立や時雨の鼻先へ 七番日記 化13 古郷や時雨当たりに立仏 七番日記 化13 やもめ鳥時雨て来たぞそれきたぞ 七番日記 化13 やもめ鶏時雨て来たぞそれきたぞ 希杖本 異 我かけた罠にころぶやむら時雨 七番日記 化13 祈られてわら人形や行時雨 七番日記 化14 大釜にそとば焚也夕時雨 七番日記 化14 惣〆只三軒のむら(時)雨 七番日記 化14 継っ子や指を加へて行時雨 七番日記 化14 夜あんまやむだ呼びされて降しぐれ 七番日記 化14 小盲や右も左(り)もむら時雨 七番日記 政1 柴栗のくりに成らぬもしぐれけり 七番日記 政1 小便に手をつく供や横時雨 七番日記 政1 鳩どもゝ泣言をいふしぐれ哉 七番日記 政1 山鳩が泣事をいふしぐれ哉 書簡 異 福も来ぬ初棚の灯や小夜時雨 七番日記 政1 おいとしや僧の迹をう一時雨 七番日記 政2 山寺や僧の迹をう一時雨 七番日記 政２ 異 おいとしや僧を目ざして行時雨 梅塵八番 壁に耳藪も物をや夕時雨 八番日記 政2 子を負(て)川越す旅や一しぐれ 八番日記 政2 子を負うて川越猿や一しぐれ 梅塵八番他 異 業の鳥罠を巡るやむら時雨 おらが春 政2 小坐頭の追つめられし時雨哉 八番日記 政2 小夜しぐれなくは子のない鹿に哉 おらが春 政2 三助が敲く木魚も時雨けり 八番日記 政2 時雨ゝや親椀たゝく?乞食 八番日記 政2 しぐるゝや人を身にする野べの馬 八番日記 政2 七才の順礼ぶしや夕時雨 八番日記 政2 重箱の銭四五文や夕時雨 八番日記 政2 俗のつく鐘もしぐるゝさが野哉 八番日記 政2 むくどりの仲間に入や夕時雨 八番日記 政2 椋鳥と我をよぶ也村時雨 八番日記 政2 椋鳥の我をよぶ也村時雨 梅塵八番 異 栗のいがおふかや人も時雨顔 八番日記 政3 栗のいがいぶるや人も時雨顔 書簡 異 しぐるゝやたばこ法度の小金原 八番日記 政3 なくな〳〵鬼がさらふぞ小夜時雨 八番日記 政3 裸虫さし出て時雨〳〵けり 八番日記 政3 番丁やもやひ番やの小夜時雨 八番日記 政3 番丁やもやひ番やの北しぐれ 梅塵八番 異 門の木に時雨損じて帰りけり 八番日記 政4 門の木に時雨損じて通りけり 梅塵八番 異 しぐるゝやいすかの觜の行違へ 八番日記 政4 しぐるゝや芭蕉翁の塚まはり 八番日記 政4 しぐれ捨〳〵けり辻仏 八番日記 政4 しぐれ捨〳〵けり野ゝ仏 文政句帖 政6 異 すろの木の裸にされてしぐれけり 八番日記 政4 度々にばか念入てしぐれ哉 八番日記 政4 一日の祝にさつとしぐれ哉 八番日記 政4 一日の御祝儀としてしぐれ哉 文政句帖 政6 異 古郷は小意地の悪い時雨哉 八番日記 政4 少づゝは小意地の悪い時雨哉 梅塵八番 異 下手しぐれてきぱきふりもせざりけり 八番日記 政4 南北東西よりしぐれ哉 八番日記 政4 北南西東よりしぐれ哉 梅塵八番 異 み仏のみに引受て時雨哉 八番日記 政4 み仏の身に引請る時雨哉 自筆本 異 時雨るゝや叺ふり〳〵馬の首 文政句帖 政5 ねらひくらひして降られたる時雨哉 文政句帖 政5 派のきかぬ御用挑灯やむら(時)雨 文政句帖 政5 奉加鉦打ち損ずるや夕時雨 文政句帖 政5 奉加鉦うち損じたり夕時雨 文政句帖 政5 異 いざこざを雀もいふや村しぐれ 文政句帖 政6 大時雨小時雨大名小名かな 文政句帖 政6 き妙無りやう寿如来や夕時雨 文政句帖 政6 素湯釜が迹うけとるや小夜時雨 文政句帖 政6 神木は釘を打れ(て)時雨けり 文政句帖 政6 雀らが仲間割する時雨哉 文政句帖 政6 せはしなや門をちび〳〵しぐれ捨て 文政句帖 政6 近道のむかふへ廻るしぐれ哉 文政句帖 政6 逃道のむかふへ廻るしぐれ哉 自筆本 異 道心坊や草履ひた〳〵むら時雨 文政句帖 政6 豆麩煮る伝受する也小夜時雨 文政句帖 政6 一時雨人追つめてもどりけり 文政句帖 政6 舟の家根より人出たり一時雨 文政句帖 政6 山寺の豆煎り日也むら時雨 だん袋 政6 山寺の豆煎り日也初時雨 自筆本 異 山道やねらひすまして逢ふ時雨 文政句帖 政6 娵入の謡盛りや小夜時雨 文政句帖 政6 庵迄送りとゞけて行時雨 文政句帖 政7 うら窓や毎日日日北しぐれ 文政句帖 政7 大草履ひたり〳〵村時雨 文政句帖 政7 さい〳〵に時雨直して大時雨 文政句帖 政7 寺へ人を送りとゞけて行く時雨 文政句帖 政7 独寝の足しにふりけり小夜時雨 文政句帖 政7 降直しなをして曲り時雨哉 文政句帖 政7 山柴の秤にかゝる時雨哉 文政句帖 政7 二時雨並んで来るや門の原 文政句帖 政8 曲り所に出つ合せたる時雨哉 文政句帖 政8 かけがねの真赤(に)錆て時雨哉 自筆本 鶏頭の立往生や村時雨 自筆本 しぐるゝや逃る足さへちんば鶏 自筆本 鳴烏こんなしぐれのあらんとて 文政版 夜時雨やから呼されしあんま坊 自筆本 回りどに出つくはせたる時雨(哉) 句稿 一茶館 時雨雲 時雨雲かゝるにはやき木曽ぢ哉 享和句帖 享3 時雨雲毎日かゝる榎哉 享和句帖 享3 三度くふ旅もつたいな時雨雲 享和句帖 享3 而後何が出る時雨雲 七番日記 化14 なくな子ら時雨雲から鬼が出(る) 八番日記 政2 六ヅかしやちよとした山も時雨雲 八番日記 政3 冬の雨 冬の雨朝寝の薬ともなれや 七番日記 化13 冬の雨火箸をもして遊びけり 七番日記 化13 寒空 寒空のどこかでとしよる旅乞食 文政句帖 政7 寒風 夕山やいつまで寒い風の吹 花柑子 寛11 風寒し不二にもそぶく小窓哉 享和句帖 享3 風寒し〳〵〳〵と瓦灯哉 享和句帖 享3 木がらし 木がらしやされど入江は鳥睦る 寛政句帖 寛4 山寺や木ごらしの上に寝るがごと 寛政句帖 寛4 木ごらしの夜に入かゝる榎哉 享和句帖 享3 木がらしや鋸屑けぶる辻の家 享和句帖 享3 木がらしや門に見えたる小行灯 享和句帖 享3 木がらしや壁の際なる馬の桶 享和句帖 享3 木がらしやこの坂過る今の人 享和句帖 享3 木がらしや二の坂過る今の人 享和句帖 異 木がらしやこの坂越る今の人 九日 異 木がらしや隣といふは淡ぢ島 享和句帖 享3 木がらしや枕元なる淡ぢ島 享和句帖 享3 木がらしや枕にとゞく淡ぢ島 享和句帖 異 木がらしに口淋しいとゆふべ哉 文化句帖 化1 木がらしに三尺店も我夜也 文化句帖 化1 木がらしの吹留りけり鳩に人 文化句帖 化1 木がらしや小溝にけぶる竹火箸 文化句帖 化1 木がらしやこんにやく桶の星月夜 文化句帖 化1 木がらしや地びたに暮るゝ辻諷ひ 文化句帖 化1 売飯に夕木ごらしのかゝりけり 文化句帖 化3 木がらしの袖に吹けり酒強飯 文化句帖 化3 木がらしの日なたに立や真乳山 文化句帖 化3 牛の汗あらし木がらし吹にけり 文化句帖 化4 越て来た山の木がらし聞夜哉 文化句帖 化4 木がらしにくす〳〵豕の寝たりけり　 七番日記 化4 鶯と婆ゝの木がらし吹にけり 七番日記 化7 けふも〳〵只木がらしの菜屑哉 七番日記 化7 木がらしに大事〴〵の月よ哉 七番日記 化7 木がらしや雀も口につかはるゝ 化三八写 化7 木がらしや額にさはる東山 七番日記 化7 木がらしにしく〳〵腹のぐあい哉 七番日記 化8 木がらしや是は仏の二日月 我春集 化8 木がらしや千代に八千代の大榎 七番日記 化8 木がらしや千代に八千代の門榎 自筆本 異 木がらしや千代に八千代の門構 文政版 木がらしや三よしよりの御解札 七番日記 化8 木がらしや鎌ゆひつけし竿の先 七番日記 化9 木がらしや叺着て行く筥根山 七番日記 化10 木がらしや叺着て起す筥根山 自筆本 異 木がらしの吹ばふけとや角田川 七番日記 化11 うづの山凩呑んで向ひけり 七番日記 化12 木(が)らしに口淋しがる雀哉 七番日記 化12 木(が)らしに問屋の犬のいびき哉 七番日記 化12 木がらしや鉄砲かつぎて小脇差 七番日記 化12 土団子けふも木がらし〳〵ぞ 七番日記 化12 身一ッにあらし木がらしあられ哉 七番日記 化12 やせ脛やあらし凩三ケの月 七番日記 化12 北壁や嵐木がらし唐がらし 七番日記 化13 軒下や嵐木がらし唐がらし 自筆本 異 木がらしの日なたぼこして念仏哉 七番日記 化13 木がらしや餌蒔の迹をおふ烏 七番日記 化13 木がらしに女だてらの跨火哉 七番日記 化14 木がらしや木(の)葉にくるむ塩肴 七番日記 化14 木がらしや菰に包ンである小家 七番日記 化14 木がらしや軒の虫籠釣し柿 七番日記 化14 木がらしや物さしさした小商人 七番日記 化14 木がらしや物さしさして小商人 自筆本 異 木がらしや石の切りきずあれもせず 七番日記 政1 木がらしやぱかりと口を松の疵 七番日記 政1 雁的にこがらし吹や堀田原 八番日記 政2 木がらしや折介帰る寒さ橋 八番日記 政2 木がらしや折介もどる寒さ橋 自筆本 異 木がらしやから呼されし按摩坊 八番日記 政2 木がらしやから呼さるゝ按摩坊 梅塵八番 異 こがらしや隣と云もゑちご山 八番日記 政2 こがらしや隣と云も川向ふ 八番日記 政4 異 こがらしや壁のうしろはゑちご山 自筆本 木がらしや縄引ぱりし御成みち 八番日記 政2 木がらしや廿四文の遊女小家 八番日記 政2 木がらしや人なき家の角大師 八番日記 政2 木がらしや人なき門の角大師 自筆本 異 木がらしや埃にのりしせたら馬 八番日記 政2 木がらしや行抜路次の上総山 八番日記 政2 木がらしや行ぬけ道の上総山 梅塵八番 異 木がらしを踏んばり留よ石太郎 八番日記 政3 木がらしの今行当に相違なく候 八番日記 政3 こがらしや風に乗行火けし馬 八番日記 政3 身一ツに嵐こがらし辷り道 八番日記 政3 凩にさて結構な月夜哉 八番日記 政4 凩の吹くたびれし榎哉 八番日記 政4 木がらしや桟を這ふ琵琶法師 八番日記 政4 こがらしやしのぎをけずる夜の声 八番日記 政4 木がらしや菜葉並べるたばこ箱 八番日記 政4 木がらしや菜の葉並べるたばこ箱 自筆本 異 木がらしや火のけも見へぬ見付番 八番日記 政4 木がらしや脇目もふらぬ見付番 八番日記 政4 異 横にして一木がらしを通しけり 八番日記 政4 木がらしや一二三四五ばん原 文政句帖 政5 木(が)らしや菰にくるんで捨庵 文政句帖 政5 木がらしや夫婦六部が捨念仏 文政句帖 政5 木がらしにはめをはづして寝番哉 文政句帖 政6 木がらしに吹ぬき布子一ツかな 文政句帖 政6 木がらしやあみ笠もどる寒さ橋 だん袋 政6 木がらしやいはしをくるむ柏の葉 文政句帖 政6 木がらしや数万の鳥のへちまくる 文政句帖 政6 凩に鼾盛りの屑家哉 文政句帖 政7 木がらしになほ住吉の御灯哉 文政句帖 政7 木がらしに野守が鼾盛り哉 文政句帖 政7 木がらしの上に寝にけり大御堂 文政句帖 政7 凩の掃てくれけり門の芥 文政句帖 政7 木がらしやいつ封を切るうら二階 文政句帖 政7 木がらし(や)門の榎の力瘤 文政句帖 政7 凩や常灯明のしんかんと 文政句帖 政7 木がらしや椿は花の身づくろひ 文政句帖 政7 寝た下を凩づうん〴〵哉 文政句帖 政7 寝た下へ凩づうん〴〵哉 文政九・十年句帖写 政９ 異 木がらしやご持院原のあまざけ屋 文政句帖 政8 木がらしや三国一のあまざけ屋 真蹟 異 木がらしや一山三文さつまいも 文政句帖 政8 木枯や諸勧化入れぬ小制札 遺稿 木がらしや天井張らぬ大御堂 自筆本 木がらしや何を烏の親にあたふ 遺稿 冬日向 大家(の)一まき過て冬日向 享和句帖 享3 乙松も索を綯るや冬日向 享和句帖 享3 借はぐる松よ古井よ冬日向 享和句帖 享3 冬日向松を持たざる家の前 享和句帖 享3 前住し門も見へけり冬日向 享和句帖 享3 かり家や村一番の冬日向 七番日記 化10 三巡りの日向ぼこしに出たりけり 七番日記 化11 人形が薬挽く也冬日向 八番日記 政2 初雪 初雪に昨夜の松明のほこり哉 寛政句帖 寛６ 初雪に聞おじしたる翁哉 享和句帖 享3 はつ雪のかゝる梢も旅の家 享和句帖 享3 初雪のふは〳〵かゝる小鬢哉 享和句帖 享3 初雪や江戸見へる家におり合せ 享和句帖 享3 初雪やかゝる梢も江戸へ二里 享和句帖 享3 初雪や脛を吹かれし御さぶらひ 享和句帖 享3 初雪や誰ぞ来よかしの素湯土瓶 享和句帖 享3 初雪は竹にふる也痩竈 享和句帖 享3 はつ雪に白湯すゝりても我家哉 文化句帖 化1 はつ雪や翌のけぶりのわら一把 文化句帖 化1 初雪やおち葉の宮とどこをいふ 文化句帖 化1 はつ雪や其角が窓も見へて降る 文化句帖 化1 はつ雪や竹の夕を独寝て 文化句帖 化1 初雪や人出ぬ前の湯立釜 文化句帖 化1 初雪や故郷見ゆる壁の穴 文化句帖 化1 初雪や山田のかゞし老もせず 文化句帖 化1 初雪の降ともなしや角田川 文化句帖 化2 はつ雪やあ(さ)ぢが原のいなり好 文化句帖 化2 はつ雪や家鴨の椀も朝のさま 文化句帖 化2 はつ雪やいの字も引かぬ夕枕 文化句帖 化2 はつ雪やかさい烏がう(か)れ鳴 文化句帖 化2 はつ雪や角力の櫓いつほどく 文化句帖 化2 初雪や淀の水屋も来る時分 文化句帖 化2 初雪や我家で見るはいく年目 文化句帖 化2 はつ雪の素湯乞食に出たりけり　 文化句帖 化3 はつ雪やけぶり立るも世間向き 文化句帖 化3 はつ雪や田の雁ねぢる今の人 文化句帖 化3 はつ雪や何を願ひの蛬 化三八写 化６ はつ雪をいま〳〵しいと夕哉 七番日記 化7 はつ雪が降とや腹の虫が鳴 七番日記 化7 はつ雪のひつゝき安い皺手哉 七番日記 化7 はつ雪や朝夷する門乞食 七番日記 化7 はつ雪や犬なき里の屑拾ひ 七番日記 化7 はつ雪やきのふと成し御上棟 七番日記 化7 はつ雪や荒神さまの姫小松 七番日記 化7 はつ雪や大黒棚の姫小松 七番日記 化10 異 はつ雪や是もうき世の火吹竹 七番日記 化7 はつ雪やそれは世にある人の事 七番日記 化7 はつ雪や是も世にある人の事 書簡 異 はつ雪や誰も参らぬ庵の舟 七番日記 化7 初雪や鶏の朝声浅草寺 七番日記 化7 はつ雪や鳥もかまはぬ女郎花 句安奇禹度 化7 初雪や細いけぶりも御一日 七番日記 化7 はつ雪や仏の方より湧く清水 七番日記 化7 初雪やほの〴〵かすむ御式台 七番日記 化7 はつ雪や藪の鶯小うぐひす 七番日記 化7 はつ雪や雪やといふも歯なし哉 七番日記 化7 はつ雪や椀久が世にありし時 七番日記 化7 むつかしや初雪見ゆるしなの山 七番日記 化7 はつ雪やぐわら〴〵さはぐ腹の虫 七番日記 化8 はつ雪や雪隠の供の小でうちん 七番日記 化8 はつ雪に口さし出すな手どり鍋 七番日記 化9 はつ雪に餅腹こなす烏哉 七番日記 化9 はつ雪やきじの御山へきじ打に 七番日記 化9 はつ雪や俵のうへの小行灯 ほしなうり 化9 はつ雪を鬼一日にくひてけり 七番日記 化10 はつ雪を敵のやうにそしる哉 七番日記 化10 はつ雪を煮て喰けり隠居達 七番日記 化10 はつ雪を皆ふんづけし烏哉 七番日記 化10 はつ雪が焼飯程の外山哉 七番日記 化10 はつ雪や息(を)殺して相借家 七番日記 化10 はつ雪や一度そこらでおくならば 七番日記 化10 はつ雪や一度こぞりておくならば 自筆本 異 はつ雪や犬が先ふむ二文橋 七番日記 化10 はつ雪や今がた埋めし栗の塚 七番日記 化10 はつ雪や梅もすじかふ御尿瓶 七番日記 化10 はつ雪やどんすの上の御尿瓶 自筆本 異 はつ雪や雪隠のきはも角田川 七番日記 化10 はつ雪や雪隠添の角田川 自筆本 異 はつ雪や雪隠際の角田川 真蹟 はつ雪やちりふの市の銭の山 七番日記 化10 はつ雪や鉄砲打の五兵衛塚 七番日記 化10 はつ雪やとある木陰の神楽笛 七番日記 化10 はつ雪やといへば直に三四尺 七番日記 化10 はつ雪やといへばやがて三四人 七番日記 化10 はつ雪や軒の菖蒲もふは〳〵と 七番日記 化10 はつ雪や平内堂の小豆飯 七番日記 化10 はつ雪や平内堂の赤の飯 自筆本 異 はつ雪や守り本尊に作る程 七番日記 化10 雪ちるや守り本尊に作る程 遺稿 異 はつ雪や吉原駕のちうをとぶ 七番日記 化10 大犬の糞新道もはつ雪ぞ 七番日記 化11 鍋鶴の秘蔵娘が雪を鳴 七番日記 化11 ばか烏我はつ雪と思ふかや 七番日記 化11 はつ雪を見よや奴が尻の先 七番日記 化11 はつ雪を見よや奴の尻の先 発句鈔追加 異 はつ雪の降損じたる我家哉 七番日記 化11 はつ雪やどなたが這入る野雪隠 七番日記 化11 はつ雪やなむきえ僧の朝の声 七番日記 化11 うら町は犬の後架もはつ雪ぞ 七番日記 化12 住ば又くそ新道もはつ雪ぞ 七番日記 化12 初物ぞうすつぺらでもおれが雪 七番日記 化12 はつ雪と呼る小便序哉 七番日記 化12 はつ雪のむだぶりしたり堀田原 七番日記 化12 はつ雪のむだぶりしたりながら哉 文政句帖 政7 異 はつ雪やつくばつゞきの堀田原 七番日記 化12 はつ雪や貧乏樽の寝たなりに 七番日記 化12 はつ雪や朝湯も果し藪の院 七番日記 化13 はつ雪や客のせり合夜番小屋 七番日記 化13 はつ雪やおしかけ客の夜番小屋 八番日記 政２ 異 草履はく其うちばかり初雪ぞ 七番日記 化14 はつ雪を引握たる烏哉 七番日記 化14 初雪といふ声ことしよはりけり 七番日記 化14
底本: 信濃教育会編『一茶全集』(信濃毎日新聞社1979年刊 第1巻｢発句｣)、資料: ｢一茶の俳句データベース｣(2014年)、参照: 縦書き文庫版｢一茶発句集｣(2024年から制作 26年に完成予定)、くの字点表記: 〳〵〴〵

参考1: 一茶当時の暦と現代の暦

参考2: 太陰太陽暦(旧暦)とは

一茶の俳句データベースより抜粋掲載
｢一茶の俳句データベース｣は一茶全集第１巻(信濃毎日新聞社1979)の18,700句、一茶発句総索引(信濃毎日新聞社1980)の追加198句を底本に、その後に発表された文献等により異形句を含む全てを収録しようとするものです。これまでに入力した句の数は21,000句を越えましたが、まだ未収録の句は少なくても200句程度はあるものと思われます。点検、校正作業もまだまだ不十分ですが、一茶185回忌の2011(平成23)年11月19日に公開しました。
このデーターベース構築を進めているスタッフは一茶研究家でもなく、俳句研究家でもない中学生を含む素人によるものです。また、作成開始から試験公開までわずか6ヵ月という極めて短期間で進めたため、内容に誤りが多いことは否めません。 このデータベースを研究用に利用される場合は検索結果を｢一茶全集｣等の信頼ある文献で確認していただくようお願いいたします。
V1.3公開にあたって 一茶の俳句データベースは、多数の誤りがあることを承知で構想から半年間という極めて短期間で公開しました。その後、約2年間点検修正作業を行い、一茶187回忌(新暦)の2014(平成26)年1月5日にV1.3(収録句数22057)を公開しました。 本会ではさらに修正作業を続けます。一茶の俳句データベースの問題点や新情報などご意見をお願いいたします。
注意点等(本資料に関連する注意点のみ掲載) ・□で表示されるものは不明な文字です。 ・季題１に重と表示される句は一茶全集第１巻に重複して収録されている句の後のページに掲載されている句です。
企画制作 一茶研究会、一茶弐萬句データーベース作成プロジェクト 協力 須坂市立日滝小学校*･長野市立芋井中学校(2012年長野市立西部中学校に統合された)･軽井沢町立軽井沢中学校･小布施町立小布施中学校*･中野市立南宮中学校･高山村立高山中学校*の生徒職員および小林一茶を楽しむ会(KIT)のみなさん[* httpsによる安全な接続をサポートしていない] 2011年11月 一茶研究会(翌年12月 一茶に学ぶ会に改称)