「いつか名もない魚になる」の主人公、凭也(ヒョーヤ)。漢字「凭」の訓読みは<もた(れる)>だから、「もたれる也(なり)」「もたれる人」を意味する。人界を去って魚になった彼の人生はいったい何だったのか、彼を引きつけた女性や老人たちはどういう人々だったのだろうか。
「いつか名もない魚になる」の主人公、凭也(ヒョーヤ)。漢字「凭」の訓読みは<もた(れる)>だから、「もたれる也(なり)」「もたれる人」を意味する。人界を去って魚になった彼の人生はいったい何だったのか、彼を引きつけた女性や老人たちはどういう人々だったのだろうか。
小説は凭也が観察した同時代の人々の記録という体裁(ていさい)をとっている。ただし、彼は担当医によれば、限りなく被補助人に近い人物である。民法第15条の補助審判こそ受けていないが同条にいう「精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分である者」なのだ。補助審判を受けていないのは、彼が同意しないためである。
参考: 民法第15条(補助開始の審判) 精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分である者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人又は検察官の請求により、補助開始の審判をすることができる。ただし、第7条又は第11条本文に規定する原因がある者については、この限りでない。2 本人以外の者の請求により補助開始の審判をするには、本人の同意がなければならない。3 補助開始の審判は、第17条第1項の審判又は第876条の9第1項の審判とともにしなければならない。
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