今日の歳時記: シタモエ[下萌]

下萌や 土の裂目の 物の色 太祇

もののあわれ、ものの命。
日本語の「ものの」はさまざまなものについて、かすかな風情をそえる。
この句の「物の色」もそのひとつ。
土の裂目から、潤った土の色がのぞいているということなのだが、下萌は枯れ草の下から萌える草の芽。
野原や道の傍のそこここから、新芽を出している草は、みずみずしい春の息吹を感じさせる。
我々も、腰を屈めて、跳躍への準備をしないと…

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