大阪総領事館の管轄地域内の民団がことし主催した光復節の記念行事は、例年と違っていました。
二つの要因がありました。一つは8月15日に関西を含む西日本地域を縦断した台風10号の影響です。この台風のため、15日に開かれる予定だった光復節の記念式典が延期またはキャンセルされたことです。
もう一つは、昨年10月末の韓国最高裁による強制動員労働者の慰謝料賠償判決と7月の日本政府による半導体原料の対韓輸出規制強化から悪化の一途をたどっている日韓関係です。日韓政府の激しい攻防のなか、民団幹部をはじめ在日コリアンたちは、光復節の大統領祝辞がどんな内容になるか、例年より大きな関心を寄せていたのです。
台風のため大阪民団は16日午後、京都民団は17日午後、滋賀民団は18日午前にそれぞれ行事を開催しました。管轄地域において最も台風の影響が大きかった和歌山民団はすべての行事をキャンセルしました。民団関係者によると、台風などの天候のために光復節の行事を当日に中止したのは今回が初めてだそうです。
大阪総領事館は、土曜・日曜に領事が分担して4つの行事に参加し、例年と同じく大統領の祝辞を代読しました。私は大阪と京都の行事に参加しました。
行事が延期され、出席者が少ないと思われましたが、ほぼ例年並みのコリアンが参加しました。最近の日韓関係の悪化に過敏になっているコリアンは、大統領の祝辞を非常に集中して聞いていました。そして対立より協力と対話、経済を強調した祝辞の内容に安堵していました。
今回の光復節の行事が台風で延期されたせいで、予想外の効果もありました。大統領祝辞の内容を日本語に翻訳して配布したので、韓国語を理解できないコリアンに確実に韓国政府の意向を伝えることができたことです。従来は、当日朝にスピーチ原稿を受け、会場にせわしく行き、代読するだけでしたので、参加者からよくわからないという声があったのです。
それで思いついたのですが、今後、日本の光復節行事は一日ほど後に実施してはいかがでしょうか。