第一部の書き出し部分を変更した。複数のコメントを得て熟考した末に修正したものだ。下の下線部が、以前は「尋常でないものを感じる読者もいると思います」だった。
[第一部に記録されているのは一九八〇年代です。担当医は、凭也(ヒョーヤ)の口述記録やメモにもとづいて、八〇年代後半から九〇年にかけて認知症特有の時間軸と風景のあいだの揺らぎが生じていたといいます。ンヴィーニに対する彼の執拗な関心と反発心のあいだに葛藤があるようにも見えます]
なお、全体を通して筆者のト書きの部分を [ ] 内に挿入し、登場人物のせりふ(3ヵ所しかないが)を「 」に入れて、本文との違いを目立つようにしました。