縦書き文庫版のルビは底本を基に文庫版作成者が振っています。誤り等について作成者にご指摘いただければ幸いです。新年・春・夏・秋・冬・雑の部を通覧するページ「一茶発句集」縦書き文庫版総目次もご参照ください。
花
3916 色鳥や木々にも花の放生会* 五十三駅 天8【I206】 *捕えた鳥や魚を放つ行事
3917 象潟もけふは恨まず花の春 千題集 寛1【I206】
3918 華の友に又逢ふ迄は幾春や 知友録 寛3
留別 渭浜庵
3919 華のもと是非来て掃除勤ばや 知友録 寛3 「除掃」→「掃除」
首途の時薙髪*して *剃髪
3920 剃捨て花見の真似やひのき笠 寛政句帖 寛4
3921 父ありて母ありて花に出ぬ日哉 寛政句帖 寛4
3922 もし降らば天津乙女*ぞ花曇 寛政句帖 寛4 (出)『霞の碑』 *天女
3923 玉ぼこの近道付り花のほとり 寛政句帖 寛5
3924 寝心に花を算へる雨夜哉 寛政句帖 寛5
3925 吹降や花にあびせるかねの聲 寛政句帖 寛5
3926 蛇出て兵者を撰る花見哉 寛政句帖 寛5
3927 高山や花見序の寺参り 寛政句帖 寛6
3928 奈良坂や花の咲く夜も鹿の聲 寛政句帖 寛6
3929 或時は花の都にも倦にけり 西国紀行 寛7
二月廿二日伊曽野、都芙子と折から雨後のさくらのちり〴〵なる神社に参りて
3930 拝上頭に花の雫かな 西国紀行 寛7
神前寺
3931 お百度や花より出て花に入 西国紀行 寛7
亡師の石頭を拝して
3932 塚の花にぬかづけや古郷なつかしや 西国紀行 寛7 (異)『日々草』中七「ぬかづけば古郷」
3933 遠山と見しは是也花一木 西国紀行 寛7
3934 遠山や花と見るより道急ぐ 西国紀行 寛7 (異)『このはな』中七「花と見しより」
三月三日此里の習ひとて家々に花をかざるこそ風流なる風情也
3935 京にもかく(斯)ありたきよ軒の花 西国紀行 寛7
入鄙を出て三里三島のやしろに拝上す是大山積のやしろ也
3936 冥加あれや日本の花惣鎮守 西国紀行 寛7
3937 桃柳庇〳〵の花見かな 西国紀行 寛7
3938 あの鐘の上野に似たり花の雲 花供養 寛10
3939 花曇三輪は真黒のくもりかな さらば笠 寛10
寛政十年三月播州皿屋敷の遠忌にて出るとて人顔の裸虫大坂にて度々見ければ
3940 さく花の蝶ともならでおきく虫 浅黄空 寛10 (出)『自筆本』(異)『八番日記』政4 「さて花の蝶ともならでおきゝ菊」
3941 花さくやあれが大和の小口哉 書簡 寛10 (異) 書簡 (寛10) 上五「花の雲」『享和句帖』享3 上五下五「花の雲・・・臣口哉」
3942 活て居る人をかぞへて花見哉 西紀書込 寛中
3943 えにしあれや二度大坂の花の宿 日々草 寛中 「ゑ」→「え」【2005】
水哉のぬし上洛を送る
3944 比もよし五十三次華見笠 知友録 寛中
3945 先の世の華見もさぞ親の事 西紀書込 寛中
3946 似た聲の径は聞也華曇り 西紀書込 寛中
3947 二人ともあらぬ俤を塚の華 西紀書込 寛中 「弟」→「俤」
3948 ちる花やほつとして居る太郎冠者 享和二句記 享2
九月九日 雨
タン病藥ミカンノ實皮葉且艸人参少加
3949 あたら雨の晝ふりにけり花の山 享和句帖 享3 「昼」→「晝」
十一月十四日 晴 大谷口ニ入
3950 片脇に息をころして花見哉 享和句帖 享3
十二月二日 晴 西風
白駒
3951 客の沓かくるゝ程の花も哉 享和句帖 享3
十二月二日 晴 西風
3952 咲く花の日の目を見るも何年目 享和句帖 享3 (出)『七番日記』『浅黄空』前書き「東叡山大赦」『自筆本』(異)『発句鈔追加』中七「日の目を見るは」
八月廿八日 雨
3953 としよりの追従わらひや花の陰 享和句帖 享3
八月卅日 晴
終南* *中国陝西省の山(道教の聖地)
3954 花の雲あれが大和の臣口哉 享和句帖 享3 「下」→「口」 (異) 書簡 (寛10) 下五「小口哉」 書簡 (寛10) 上五下五「花さくや・・・小口哉」
十二月廿八日 雨
3955 又けふも逢ひそこなひぬ花の山 享和句帖 享3
十月三日 晴
(七月二)
3956 夕暮や鳥とる鳥の花に来る 享和句帖 享3
三月九日 曇 角田川花見晝より雨
3957 雨の日をよりも撰たり花の山 文化句帖 化1
いつ〳〵は桜の陰にまからん迚前の日より打けはひて立出けるも俄に空かきくもりて雨ハしきなミ打ければたのむ木陰もつひにハもりて或ハ衣のうら返してかづきあるハ敷ものをかざしつゝ身重き人々年に稀なる野遊の本意なくやあらん
3958 いづかたの花見なるべし野邊の雨 文化句帖 化1 「辺」→「邊」
二月廿六日 晴
月船と登東叡山* *天台宗の関東総本山寛永寺
3959 御山ハどこ上りても花の咲 文化句帖 化1 「は」→「ハ」
三月十一日 朝雨巳刻後晴夜戌尅微雨
3960 艸越に江戸も見えけり花の山 文化句帖 化1 「草」→「艸」 「へ」→「え」
二月廿一日 晴
3961 こつ〳〵と人行過て花のちる 文化句帖 化1
三月九日 曇(後略)
3962 咲くからに雨に逢けり花の山 文化句帖 化1
三月十日 雨
3963 どこからの花のなぐれぞ角田川 文化句帖 化1
三月十二日 晴北風
3964 奈良漬を丸でかじりて花の陰 文化句帖 化1 「ぢ」→「じ」
二月廿七日 卯尅霰巳刻後晴天晴明三月節辰四刻ニ入日出ヨリ日入迄晝五十ニ刻半夜四十五刻餘六ヨリ六ツ迄晝五十七刻半餘夜四十二刻餘
3965 初花のあなたおもてや親の里 文化句帖 化1
二月廿八日 晴北風吹夜丑三刻雨
二月廿九日 雨
3966 初花や山の粟飯なつかしき 文化句帖 化1
三月九日 曇 角田川花見晝より雨
身の軽き我〳〵の気さんじなる手の奴足の駕に任せて雨が降うとやりがふらうと 「ふろう」→「ふらう」
3967 花ちるや雨ばかりでも角田川 文化句帖 化1 (出)『七番日記』前書き「木母寺に雨やどりして」『自筆本』
三月十二日 晴北風
3968 花びらの埃流にふる雨か 文化句帖 化1
三月九日 曇 角田川花見晝より雨
3969 人並に皈りもせでや雨の花 文化句帖 化1 「帰」→「皈」
3970 ふる雨に一人残りし花の陰 文化句帖 化1
三月廿六日 雨桃原 萬句出莚賀
3971 ことの葉も夭々たらん花衣 文化句帖 化2
三月十五日 晴 中村芝居未刻ヨリ雷雨
3972 素湯賣も久しくなるや花の山 文化句帖 化2 「売」→「賣」
二月十九日 朝雨南風吹 閑齋會出莚
3973 柴の戸や世間並とて花の咲 文化句帖 化2
三月十二日 晴 油
達磨賛
3974 ちる花を屁とも思はぬ御㒵哉 文化句帖 化2 (出) 真蹟 「顔」→「㒵」
三月十三日 雨
3975 ちる花に活過したりとゆふべ哉 文化句帖 化2
正月十六日 常南来
3976 ちる花や土の西行もうかれ㒵 文化句帖 化2 「顔」→「㒵」
三月廿三日 雨 油
3977 花さけや惟然*[が]鼾止まるやら 文化句帖 化2 *江戸中期の俳人
3978 花ちるやいかにも黒き首筋へ 文化句帖 化2
3979 花ちるやひだるくなりし㒵の先 文化句帖 化2 「顔」→「㒵」
三月十五日 晴 中村芝居未刻ヨリ雷雨
3980 花に雨糸楯*着たる御㒵哉 文化句帖 化2 「顔」→「㒵」 *歌舞伎定番の旅姿
二月廿三日 雨 油
3981 花の山飯賣家*はかすむ也 文化句帖 化2 「買」→「賣」 *飯賣女の家々
二月三日 晴 道彦と上野へ登る、清水舞臺にやすらふ
3982 花見るもあぶなげのない所哉 文化句帖 化2
二月十三日 晴嵐
3983 麦の葉のきつぱりとして花の雲 文化句帖 化2
二月廿七日 曇小雨 隨會
3984 金の糞しさうな犬ぞ花の陰 文化句帖 化3 「そう」→「さう」
十二月十八日 晴 江戸ニ入
3985 咲ちるやけふも昔にならんず[る] 文化句帖 化3
二月廿ニ日 晴
3986 鼻先の上野の花も過にけり 文化句帖 化3
二月廿七日 曇小雨 隨會
3987 花咲くや廿の比の鐘もなる 文化句帖 化3
3988 花の陰此世をさみすも有 文化句帖 化3
二月廿五日 帰雁
3989 花の陰隙ぬす人ぞたのもしき 文化句帖 化3 (異)『発句鈔追加』中七「ひま盗人も」
3990 夕月や花泥坊の迎ひ駕 文化句帖 化3
三月十七日 晴 成美會止
3991 傘で来し人をにらむや花の陰 文化句帖 化4 「の」→「で」
三月廿一日 晴 双樹と方々遊参湯島圓滿寺木食寺也 補陀殿ト有イゝ蔵横丁天満宮牛天神波切不動法化山伏小石川傳通院
3992 かつしかの空と覚えて花の雲 文化句帖 化4 「へ」→「え」
三月十四日 雨
3993 かつしかやふり行迹の花の雲 文化句帖 化4
3994 咲花やけふをかぎりの江戸住居 文化句帖 化4
三月廿日 晴 かつしか判者披露双樹泊
3995 花おの〳〵日本だましひいさましや 文化句帖 化4
三月十二日 晴 松井と日暮里ニ遊ぶ
3996 花咲て妹がこんにや[く]はやる也 文化句帖 化4
三月十七日 晴 成美會止
3997 花の雨ことしも罪を作りけり 文化句帖 化4
三月十八日 晴 雨十と堀ノ内へ参七面社大クボ天神宮
3998 花の陰よい雷といふも有 文化句帖 化4
三月十四日 雨
3999 花の雲翌から江戸にをらぬ也 文化句帖 化4 「お」→「を」
三月十八日 晴(後略)
4000 花の山佛を倒す人も有 文化句帖 化4 「仏」→「佛」
4001 貧乏人花見ぬ春はなかりけり 文化句帖 化4
4002 降雨もしすまし㒵や花の陰 文化句帖 化4 「顔」→「㒵」
三月十七日 雨 隨會
4003 いざゝらば死ケイコせん花の陰 文化句帖 化5 「げいこ」→「ケイコ」
二月廿七日 晴夜雪 西本願寺江戸入
4004 乞食も一曲あるか花の陰 文化句帖 化5
花見の記
東西の花に散立られて心も山にうつり行という日ハ三月廿日也けり(中略)
橋場の渡りにいたる、山を押出したるやうなるもの有、是おほやけの御船といふ、隨齋見残されし木陰と見へて淋しげなる女と清右衛門といへる人とから破籠など守りてありけるにおなじく笠敷て
4005 咲花に迹の祭の木陰哉 花見の記 化5 (異)『発句集続篇』前書き「友にはぐれて」 上五「散花に」
角田堤
4006 咲く花に武張り給はぬ御馬哉 花見の記 化5
三月廿七日 巳刻より晴
4007 咲花や彼梅若の泪雨 文化句帖 化5 「涙」→「泪」
4008 さく花や深山烏の口果報 文化句帖 化5
本行寺道くわん物見塚
4009 さく花や昔〳〵ハどの位 花見の記 化5 「は」→「ハ」 (出)『発句鈔追加』前書き「吉野」
二月廿五日 晴
4010 ちる花をざぶ〴〵浴る雀哉 文化句帖 化5
喉潤さんと藤棚の下に便る、安房上総一目にかすみて山第一の気絶也、下なる町所々事始に立たりし古簀の竿先に吹るゝハ其まゝに時雨待かとおぼへておかしく家々相風ハ春風に飄て多少の樓臺雲に聳へて又なく賑ふおもぶき長安の春といふとも御代の豊穣なるにはやハか勝べきとおの〳〵口〳〵にのゝしる
4011 散る花を脇になしてや江戸贔負 花見の記 化5 (出)『発句鈔追加』
三月十七日 雨 隨會
4012 ちる花にはにかミとけぬ娘哉 文化句帖 化5 「み」→「ミ」
二月廿五日 晴
4013 ちる花や鶯もなく我もなく 文化句帖 化5
三月十七日 雨 隨會
4014 花盛必風[邪]のはやりけり 文化句帖 化5
二月二十七日 晴夜雪 西本願寺江戸入
4015 花さくや足の乗物手の奴 文化句帖 化5
三月十七日 雨 隨會
4016 花さくや目を縫れたる鳥の鳴 文化句帖 化5 (類)『句稿消息』前書き「小田原町」『七番日記』上五下五「かすむ日や・・・雁が鳴」
二月廿五日 晴
4017 花の雨虎が泪も交るべし 文化句帖 化5 「涙」→「泪」
二月二十七日 晴夜雪 西本願寺江戸入
4018 又しても橋銭かする花見哉 文化句帖 化5
三月廿七日 巳刻より晴
4019 山盛の花の吹雪や犬の椀 文化句帖 化5
木母寺の花は青葉にうつりて念仏の声もなくゆきゝの人も稀〳〵也、茶店の竈木陰に雨ざれて僅かに春の趣を残せり
4020 後れ花其連是にまかり有 化三-八写 化7 (出)『発句集続篇』
観音法楽
4021 たゞ頼め花ははら〳〵あの通 化五六句記 化6 (異)『文政版』前書き「観音奉納」 中七「花もはら〳〵」『文化三-八年句日記写』(化6) 前書き「高蔵寺」 中七「桜ぼた〴〵」
4022 散花に蟻の泪のかゝる哉 化五六句記 化6 「涙」→「泪」
4023 ちる花や仏ぎらひが浮[れ]けり 化五六句記 化6
4024 初花に女鐘つく御寺哉 化五六句記 化6
4025 花さくや田舎鶯ゐなか飴 化五六句記 化6 「い」→「ゐ」
二月卅日 陰南風夜寅刻雨
十六晴、六雨、四雪、二半晴、二陰
4026 斯う活て居るも不思議ぞ花の陰 七番日記 化7 「儀」→「議」 (出)『文政版』治方刷物
三月十五日 曇未刻雨 本行寺ニ入
東叡山下の狂言「退屈迠十六文」と呼りかけたるに見物す、しかる[に]相生町にてきのふ貰ひたるたばこ入盗まるゝ、此ものにしろがねいさゝかかざりになしたれば取りたるべし、前に開帳場にて落しけるを参詣の人拾ひとりてもどしけるが終に今又他の物となる、されば始より我に縁なきものなるべし
4027 咲ごろやさな[が]ら花も御膝元 七番日記 化7
三月廿一日 曇
4028 さく花に都てエド気の在所哉 七番日記 化7 「えど」→「エド」
三月十三日 雨 心匪入来哥仙始、未刻市川小左衛門西野先生入来あれば不満してやみぬ、観音参詣閑斎泊
4029 さく花に長逗留の此世哉 七番日記 化7
二月十九日 晴 馬橋ニ入
4030 さく花にブツキリ棒の翁哉 七番日記 化7 「ぶつきり」→「ブツキリ」
三月十三日 雨 心匪入来哥仙始(後略)
4031 さく花も空うけ合の野守哉 七番日記 化7
4032 さく花や此世住居も今少 七番日記 化7
三月十五日 曇未刻雨 本行寺ニ入
4033 さく花やはづれながらも御膝元 七番日記 化7
三月廿一日 曇
4034 さゞ波や花に交る古木履 七番日記 化7
三月廿八日 晴
木母寺の花は大かた青葉にうつりて念仏の声もなくゆきゝの人も稀〳〵なるに茶店が竈の所〴〵に雨ざれて僅に暮春のありさまを残せり
4035 其連に我もあるぞよスガレ*花 七番日記 化7 「すがれ」→「スガレ」 *盛りを過ぎた
三月廿九日 晴 野々下村通り柏村にかゝりて我孫子駅にて昨夜の三人に別ル布川に入、晴十四雨十二、一陰二半晴、高之山に四国廿七番の観音うつして参詣有、是を新四国道場といふ、庭に大樓有、布佐村に入、神輿大小二つかき出して「阿波大杉大明神悪魔を払てよいやさ」と笛太鼓三弦にてはやしてさらに祭のさまをなす、此里疫神の流行なる物からかくするといふ
尿通じ藥大磯穢太ノ取次新町六兵衛といふエタ方に有
4036 散がて*の花よりもろき泪哉 七番日記 化7 「涙」→「泪」 *こらえられずに散る
二月十二日 晴 浅草寺内梅応院ニ入
4037 ちる花や已におのれも下り坂 七番日記 化7 (異)『七番日記』化7『発句集続篇』上五中七「花ちるや己が年も」
三月十三日 雨 心匪入来哥仙始(後略)
4038 ちる花や左勝手の角田川 七番日記 化7
三月廿九日 晴(後略)
苗代のこやしに草葡萄を入る、土地ぶりなりといふ
4039 手の奴足の乗もの花の山 七番日記 化7
三月十五日 曇未刻雨 本行寺ニ入(後略)
4040 花さくや川のやうすも御膝元 七番日記 化7 (異)『七番日記』化7 中七「日のさし様も」『文化三-八年句日記写』化7 上五「ちる花や」
三月一日 雨 未尅ヨリ晴
4041 花咲や欲のうきよの片すみに 七番日記 化7 (異)『七番日記』化7 二月十三日晴 「花さくや欲のうき世の片隅に」
三月十六日 雨
4042 花ちるや権現様*の御膝元 七番日記 化7 *徳川家康の尊称
三月三日 晴 中村座始源之介梅の由兵衛役
4043 花ちるや称名*うなる寺の犬 七番日記 化7 (出)『発句鈔追加』真蹟 *唱名、念仏
三月十三日 雨(後略)
4044 花ちれと申はせじな夕念仏 七番日記 化7
三月十五日 曇未刻雨 本行寺ニ入(後略)
4045 花の雨扇かざゝぬ人もなし 七番日記 化7
4046 花の陰我は狐に化されし 七番日記 化7
二月十九日 晴 馬橋ニ入
4047 花の木の入口のいの字*寺 七番日記 化7 *「いの字」大石良雄の異称
三月三日 晴(後略)
4048 花びらがさはつても出る泪哉 七番日記 化7 (異)『七番日記』化7 上五中七「花ビラがそとさはつても」 「涙」→「泪」
三月廿九日 晴(後略)
4049 腹中の鬼*も出て見よ花[の]山 七番日記 化7 *心中の鬼
三月廿六日 曇 閑斎ニ入、晡時迠幽嘨を待、終ニ不来、三吟哥仙止
4050 木兎の面はらしたる*落花哉 七番日記 化7 *打たせた
三月十五日 曇未刻雨 本行寺ニ入(後略)
4051 夕暮はもとの旅也花の山 七番日記 化7
三月十三日 雨 心匪入来哥仙始(後略)
4052 汚坊花の表に立りけり 七番日記 化7
三月二日 晴
4053 さく花にけぶりの嗅いたばこ哉 七番日記 化8 「ひ」→「い」
三月六日 晴昼ヨリ晴
千住筋御成中宿舟留中川屋ニ休エド入
4054 如意輪*は御花の陰の寝言哉 七番日記 化8 *六観音の一つ
4055 花咲て祖師*のゆるしの肴哉 七番日記 化8 *親鸞
閏二月六日 晴 小玉飛脚ニ会テ桂国書出秩父卅四観世音従一番正列シテ今日入玉フ、護国寺ニ送之人々笈摺ハナヤカニ出立ス、各念仏高聲に筋違通ニ入、番皆拝礼畢
4056 花さくや桜所の俗坊主 七番日記 化8
三月三日 晴夜雨
4057 花の木にさつと隠るゝ忰哉 七番日記 化8 (出)『我春集』(異)『希杖本』下五「世忰哉」
三月六日 晴昼ヨリ晴(後略)
4058 花の儀はちり候[と]なく雀哉 七番日記 化8 「義」→「儀」
4059 花の日も精進ものや山の犬 七番日記 化8
修羅
4060 穴一*のあなかしましや花の陰 株番 化9 *子どもの遊戯
三月一日 晴寒 流山ニ入ヒレガ崎ハカ参
4061 今のめる*迠も花さく老木哉 七番日記 化9 (出)『株番』真蹟 「迄」→「迠」 *前に倒れる
十七日随斎会
4062 おくえぞや仏法わたる花も咲 株番 化9 「ゑ」→「え」
二月卅日 雨 雨十八中六半晴中二雪氷、晴十、陰二、随斎三宿、本[行寺]二宿、松[井]二宿、〆七夜
4063 けふこそは地獄の衆も花見哉 七番日記 化9 (類)『八番日記』(政3)『自筆本』下五「お正月」
4064 さく花の中にうごめく衆生哉 七番日記 化9 (出)『株番』『浅黄空』前書き「人間界」『自筆本』『文政版』(類)『八番日記』(政2)『発句鈔追加』上五「陽炎の」
4065 さく花や拾んとすれど翌の事 東西四歌仙 化9
三月二日 晴夜一雨 目吹村エンマ堂ニ美禄二年ノ石塔掘出セルヨシ今日参ニ美禄失テ無之多ク文明明應年間ノモノノミ以之准之美禄モ享禄ナラン風邪
4066 ちる花につかまりしやうな寒哉 七番日記 化9
二月卅日 雨(後略)
4067 ちる花に仏とも法ともしらぬ哉 七番日記 化9 (出)『株番』『文政版』前書き「畜生」
4068 ちる花や呑たい水*も遠がすみ 七番日記 化9 (異)『株番』前書き「餓鬼」 上五中七「花ちるや呑たき水は」『文政版』上五中七「花ちるや呑たき水を」 *武蔵野名物の逃げ水(蜃気楼)
4069 どか〴〵と花の上なる馬ふん哉 七番日記 化9
4070 とし〴〵の花の罪ぞよ人の皺 七番日記 化9
三人上戸 笑
4071 とゝ喰た花と指す仏哉 株番 化9 (出)『発句集続篇』
二月卅日 雨(後略)
4072 花さくや榎にはりし火[の]用心 七番日記 化9 (出)『株番』『発句集続篇』
4073 花さけや仏法わたるエゾガ嶋 七番日記 化9 「えぞが」→「エゾガ」 「島」→「嶋」 *北海道の古称 (出)『何袋』(異)『浅黄空』『自筆本』上五「花咲や」『発句鈔追加』 前書き「善光寺如来夷岨のしまへ渡りたまふ」 上五下五「花さくや・・・夷岨の島」
4074 世[の]中は地獄の上の花見哉 七番日記 化9 (出)『株番』
4075 我らさへ腹のふくれる花も見る 七番日記 化9
4076 入らば今ぞ草葉の陰も花に花 志多良 化10 (出)『句稿消息』前書き「未辞世」『終焉記』
正月廿九日 晴
4077 大原や丁[字]*に寝たる花見連 七番日記 化10 (異) 遺稿 上五中七「柴門やしもくに寝たる」 *二人が丁字形に寝るようす
八月十八日 晴
4078 女共はわらん[ぢ]がけの花見哉 七番日記 化10 「供」→「共」
四月廿六日 雨昼ヨリ晴 柏原ニ入
ナヰノ滝 「ヘ」→「ヰ」
4079 滝けぶり側で見てさへ花の雲 七番日記 化10 「見へ」→「見て」 (出)『発句鈔追加』
正月卅日 晴 観国立古間ニ入夜大雪 廿五晴五雪
4080 ちる花を引かぶ[り]たる狗哉 七番日記 化10
五月卅日 陰 晴十五内六半雨、陰十一内六半雨、雨 三月廿八日ヨリ富津泊八日舟ニ入富津七舟一本[行寺]一隨[斎]一馬[橋]四流[山]三松[井]十三
4081 ちる花に息を殺して都鳥 七番日記 化10
正月卅日 晴(後略)
4082 ちる花に花殻たびよ小順礼 七番日記 化10
正月廿九日 晴
4083 ちる花のわらぢながらに一寝哉 七番日記 化10 「じ」→「ぢ」 (出)『句稿消息』遺稿 (異)『志多良』『希杖本』中七「わらぢながらの」
正月八日 晴 住田*ニ入 *住田素鏡
4084 ちる花や今の小町が尻の迹 七番日記 化10 (出)『句稿消息』(異)『志多良』上五「花ちるや」
正月廿六日 晴 遺言ノ家及倉其外籾滞金卅両爲引取仙六因不得心明廿七日出立東都御糺所ニ爲上訴然所明専寺御坊因乞和延引野尻ニ入
4085 輿の花盗人よぬす人よ 七番日記 化10 (異)『文政句帖』(政8)『浅黄空』『自筆本』上五「駕の」
正月廿六日 晴(後略)
4086 花に出て犬のきげんもとりけらし 七番日記 化10 (出)『句稿消息』『志多良』『希杖本』
九月十四日 晴酉刻バラ〳〵雨 成美文通来外十包来
4087 花の山心の鬼も出てあそべ 七番日記 化10 (異)『浅黄空』上五「ちる花に」『自筆本』上五「散る桜」
正月八日 晴 住田ニ入
4088 古垣も花の三月十日哉 七番日記 化10 (出)『句稿消息』
八月五日 大晴 江戸文通止
4089 わらんぢのぐあひわろさよ花一日 七番日記 化10 「じ」→「ぢ」 (異)『浅黄空』中七下五「ぐあひ苦になる花見哉」
正月廿七日 晴
4090 天邪鬼*踏れたまゝで花見哉 七番日記 化11 *仁王像の足下に踏まれている小鬼
二月廿八日 晴 野尻新田六月村直右ヱ門子六才池尻ガ用ニテ溺死 正月二日祖明*没 晴廿一雨六半晴ニ *竹口祖明
4091 有様は我も花より団子哉 七番日記 化11 (出)『文政版』書簡 (異)『浅黄空』上五中七「正直はおれも花より」
七月卅日 陰 晴廿一中半晴四雨九
4092 妹が家や庵の花にまぎれ込 七番日記 化11
三月一日 晴
4093 堪忍をいたしに行や花の陰 七番日記 化11 「勘」→「堪」 (出)『句稿消息』『浅黄空』『自筆本』『文政版』
正月廿八日 晴(後略…正月二日祖明没)
4094 気[に]入た花の木陰もなかりけり 七番日記 化11
二月廿八日 晴(後略)
4095 小泥坊花の中から出たりけり 七番日記 化11 (異)『希杖本』中七「花の中より」
二月五日 晴 田中ニ入春甫キクト皈
4096 ちる花に喧嘩買らが通りけり 七番日記 化11
十二月廿九日 小荒 △三百五十四日 文九十六丁
4097 ちる花に罪も報もしら髪哉 七番日記 化11
正月廿九日 陰南風 凍解道長沼上町ニ入
4098 ちる花に鉢をさし出ス羅漢哉 七番日記 化11 (出)『浅黄空』前書き「日ぐらし」『自筆本』「す」→「ス」
春
4099 何のその花が咲うと咲くまいと 七番日記 化11 (異)『句稿消息』前書き「こちとらや」 中七下五「花が咲うが咲くまいが」
十二月廿九日 晴 廿七晴一雪一雨 三百八十三日在菴七十五日桂好七十五日
4100 花見るも役目也けり老にけり 七番日記 化11
二月廿五日 晴
4101 山里やかりの後架*も花の陰 七番日記 化11 (出)『希杖本』(異)『浅黄空』『自筆本』中七「後架といふも」 *小便所
二月廿八日 晴(後略)
4102 よりあきてもとへもどるや花の陰 七番日記 化11
十二月十九日荒 文化十一年秋
4103 我に似てちり下手なるや門の花 七番日記 化11
三月十九日 晴 アサノ入
4104 送られし*狼鳴や花の雲 七番日記 化12 *人の後をつけてきた狼
八月廿一日 雨 墓詣(後略)
4105 君がため不承〴〵に花見哉 七番日記 化12 「性」→「承」 (類)『七番日記』化12) 下五「おどりけり」
十二月卅日 吹雪又晴 去廿五日須坂ノ裏山ニ門松伐ニ登タル十四ノ男児狼ニ噛レテ死スト云々
4106 さく花にしの字嫌ひもさみ*するな 七番日記 化12 (異) 同日記 (化12) 中七下五「しの字嫌ひの本家かな」 *侮る
八月廿一日 雨 墓詣(後略)
4107 日〳〵の屎だらけ也花の山 七番日記 化12
七月卅日 晴 諏訪社ニ軍書談始 廿四晴内半雨三ニ雨三陰 在菴十日
4108 花咲て阿房仲間のふえにけり 七番日記 化12 「安」→「阿」 「へ」→「え」
日光祭り御役人付といふもの題に分て二百年忌の真似をしたりし時東本願寺菩薩
4109 花さくや弥陀成仏の此かたは 句稿消息 化12 (異)『七番日記』 (化12) 五月八日 晴 柏原ニ入雪居葬 妻本陣夕飯 前書き「東[本]願寺御門迹」 上五「涼しやな」 真蹟 前書き「本願寺」『句稿消息』『文化九-十年句帖写』(政10)『文政版』『希杖本』上五「涼しさや」
二月卅日 晴 梅翁寺一件昨廿九日落着ト云々 廿六晴中六半晴三雪 在庵八日
4110 花ちるな弥陀が御苦労遊ばさる 七番日記 化12 (出)『浅黄空』前書き「四十八夜をてうもんして」『自筆本』
三月三日 晴 巳刻上条村哥舞伎未始皈
4111 花の日を廿日喰へらす鼠哉 七番日記 化12
送雲水
4112 藪の花迹見よそわか必よ 七番日記 化12 (異)『句稿消息』前書き「大和巡りする人に旅の真言といふをさづけて」 下五「忘るゝな」『浅黄空』『文政版』前書き「旅立に送」 上五下五「必よ・・・花の雲」『自筆本』上五下五「必よ・・・花の空」
4113 世の中の花の盛を忌中札 七番日記 化12 (出) 同日記 (化13)
4114 牛の背の花はき下る親子哉 七番日記 化13
4115 おとろへや見た分にする花の山 七番日記 化13 (出)『発句集続篇』
4116 小うるさや山のおくにも花の何のと 七番日記 化13 (異) 同日記 (化13) 中七「山も仲々」
4117 ちる花に御免の咥へぎせる哉 七番日記 化13 「加」→「咥」 (出)『発句集続篇』(異)『浅黄空』『自筆本』前書き「東叡山」 「さく花に咥へぎせるの御免かな」
4118 散花もつかみ込けりばくち銭 七番日記 化13
4119 花咲て本んのうき世と成にけり 七番日記 化13
4120 花さくや下手念仏も銭が降る 七番日記 化13 (出)『句稿消息』(異)『文政句帖』(政7) 上五中七「花の世や下手念仏に」
4121 花ちる[や]一開帳の集め銭 七番日記 化13
4122 おとろへや花を折にも口曲る 七番日記 化14 (出)『浅黄空』『自筆本』『文政版』
4123 喧嘩買花ふんづけて通りけり 七番日記 化14 (異)『浅黄空』前書き「上野」 中七「花けちらして」『自筆本』中七「花をちらして」
4124 花さくや旅人のいふ乞食雨 七番日記 化14
4125 深山木やしなの育[の]花盛 七番日記 化14
4126 穀つぶし花の陰にて暮しけり 七番日記 (出)『浅黄空』『自筆本』
4127 駕かきは女也けり花の山 七番日記 政1
4128 けふは花見まじ未来がおそろしき 七番日記 政1 (異) 同日記 (政1) 上五中七「花見まじ 未来の程が」『浅黄空』『自筆本』中七 「見るや未来が」『文化九-十年句帖写』 (政10)『発句集続篇』前書き「耕ずして喰ひ 織ずして着る体たらく今まで罰のあたらぬもふしぎ也」 上五中七「花の陰寝まじ未来が」
上野
4129 下馬札や是より花の這入口 七番日記 政1
三月十二日 晴 欲取蕗臺諏訪森ヲ通リ而行々上高丘然所在所佐介沢田二百刈園右[衛]門山崩落テ塞川其水切込テ田則看変川、神仙丹五十文買直ニ行二倉村憑栄次郎三介沢ノ田一見ス
4130 情強を蒔そこなふ*[や]花の山 七番日記 政1 *置去りにしようとして失敗する
4131 散花の辰巳へそれる屁玉哉 七番日記 政1
しんぽ高台寺はしゆろぼきや入らぬお市小袖の裾ではく
4132 ちる花やお市小袖の裾ではく 七番日記 政1 (出)『文化九-十年句帖写』(政9)『発句集続篇』前書き「新保高大寺」『浅黄空』『だん袋』前書き「新保村高台寺」『自筆本』『発句鈔追加』
4133 散花や長〳〵し日も往生寺 七番日記 政1
4134 ない袖を振て見せ〳〵花見哉 七番日記 政1
4135 畠縁りに酒を売也花盛 七番日記 政1 (類) 同日記 (化14) 下五「麦の秋」
4136 花を折拍子にとれししやくり哉 七番日記 政1 (出)『浅黄空』前書き「病如得医」『文政版』前書き「如病得医」『だん袋』前書き「薬王品如得病医」『自筆本』『希杖本』
4137 花さくや伊達[に]咥へし空ぎせる 七番日記 政1 「加」→「咥」 「殻」→「空」 (出)『だん袋』『発句鈔追加』書簡 (異)『自筆本』上五中七「花ちるや伊達にくわへる」
4138 花ちるやとある木陰も開帳仏 七番日記 政1 (異)『おらが春』『文政版』前書き「三月十七日保科詣」 下五「小開帳」『自筆本』上五「花さくや」
4139 花ちるや月入かたが往生寺 七番日記 政1 (異) 同日記 (政1) 中七「此日は誰が」『浅黄空』上五「散花や」『自筆本』中七下五「月入る方は西方寺」
4140 花の世を笠きて暮す仏哉 七番日記 政1 (異)『発句集続篇』中七「笠着ておはす」
4141 花の世は仏の身さへおや子哉 七番日記 政1 (出)『浅黄空』『だん袋』前書き「刈萱堂」『希杖本』(異)『自筆本』中七「石の仏も」『文政版』中七「地蔵ぼさつも」書簡 中七「仏の身にも」
谷中
4142 日ぐらしや花の中なる喧嘩買 七番日記 政1
4143 人に花大からくりのうき世哉 七番日記 政1
4144 本丸やあれも御用の花の雲 七番日記 政1
4145 我〳〵も目の正月ぞ夜の花 七番日記 政1
甫外子はいかいの初登山に
4146 いざのぼれ花のしら雲ふむ迄に 真蹟 政2
4147 苦の娑婆や花が開けばひらくとて 八番日記 政2 (出)『だん袋』『自筆本』『文政版』
4148 茶屋村の一夜に出来し花の山 八番日記 政2 (異)『浅黄空』『自筆本』中七「一夜に湧くや」『おらが春』真蹟 中七下五「一夜にわきし桜かな」
念仏踊
4149 花さくや三味線にのる御念仏 八番日記 政2 (出)『発句集続篇』
4150 花ちるや曲者やらじと云まゝに 八番日記 政2
4151 花ちるや末代無智の凡夫衆 八番日記 政2 (出)『発句鈔追加』
4152 花の陰赤の他人はなかりけり 八番日記 政2 (出)『おらが春』『文政版』書簡 遺稿
4153 花の世に穴ほしげなる狐哉 八番日記 政2
4154 山の月花ぬす人をてらし給ふ 八番日記 政2 (出)『おらが春』『文政版』
4155 赤髪にきせるをさして花見哉 八番日記 政3 (出) 同日記 (政4)
4156 あれ花が〳〵と笑ひ仏哉 八番日記 政3 (出)『自筆本』(異)『浅黄空』上五中七「花があれあれとて笑ひ」
4157 今迄は罰もあたらず花雨 真蹟 政3 (類)『おらが春』『希杖本』下五「昼寝蚊屋」『八番日記』(政2) 中七下五 「罪もあたらぬ昼寝哉」『発句集続篇』中七下五「罪もあたらず昼寝蚊屋」
4158 親と子がぶん〴〵に行花見哉 梅塵八番 政3
4159 髪髭も白い仲間や花の陰 八番日記 政3 (異)『梅塵八番』上五「髪結も」
4160 さく花やこり〴〵したる坂を又 八番日記 政3
4161 小むしろや花くたびれがどた〴〵寝 八番日記 政3 (異)『梅塵八番』中七下五「花草臥のどさ〴〵と」
上京を送る
4162 先繰に花咲山や一日づゝ 八番日記 政3
4163 草庵に来てはこそ〳〵花見哉 八番日記 政3 (異)『梅塵八番』中七「来てはくつろぐ」
4164 挑灯ではやし立けり花の雲 八番日記 政3 (異)『文政版』前書き「新吉原」 上五中七「行灯ではやしたてるや」
4165 挑灯は花の雲間に入にけり 八番日記 政3
4166 遠山の花に明るし東窓 八番日記 政3 (異)『文政句帖』(政6) 下五「うしろ窓」 同句帖 (政7) 中七下五「花の明りやうしろ窓」『浅黄空』『自筆本』中七下五「花の明りや夜の窓」
4167 花咲や目につかはれて大和迄 八番日記 政3 (出)『自筆本』(異)『梅塵八番』中七下五「目につかはるゝ大和道」
4168 花ちつてどつとくずるゝ御寺哉 八番日記 政3 (異)『梅塵八番』中七「どつとくつろぐ」
4169 花ちるや日傘の陰の野酒盛 八番日記 政3 (出)『浅黄空』『自筆本』
4170 若い衆に先越れしよ花の陰 八番日記 政3
此年寒さ人なやみければ
4171 風の神ちくらへござれ花が咲 八番日記 政4 (出)『浅黄空』前書き「風を送」『自筆本』前書き「風はやりげに」
4172 風はやり仕廻へば花も仕舞哉 八番日記 政4 (出)『浅黄空』『自筆本』『発句集続篇』
4173 くつろぎて花も咲也御成過 八番日記 政4 (出)『自筆本』(異)『梅塵八番』中七「花も咲けり」『浅黄空』前書き「隅田堤」 「くつろいで花もさくかよ御成道」
4174 さく花や袖引雨がけふも降 八番日記 政4
4175 三絃で親やしなふや花の陰 八番日記 政4 (出)『自筆本』
4176 高井のや只一本の花の雲 八番日記 政4
4177 団子など商ひながら花見哉 八番日記 政4
4178 手をかざす鼬よどこだ花の雲 八番日記 政4 (異)『浅黄空』『自筆本』中七「鼬よいかに」
4179 どこそこや点かけておく花見の日 八番日記 政4
4180 年寄の腰や花見の迷子札 八番日記 政4 「花花」→「花見」 (異)『浅黄空』上五中七「花さくや親爺が腰の」『浅黄空』前書き「吉原」 上五中七「夜桜や親爺[が]腰の」『自筆本』上五中七「花さくや爺が腰の」
4181 何事もなくて花見る春も哉 八番日記 政4
4182 何者[の]花見や脇よれ〳〵と 八番日記 政4
4183 花咲や牛は牛連馬は馬 八番日記 政4 (出)『浅黄空』『自筆本』
4184 花寒し犬ものがれぬ嚔哉 八番日記 政4 (異) 同日記 (政4) 上五中七「花咲て犬もくん〳〵」
4185 花ちりぬ何にやらずの雨七日 八番日記 政4 (異)『梅塵八番』中七「あんにやらずの」
4186 花ならば老木はゆるせお七風 八番日記 政4 「ぬ」→「ば」 (異)『浅黄空』上五中七「老木をば花も嫌ふか」『自筆本』上五中七「咲花も老木ぞ来るな」
4187 花の山東西南北の人 八番日記 政4 (異)『文政句帖』(政5) 上五「居ながらや」
4188 花ふゞき泥わらんぢで通りけり 八番日記 政4 「じ」→「ぢ」
4189 花見んと致せば下に〳〵哉 八番日記 政4
4190 花は咲也人も風引ぬ 八番日記 政4
4191 人に風花は申に及ぬぞ 八番日記 政4
4192 菩薩達御出現あれ花の雲 八番日記 政4
4193 雨降りて地のかたまりて花盛り 文政句帖 政5
4194 今の世や花見がてらの小盗人 文政句帖 政5
4195 いらぬ花折たく成るが手癖哉 文政句帖 政5
4196 傘持はばくち打也花の陰 文政句帖 政5
4197 京迄は一筋道ぞ花見笠 文政句帖 政5
4198 国中は惣びいき也花の雲 文政句帖 政5
4199 下戸衆はさもいんき也花の陰 文政句帖 政5 (出) 同句帖 (政8)
4200 ことしきりなどゝいふ也花見笠 文政句帖 政5
4201 さそはれてきり一ぺんの花見哉 文政句帖 政5
4202 散花につけても念仏ぎらひ哉 文政句帖 政5
4203 散花や人橋かゝるあさか山 文政句帖 政5
4204 ちる花は鬼の目にさへ涙かな 文政句帖 政5
4205 妻や子が我を占ふか花もちる 文政句帖 政5
4206 寺の花はり合もなく散にけり 文政句帖 政5
4207 長旅や花も痩せ[た]るよしの山 文政句帖 政5
4208 寝て待や切手をもたぬ花見衆 文政句帖 政5
4209 花陰も笠ぬげしたに〳〵哉 文政句帖 政5
4210 花さくや今廿年前ならば 文政句帖 政5
4211 花咲や大権現の風定 文政句帖 政5
4212 花さくや日がな一日立仏 文政句帖 政5
4213 花の香やばせをおなじ仏の日 文政句帖 政5
4214 花の木の持て生たあいそ哉 文政句帖 政5 (異)『文政版』『希杖本』真蹟 下五「果報哉」
4215 花の世に西の望はなかりけり 文政句帖 政5
4216 花の世や田舎もみだの本願寺 文政句帖 政5 (類) 同句帖 (政5) 上五中七「鹿も角落すやみだの」同句帖 (政5) 上五中七「鬼茨もなびくやみだの」 同句帖 (政5) 上五中七「西へちるさくらやみだの」書簡 前書き「三月廿三日東御門迹下向に」 上五中七「木々もめを開らくやみだの」
4217 花の代や越後下りの本願寺 文政句帖 政5 (類) 同句帖 (政5) 上五「春風や」
4218 花の世や出家士諸あき人 文政句帖 政5
4219 花見せん娑婆逗留の其中は 文政句帖 政5
4220 花は雲人はけぶりと成にけり 文政句帖 政5
4221 人声や西もひがしも花吹雪 文政句帖 政5
4222 迷子札爺もさげて花見笠 文政句帖 政5
4223 みよしのや寝起も花の雲の上 文政句帖 政5 (異) 同句帖 (政7) 中七「寝ころぶ花の」
4224 焼飯をてんで[に]かじる花見哉 文政句帖 政5「ぢ」→「じ」
4225 わか役に花盗しもむかし哉 文政句帖 政5
4226 産声に降りつもりけり花と金 文政句帖 政6
4227 えどを見に上る人哉花の山 文政句帖 政6
4228 さく花の雲の上にて寝起哉 文政句帖 政6
4229 空色の傘つゞく也花の雲 文政句帖 政6 (異)『浅黄空』『自筆本』中七下五 「傘のつづくや花盛り」『発句集続篇』中七下五「傘続きけり花ぐもり」
4230 花さくや京の美人の頬かぶり 文政句帖 政6 (出) 同句帖 (政7) (異)『浅黄空』『自筆本』上五中七「花ちるや都の美女が」
4231 花咲くやそこらは野屎野小便 文政句帖 政6
4232 花の木をうしろになして江戸びいき 文政句帖 政6
4233 花の世は親をやしなふ烏哉 文政句帖 政6 (出) 同句帖 (政7)
4234 花一つ里のきず也花盛り 文政句帖 政6 「づ」→「ず」
4235 花踏んだわらぢながらやどた〴〵寝 文政句帖 政6 (異)『浅黄空』『自筆本』上五「花を見た」
4236 人〴〵[や]笠きて花の雲に入 文政句帖 政6 (出) 同句帖 (政7)
4237 二渡し越して[の]先や花の雲 文政句帖 政6
4238 一銭の茶も江戸ぶりや花の陰 文政句帖 政7
4239 犬どもやはねくり返す花吹雪 文政句帖 政7 (出) 同句帖 (政8)
4240 馬乗や花見の中を一文字 文政句帖 政7 (異)『あつくさ』上五「馬乗が」
4241 江戸声やあたり八間花の山 文政句帖 政7
4242 江戸声や花見の果のけん嘩かひ 文政句帖 政7 「けん花」→「けん嘩」
4243 大猫が尿かくす也花の雪 文政句帖 政7
4244 おしなべて花にしなのゝ神路山 文政句帖 政7 (異) 同句帖 (政7) 上五「人の気も」
4245 御山や人よばるにも花礫 文政句帖 政7
4246 上下の酔倒あり花の陰 文政句帖 政7
4247 小言いふ相手もあらば花莚 文政句帖 政7 (類)『だん袋』下五「菊の酒」『文政版』前書き「やかましかりし老妻ことしなく」『文政句帖』下五「けふの月」
4248 十人の目利はづれて花の雨 文政句帖 政7 (異) 同句帖 (政8) 中七「目利ちがふや」
4249 第一に気の薬也花の山 文政句帖 政7
4250 大名の花が散る也家根の窓 文政句帖 政7
4251 只の木もあいそに立やよしの山 文政句帖 政7
4252 散花の降りつもりけり馬屎塚 文政句帖 政7
4253 としまかりよれば花より団子哉 文政句帖 政7 (異) 書簡「としよりの身には花より玉子哉」
4254 名をしらぬ古ちかづきや花の山 文政句帖 政7
4255 二度目[には]病気をつかふ花見哉 文政句帖 政7 (異) 同句帖 (政8) 上五「次の日は」『嘉永版』上五「さる人は」
4256 二仏の中間に生れて花見哉 文政句帖 政7 (異) 同句帖 (政6) 下五「桜哉」
4257 花咲や道の曲りに立地蔵 文政句帖 政7 (出)『浅黄空』『自筆本』
4258 花の陰誰隙くれしうす草履 文政句帖 政7
4259 花の雲の上にて寝物がたり哉 文政句帖 政7
4260 花[の]山命のせんたく所哉 文政句帖 政7
4261 花見るも銭をとらるゝ都哉 文政句帖 政7
4262 ぶら〴〵と不断の形で花見哉 文政句帖 政7
4263 宮人は歯に衣きせる花見哉 文政句帖 政7 「絹」→「衣」 (異) 同句帖 (政8) 中七「歯に衣きせて」
4264 あつさりとあさぎ頭巾の花見哉 文政句帖 政8 (類)『七番日記』(化12) 下五「交ぞ」
指月上人の位階上りけるを祝して
4265 いたれりや仏の方より花衣 真蹟 政8
4266 笠程の花が咲けり手杵哉 文政句帖 政8 (類) 同句帖 (政8) 下五「木下闇」『七番日記』(化7) 中七下五「花が咲たぞとぶ蛍」
4267 角力場や本んとの花も木から降る 文政句帖 政8
4268 猫盗まれてからちかづきや花の宿 文政句帖 政8
4269 花咲て娑婆即寂光浄土哉 文政句帖 政8 「則」→「即」
4270 花咲や散や天狗の留主毎に 文政句帖 政8 「事」→「毎」
4271 花に浦汲や袖引雨などゝ 文政句帖 政8
4272 花の木に鶏寝るや浅草寺 文政句帖 政8 (出)『文政版』
4273 人撰して一人也花の陰 文政句帖 政8 (出)『文政版』
4274 人来ればひとりの連や花の山 文政句帖 政8
4275 今の世や猫も杓子も花見笠 政九十句写 政9 (出)『ほまち畑』前書き「花見笠 文政八酉年」『文政版』『希杖本』『発句鈔追加』
4276 おどされた犬のまねして花見哉 政九十句写 政9 (異)『羅浮清和』中七「犬の真似する」
4277 ぢゝ犬におどされて散る花見哉 政九十句写 政9 (出)『希杖本』
4278 まゝ子花いぢけ仕廻もせざりけり 政九十句写 政9 (出)『希杖本』
4279 山寺や寝そべる下の花の雲 政九十句写 政9 (出)『希杖本』『発句集続篇』
4280 気をかえて東のそらを花見笠 あつくさ
4281 御印文の頭に花のちりにけり 自筆本
修羅
4282 声〴〵に花の木陰のばくち哉 文政版
4283 さすが花ちるにみれんはなかりけり 発句鈔追加
十王堂
4284 散花に目をむき出す閻魔哉 遺稿
木母寺堤
4285 寝ころぶや御本丸御用の花の陰 浅黄空 (異)『自筆本』上五「寝てくふ」
4286 花衣よごれ去来とみゆる也 真蹟
白眼者他世上人
4287 花咲や自慢をきゝにくるすゞめ 発句鈔追加
4288 花の陰なむさん火打なかりけり 浅黄空 (出)『自筆本』『文政版』
4289 花の陰に寝なばみやうりをおもふべし 真蹟
4290 花のなんのと[ん]ちんかんで五十年 随斎筆紀
4291 花掘し跡をおぼえて風の吹く 真蹟 「へ」→「え」
4292 花見笠一日わらぢのぐはひ哉 自筆本
4293 髭殿に先んこされけり花の陰 浅黄空 (出)『自筆本』(類)『七番日記』(化9) 下五「はつ松魚」
菫蒲公[英]などおのがさま〴〵咲ほこる中を日影長閑に隅田川流れてしづ心なく花のほろ〳〵散る春色なるべし
4294 吹消したやうに日暮る花野哉 真蹟
4295 蕗の葉に煮〆配りて花の陰 浅黄空 (出)『自筆本』(異)『七番日記』(化13) 下五「山桜」
4296 ほく〳〵と花見に来るはどなた哉 真蹟