この実験的小説ではンヴィニ教徒の特徴が「凭れ合い」にあると仮定しています。それと密接に関係しますが、彼らの症状の一つに無謬主義 inerrancism (inerrancy, inerrant から類推した造語)があると考えられます。その最たるものが日本島の統治者と周辺の人々の言動に表れています。
ンヴィニ教徒の多くは自分の認識したことにもとづく考えや意見には誤りがないと考えます。テレヴィに登場する人士にそれが著しいと思われます。議論できない、議論しないということから必然的に無謬であると考えることにならざるを得ないわけです。幼少期の知能発達状態に近いということですが、問題はこういうことを述べている筆者自身はどうなのかということです。