1952(昭和27)年から今日まで毎年実施されている全国および各地域の戦没者追悼式の意味を改めて考えてみたい。以前から感じている最大の疑問は追悼対象が日本国籍保持者に限られていることだ。戦時中は日本軍に徴兵され、戦後、日本国籍を剥奪された台湾や朝鮮(現在の韓国・北朝鮮)の人々は含まれないのだ。
1952年当時、日本はまだ戦後復興期の真っ只中にあり、戦没者の追悼式典が内向きになったのはやむを得ない、と理解することもできる。ただ、戦没者というのは、文字どおり戦争で非業の死を遂げた人々のことである。日本軍が侵略した朝鮮・中国を含むアジア全域と太平洋地域で多くの兵士が死んでいった。沖縄戦や広島・長崎の原爆あるいは東京大空襲による一般市民の犠牲者も戦没者であろう。
忘れてならないのは、これらの兵士や一般市民のなかに日本国籍でない人々がいたことだ。さらに想うべきは、アジア太平洋地域において多くの外国人兵士と一般市民が先の戦争で非業の死を遂げたということだ。こう考えると、戦没者追悼式がいまも国内向けでしかないことは恥ずべきことに思われる。
このような趣旨において、全国戦没者追悼式の対象を日本ならびにアジア太平洋地域において先の戦争の犠牲になった戦没者に拡大することを提案したい。たとえば、式典に在京の関係各国大使等の出席を求め、国際戦没者追悼式とするのである。「積極的平和主義」という耳馴れない用語にも符合する式典となるのではないだろうか。
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