京都国際学園京都国際中学高等学校の第54回卒業式が開かれました。京都国際学園は京都にあるただ一つの韓国系民族学校で、中学校と高等学校の課程があります。
この学校は、京都でも以前から在日コリアンが多く住む東九条に近いところ、観光地では紅葉の名所として知られる東福寺周辺の丘陵にあります。日本人が多く訪ねる伏見稲荷(ふしみいなり)神社も学校の近くにあります。
京都国際の特徴は、大阪の民族系学校である白頭学院建国や金剛学園より日本国籍の生徒の割合が多いことです。京都国際高等学校の卒業生はことし41名で、名前だけでみると、日本名29人、韓国名12人です。名前から国籍や血すじを判断できないことが在日の特殊さですが、日本国籍の生徒が多いことは事実です。
京都国際は京都府で優勝をねらえるほど野球チームが強く、野球をしたい日本人生徒の入学が増えているそうです。K-POPなどの韓国文化に魅力を感じる日本人生徒の入学希望も多いといいます。この傾向がことしの新入生募集にも反映し、中高いずれも例年より入学者数が大幅に増えています。
日本人生徒の増加と、韓国語や韓国の歴史・文化などを教える民族学校の特性をいかに調和していくかが今後の課題でしょう。卒業式に出席して、教師や生徒、そして保護者や学園理事がとても明るいことを感じました。このような校風ならば、どんな課題もうまく乗り越えるだろうという気がします。
祝辞のなかで私は、韓国と日本を共に感じ学んだ経験と知識を活用し、日本と韓国にとどまることなく、広く世界に貢献する人材になるよう呼びかけました。