かつて親しくしていた友人の失踪宣告をしなければならない。1975年12月だったろう、三峰口から雲取山にはじめて登山し、一時期よく奥多摩や秩父に同行した友人と1年あまり連絡がとだえたままなのだ。数年前に会ったのが最期で、東北の実家に戻り母親の面倒をみると聞いた。ネットや電話のやり取りはあったが、それもとだえて久しい。寡黙でいつも笑っていた彼の失踪を宣告しなければならないと思う。自分を納得させるためだ。
以下、日韓の民法の失踪宣告に関する条文を引用する。先日、Netflix 「愛の不時着」で主人公の失踪から1ヵ月で死亡宣告をしていたのが気になって調べると、日韓とも特別失踪は危難が去ってから1年としている。これに準じて、ネット上で1年連絡が取れなくなった者は失踪とみなせるのではないかと考えた。他界することの意味を再考しなければならない。
カメラに関心を持ったのは彼の影響だった。行政書士試験を勧めたのも彼だった。デクノボウを連想させる男から、僕は少なからず影響を受けているようだ。そんな彼の追悼ブログを八戸歳々時記として載せた。音信はとだえたが、いつか同界(他界の対語)できれば、と思う。
失踪宣告に関する民法条文の日韓比較:
第30条 [失踪の宣告] 不在者の生死が7年間明らかでないときは、家庭裁判所は、利害関係人の請求により、失踪の宣告をすることができる。2 戦地に臨んだ者、沈没した船舶の中に在った者その他死亡の原因となるべき危難に遭遇した者の生死が、それぞれ、戦争が止んだ後、船舶が沈没した後又はその他の危難が去った後1年間明らかでないときも、前項と同様とする。 |
第31条 [失踪の宣告の効力] 前条第1項の規定により失踪の宣告を受けた者は同項の期間が満了した時に、同条第2項の規定により失踪の宣告を受けた者はその危難が去った時に、死亡したものとみなす。 |
第32条 [失踪の宣告の取消し] 失踪者が生存すること又は前条に規定する時と異なる時に死亡したことの証明があったときは、家庭裁判所は、本人又は利害関係人の請求により、失踪の宣告を取り消さなければならない。この場合において、その取消しは、失踪の宣告後その取消し前に善意でした行為の効力に影響を及ぼさない。2 失踪の宣告によって財産を得た者は、その取消しによって権利を失う。ただし、現に利益を受けている限度においてのみ、その財産を返還する義務を負う。 |
제27조(실종의 선고) ① 부재자의 생사가 5년간 분명하지 아니한 때에는 법원은 이해관계인이나 검사의 청구에 의하여 실종선고를 하여야 한다. ② 전지에 임한 자, 침몰한 선박 중에 있던 자, 추락한 항공기 중에 있던 자 기타 사망의 원인이 될 위난을 당한 자의 생사가 전쟁종지후 또는 선박의 침몰, 항공기의 추락 기타 위난이 종료한 후 1년간 분명하지 아니한 때에도 제1항과 같다. <개정 1984.4.10> |
제28조 (실종선고의 효과) 실종선고를 받은 자는 전조의 기간이 만료한 때에 사망한 것으로 본다. |
제29조(실종선고의 취소) ①실종자의 생존한 사실 또는 전조의 규정과 상이한 때에 사망한 사실의 증명이 있으면 법원은 본인, 이해관계인 또는 검사의 청구에 의하여 실종선고를 취소하여야 한다. 그러나 실종선고후 그 취소전에 선의로 한 행위의 효력에 영향을 미치지 아니한다. ②실종선고의 취소가 있을 때에 실종의 선고를 직접원인으로 하여 재산을 취득한 자가 선의인 경우에는 그 받은 이익이 현존하는 한도에서 반환할 의무가 있고 악의인 경우에는 그 받은 이익에 이자를 붙여서 반환하고 손해가 있으면 이를 배상하여야 한다. |