4月に入って、東京の大田区(羽田空港がある)や新宿区にいると、上空を爆音をあげて通過していく飛行機が目立つようになった。事前に知らされてはいたが、コロナ禍による国内外の旅客激減に伴う便数削減にも関わらず、低空飛行する物体は増えているように見える。
沖縄県は言うまでもなく、東京の西郊にある横田基地の周辺などと比べれば、さほどでないという人もいるだろうだが、コロナ禍で窓を開けて仕事しているときなど、少なからず煩わされるし、電話しているときなど、思わず声が大きくなってしまう。
小説で扱ったンヴィーニたちは何とも思わないのだろうが、魚になった凭也は川の流れのなかで、この天の底の爆音をどんなふうに聞いているだろうか。