1日の朝起きると、台風一過、世界がまったく一変していました。
昨夜、眠りに落ちるまで、外は強い雨風が吹き荒れ、テレビは終日、日本全国をつないで「非常に強い」台風24号の進路と状況を伝えていました。大阪では、台風が名古屋方面に向かって去った夜11時過ぎから風が強くなりました。強風が窓を激しく打ち続け、緊張のなかでようやく眠りにつきました。ところが、朝目を覚ますと、どうしたことでしょう、晴れわたった空に太陽が輝いているではありませんか。
昨日とは打って変わった天気を見ながら、自然はかくも無慈悲ながら泰然としている、という深い感慨に襲われました。こういう自然と対抗するよりは自然に合わせるべきではないか、とも考えました。
日本人の多くは、深刻な自然災害に遭遇したとき、政府の責任を追及するより、黙って被害を受け入れる傾向が強いように思います。厳しい自然の無慈悲な攻勢のなかで長年月かけて学習された「順応 DNA」が彼らの細胞に組み込まれているのではないか。そんな推測もしました。
日本の気象用語で「非常に強い」クラスの台風が1ヵ月の間に2度も相ついだのは、1992年に記録を始めて以来初めてだそうです。先月初めに関西空港の閉鎖をもたらした台風21号と今回の台風24号のことです。
幸いなことに、今回の台風は大阪には前回ほど大きな被害をもたらさないで過ぎ去りました。進路が太平洋側に偏ったうえ、関西空港が台風予定日にあらかじめ滑走路を閉鎖するなど、当局が先手を打って対応した効果が大きかったと思われます。
総領事館も台風が来る前の予防的な注意を促す情報を頻繁に出しました。台風の当日が日曜日だったにもかかわらず、大半の館員が出勤し、24時間の非常勤務体制で対応しました。幸いなことに韓国人旅行者と在日の被害はまだ報告されていません。予防措置のためか、当日の電話も予想したほど多くはありませんでした。
日本に赴任して半年足らずの間に体験した災害を、韓国の国民を保護する立場から感じたのは、第一に予防対策が重要だということです。第二に状況を予想より深刻に受け止めて想定し、鋭敏に対応することが大事だということです。それでも外国で不測の事態に直面している韓国の国民一人一人の視点で見ると、まだまだ不十分な点が多いだろうと思います。
その間隙を埋めるべく、在外公館が公館なりに、従来の対応の不備と不十分さを反省し努力するのは当然のことです。他方、災害が頻発する地域に旅行する人は、その地域に関する情報を事前に十分把握し、「自分の安全は自分が守る」意識を持つ必要があると思います。
台風24号が去ってすぐ、追いかけるように25号が沖縄方面に向かっているというニュースが報じられました。接近する前に消滅するか、他の地域に進路変更してくれないか……そんなふうに思うのは利己的に過ぎるでしょうか。
このサイトは韓国人外交官が日本にいて感じ考えたことを韓国語で投稿した記事を土台にしている。彼は何事にも率直で真摯な人であり、その人間性がどの記事にも脈打っている。その意味で彼は外交官らしくない外交官かもしれない。それが彼の魅力なのであるが。
彼の文章はそれが描く対象に対する思いや愛情が行間に溢れている。少なくとも、僕はそう感じることが多い。むろん、対象が日本人であっても韓国人であっても、あるいはまた、アフリカのマリ人であっても変わるところがない。
そんな彼の文章を翻訳し、日本語読者に伝えるのは決してやさしいことではない。このサイトでは、翻訳について独自の考えを持つ翻訳者が、日本語版の記事を作成している。
各記事のタイトルも韓国語と日本語で異なっている。逆説的にいうと、二つの言語で辞書の上で対応する表現を使っていても(一般的に直訳と呼ばれ、原文に忠実な正しい翻訳とされる)、韓国語と日本語の読者に伝わる内容は必ずしも同じではない、という考え方のようだ。
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