今日の歳時記: ハチガツ[八月]

曳航と いうかたちして 八月は 坪内 稔典

八月は、夏の終わりの月であるとともに、秋の初めの月である。
夏の間、頭の真上にあった太陽はやや退き、黄ばんだ光を投げかける。
偉大な夏が役目を終え、大空という舞台の袖に消え去ろうといている。
舟に曳かれる大きな物体のように。
今朝は、その露払いのように、不審飛翔体が、日本上空を切り裂くが如く、赤い曳光を残して、飛び越えていった。

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