サイトに掲載する都合もあり、これまで横書きで書いてきた。個人的には、万年筆を使っていたころから横書きの原稿用紙を好んだ。今回、必要があって縦書きに変換したところ、アラビア数字を漢数字にしたり、アルファベットを縦書きに直すこと以外に、変更を余儀なくされるものがいくつかあることに気づいた。
一つは登場人物の名称である。XUやGAというのは横書きにこそふさわしい。これらのアルファベットを縦書きに変更することもできるが、その説明は面倒だ。Ex you などという言葉遊びもしにくい。ちなみに、XUはもともと仏教用語の衆生の<衆>で、GAはガンダーラ仏(ぶつ)の<ガ>だった。
もう一つはンヴィニ教という名称の問題だ。用語の説明として convenience を持ち出すのは横書きだからこそで、縦書きでは説明しにくい。カタカナ語のままでもよいが、漢字のほうが通じやすいとも思う。漢字語について試行の末、「ンヴィニ教(コンヴィニエンスに由来する)」とした。
サイトの掲載はこれまでどおりにするが、漢字語の影響を改めて考えさせられた。そういえば、中国と北朝鮮の新聞は60年代後半には横書きにしていたと記憶する。韓国は1980年のハンギョレ新聞からだろう。日本の新聞や雑誌はいまだに縦書きである。