本文にある主人公のメモから引用します。
人々は睡眠を除くほとんどの時間、手のひらを見て過ごした。歩くとき、電車や地下鉄の到着を待つとき、電車の車内、エスカレータに乗っているとき、便座にすわっているとき、食事中、時間つぶしなど、家にいるときも外出先でも、いつも手のひらを見つめていた。
ヒョウによると、二〇三〇年にはスマホの形態が大きく変化していました。手のひら自体がスマフォになったのです。読者の多くは、落としたりしてクモの巣状にヒビの入ったスマホ画面を使った経験がおありでしょう。【筆者がヒョウに尋ねたところ、スマフォではそのヒビがまったく気にならないそうです】