韓国ドラマ「ごはんに願いを」 (原題 밥이 되어라)の人間観察がおもしろい。서울に行く列車が1日に数本しかなく、噂がすぐ町中の人々に伝わる、低い山々に囲まれ、その真ん中をゆったりと川が流れる田舎を舞台に約20年にわたって物語が展開する。
2021年のMBC放送では全120話、日本のBS11版も75話という長編だ。主たる場面は밥집という小さな食堂と市内の궁궐(宮廷)という豪華な高級料理店。毎夜、밥집(ご飯の家)に3世帯の家族が集まり、一つのテーブルを囲んで食事をする。彼らは大家族のように暮らし、それぞれの家で起きたことを話し、それぞれが抱える問題を自分のこととして心配する。
ある日、その食堂の経営者경수のところに久しく音信のなかった彼の父親が訪ねてくる。父親は少女1人を連れてきて、その子を息子に託し去ってしまう。少女の名は영신、就学年齢を過ぎているのに入学していない。母親を知らず1人で暮らしてきた경수は悩んだ末に少女を受け入れる。賢くて思いやりのある彼女がこのドラマの主人公だ。
영신を含め同級生4人の友情と恋愛を軸にドラマが進行してゆく。ことあるごとに彼らの小学校時代の場面が挿入され、二つの時間軸がパラレルに進んでいるようにも感じられる。混乱することもあったが、しだいに作者の意図が奈辺にあるか考えるようになった。僕なりの解釈がまとまったら、改めて投稿しようと思う。
他方、궁궐の経営陣の家族のあいだでは会長の後継者をめぐっていがみ合いが絶えない。その会長が20年前に交通事故で失った恋人と영신、会長夫人と경수の関係がドラマの伏線としてあり、紆余曲折するプロットはいかにも韓国ドラマだ。ひとつ気になるのは伏線がすべて、平然と嘘をつく会長夫人の台詞によって作られていることだ。
人間味あふれる밥집の疑似家族と殺伐とした궁궐の親族との比較を通して、家族の意味と人の本性や真価について考えさせる作品だ。地縁関係と血縁関係の対比とみることもできよう。このドラマを44話までみた僕の解釈によれば、真の主人公は脇役の용구だ。
용구は知的障害者で風采こそあがらないが、深い思いやりと鋭い観察眼を持っている。年老いた母親と一緒に伝統的な韓国の市場で野菜を売り、自転車で固定客に配達する。彼を侮って安く買おうとする客に気づきながら、その客に恥をかかせまいとして計算できないふりをする용구は木偶の坊として描かれる。
용구の心はどこまでも温かいぬくもりに満ちている。人に侮られながら生きてきたせいか、心底思いやりに溢れた人だ。その彼が、同じ市場でアクセサリー類を売る女性필선を好きになる。周囲の人々が彼にデートの段取りや恋愛の仕方を教えると、彼はうれしそうに耳を傾ける。彼女が市場に来なくなったときの彼の落胆ぶりは深刻だが、みなに知られないように気丈にふるまう。
登場人物図(下)の一番下に小さな写真で載っている용구。その隣りに필선を入れるべきなのに、彼女は図にもポスター写真にも載っていない。彼を好きになった彼女こそ心眼の持ち主であろう。半狂乱状態に陥って自閉していた다정の心を開かせた용구の凄さを思うべきである。
宮澤賢治のいう「デクノボー」のような人なのだ。以前ブログに書いた宮澤賢治「雨ニモマケズ」を読むを改めて思う。
https://program.imbc.com/agoodsupper
主な出演者とその役柄 |
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주요 인물 |
정우연 : 김영신(본명:강영신)(강종권의 친딸)(23) 역 (아역 : 김시하) – 고아, 밥집 주방장 → 한정식집 ‘궁궐’ 인턴사원 → 정직원 → 주방장 → 무직→ ‘디딤(종합외식기업)’ 식품개발부 본부장 재희 : 정경수(38) 역 – 밥집 사장 → ‘디딤(종합외식기업)’ 식품개발부 본부장 → 사망, 영신을 길러준 아저씨, 한식당 ‘영화당’ 창업주의 손자 권혁 : 박정훈(23) 역 (아역 : 서윤혁) – 영신을 짝사랑하는 친구, 신은천대학교 의대 본과 3학년 강다현 : 이다정(23) 역 (아역 : 이소윤) – 영신의 단짝 → 라이벌, 정훈의 前 연인, 신은천대학교 식품영양학과 졸업, 한정식집 ‘궁궐’ 인턴사원 → 무직 조한준 : 장오복(23세) 역 (아역 : 한창민) – 영신의 친구, 동네 건달 → 검정고시 준비생 → 대입수험생 |
궁궐 사람들 |
김혜옥 : 최숙정(58) 역 – 한정식집 ‘궁궐‘ 여사장, 주방장 출신, 경수의 생모, 과거 경수 부의 내연녀 남경읍 : 강종권(58) 역 – 숙정의 전남편이자 영신의 생부, 한정식집 ‘궁궐’과 다수 요식업체 실소유주, ‘디딤(종합외식기업)’ 회장 → 퇴임 변우민 : 강종우(52) 역 – 종권의 동생, 무직, 도박 중독자 → 한정식집 ‘궁궐’ 사장 최수린 : 서민경(48) 역 – 종우의 아내, 한정식집 ‘궁궐’ 사장 → 총지배인 권도균 : 강준영(24) 역 (아역 : 우성민) – 종우와 민경의 아들, 한정식집 ‘궁궐’ 서빙 직원 → 카페 ‘스토랑트’ 직원 (9회 ~ 67회, 69회, 71회, 77회, 83회, 87회 ~ 88회) 이루 : 최성찬(42) 역 – 숙정의 조카, 한정식집 ‘궁궐’ 조리사 → 총지배인 |
밥집 단골들∔ |
김영호 : 박경철(48) 역 – 정훈의 아버지, 용역팀 팀장 오영실 : 세진(44) 역 – 다정의 어머니, 읍내 의류 매장(그랭드보떼) 매니저 김정호 : 이완수(48) 역 – 다정의 아버지, 시골 초등학교 교사 김민경 : 맹순(75) 역 – 오복의 할머니, 채소 노점상 상인 한정호 : 장용구(42) 역 – 오복의 삼촌, 지체장애인 권소이 : 황필선(37) 역 – 머리핀 장수, 용구의 연인 → 아내 (38회 ~ 60회, 67회 ~ 120회) |
저도 몰랐던 한국 드라마…
조만간에 몇 편이라도 봐야겠습니다.
사람과 사람 사이의 관계에 관심이 많으신 우리 형님…
가슴 따뜻한 인간미를 찾아 알려주시는 형님…
감사합니다.
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宮澤賢治のいうデクノボーは仏教の説く不軽(ふぎょう)菩薩をモデルにしていると云われます。
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생각해 보니까 나의 첫사랑 상대방의 이름이 순필이었다. 이 드라마에 등장하는 필선을 보면서 그 때 생각을 하기도 하고 재미있게 보고 있다. 그녀한테서 한국말을 두개월이나 배웠다.
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このドラマには、他のドラマでよく使われる立ち聞きの場面がない。45話を過ぎて、ようやくそんなことに気づいた。作者が意図的に避けているのではないか。一方で、悪人が最後まで悪人としてふるまい続ける韓国ドラマ独特の悪の執拗さと善人の弱さを見せつけられて、厭になることがある。
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필선の弟の용구とその母親に対する態度と暴言が理解できない。彼の立場に置かれれば、誰もが身内かわいさに、結婚相手が知的障害者であることに不安や嫌悪感を抱くことはあり得るだろう。だとしても、障害者とその母親を直接罵倒まではしないのではないか。個人差とか文化的な相違、あるいは都会と地方の違いというレベルではないように思う。
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경수が숙정の会長就任式に侵入し彼女の実子であると名乗る。강会長はその衝撃で卒倒し入院する。ことの成り行きを引き伸ばし土壇場でひっくり返す。渦中の人が倒れる、韓国ドラマ(KD)の常套だ。次は誰かが記憶を失うだろう。
退院した会長が숙정を追放するや彼女は경수の食堂兼自宅に乗り込むが、彼は実母を罵るだけで何もできない。강会長の弟の妻に対する態度と同じだ。その妻は会社の実権を握ろうとして悪知恵の限りを尽くす。複数の悪業が延々続くのもKDの特徴の一つだ。不甲斐ない男が多く登場するのもKD的かもしれない。
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용구を主人公にしてこのドラマを楽しんできたが、日本版の50回を過ぎたころから、この仮説はもろくも崩れた。かといって、主人公は영신でもない。このドラマのプロットはすべて숙정の悪だくみに発している、と思うようになった。すると、彼女以外の登場人物のふがいなさや弱さを腹立たしく感じるようになった。最近は怒りを覚えながらみている。これほど熱心にみている者がいるのだから、脚本作家はほくそ笑んでいるに違いない。
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