日韓文化交流会主催の日韓文化交流公演「同行」が、10月4日に大阪で開催されました。2012年から日韓で交互に開催している行事で、ことし8回目を迎えます。
公演会場のサンケイホール・ブリーゼの座席9百席余りはもちろん満席です。公演が終わるや、会場は拍手と歓声に包まれました。
ことし大阪で開催された日韓のアーティストや芸術団の招待公演は3回とも盛況でしたが、今回の公演はとりわけ公演者と観客の意気が投合していました。プログラムの多くは歌よりダンス、舞踊、弦楽器と打楽器の演奏で、観客は私の予想を超える熱い反応を見せていました。
出演したアーティストたちの高いクオリティが最大の要因でしょう。韓国のパンソリ唱者アン・スクソン氏、クク・スホ氏、在日コリアンの代表的な舞踊家キム・ミョソン氏、ペク・ホンチョン氏、伽耶琴奏者のキム・イルユン氏など、錚々たる面々が出演しました。日本からも能楽師の櫻間右陣氏、尺八奏者の米澤浩氏、琵琶奏者の久保田晶子氏などの著名人が出演しました。
「同行」の公演は他の講演と比べて日韓出演者による協演が多く、日韓の演目が同じ割合に配されており、観客は自ずと両者のよさと独自性を較べながら公演を楽しむことができます。
今回は日本人にも在日コリアンにも大阪人気質が作用していたようにも思います。管見によれば、大阪人は日本の他の地域の人々に比べて舞台の上の人とのやり取りが上手です。上辺を繕(つくろ)わないということでしょう。大阪人と韓国人の気質には似た面があるように思います。
公演が終わった後、バックステージの協演者たちと挨拶を交わしましたが、すべての協演者が観客の熱い反応に満足していました。今回のように観客も協演者もいい公演が日韓の上空を覆(おお)う冷気流を追い祓(はら)うよう願ってやみません。