主人公の記憶世界を本人の話した順に並べていたので、時間軸が前後して読みにくいだろうと思っていました。何度となく読み返し、やはり読者に不親切だと考えて、年代順にしました。その結果、四部構成だったものが三部構成になりました。内容と舞台設定は次のとおりです。
- 1980年ごろを想定した無宗教派「ンヴィニ教」の教徒に関する観察メモ、主な舞台は日本島の首都の電車と駅構内
- 1990年ごろを想定した北米における主人公の体験と認知症の発症、主な舞台はオンタリオ州の列車
- 2030年におけるンヴィニ教徒たちの生活環境と主人公の死、舞台は1.に同じ
無宗教派のンヴィニ教徒と認知症患者の主人公の関連性をテーマに、無宗教派を批判的に描写している小説です。筆者が長年あたためてきた問題意識がどこまで描けているか。とはいえ、完成はまだまだです。
この投稿から約2週間後、ようやく結末を書き上げたような、一区切り付けられたような気がしている。予定どおり主人公は死んでしまう。ただ、筆者は事前に面識があったとはいえ一人の患者にすぎなかった彼を自分に似かよった人として近しく感じるようになる。老人心理的に考えると、晩年に新たな話し相手を獲得することは画期的なことである。
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