「無宗教社会に抗して生きた경호の母(仮題)」前半をアップしました。
この作品を僕は死ぬまで書き続けるのではないか、そんな予感がある。72歳で書き始めたから、せいぜいあと10年か20年だが、人生で最も充実したときでもある。人々は生涯そのときどきを必死に生き、それぞれの瞬間に現在を感じ、過去と未来を信じている。年齢とはただ肉体的な経過点をいうに過ぎない。もちろん、青少年期のみずみずしさは何ものにも代えがたいが、老年期に至って花開く人もいる。青年といい老年というも仮の時期区分なのだ。人の生涯を生から死に向かう数直線ではなく、瞬間ごとに自己を放射し発散する一個のかけがいのない点として捉えたい。 |
no | 中見出し | 小見出し |
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1 | 無宗教社会という現代神話 | —- |
2 | 法華経の生命論 | 下町に育った경호の母 父親を追い求めた경호の父 경호の父と恵琳寺 경호の母方の祖父 |
3 | 경호の育った家庭 | 1959年の冬 何かに怯えていた경호 平穏を取り戻した家庭 父の思い描いた家庭 社宅の隣人 |
4 | 경호の母の学会活動 | 品川駅発の団体夜行列車 唱題と読経の響き 夜の新聞配達 |