엄아야 누나야(下)

엄아야 누나야(上)から続く

第13回

詩子アナ:昼食も済ませましたので、そろそろ出かけましょうか。

歌樽先生:はい、そうしましょう。아줌마 잘 먹었어요.(おばさん、ご馳走様)

詩子アナ:もうあそこが駅ですね。徒歩1分。亀の絵と兎の絵がありますね。兎のほうが大きいですね。

http://blog.daum.net/likedream12/18296018

第26問:答は4)兎の肝パン(토끼 간 빵)。

http://blog.daum.net/dirchapsldk/8471984

歌樽先生:パンというよりお菓子か饅頭に近いですね。なかなか美味ですね。歯が弱くても、おいしくいただけますね。駅に入ってみましょう。

http://blog.daum.net/flyyc/14677899

詩子アナ:広々としていてどこまでも続く線路はどこか川の流れと似ていますね。

歌樽先生:詩子さんも詩人になってきましたね。

詩子アナ:わー、詩子もついにやりました。先生から誉められましたからね。あっ、回龍浦であった子供がレールの上を歩いていますよ。危ないですね。

歌樽先生:3時過ぎまでは汽車が来ませんから、大丈夫です。

민재군, 도현군! 이것 좀 먹어 봐, 맛있다. (ミンジェ君、トヒョン君、これ食べてみて、おいしいよ)

子供たち:네, 감사합니다.

詩子アナ:先生、子供たちの名前を聞いたとき、名前がいいとかおっしゃっていましたね。

なぜ、いい名前なんですか。

歌樽先生:では、これを問題にしてみましょう。

第27問:민재君と도현君はなぜいい名前なんでしょうか。

1) 相生の関係 2) 相克の関係 3) 陰陽の調和 4) 子音と母音の調和

詩子アナ:関係か調和かが分かれば、この種のクイズは半分解けたと同じですね。

歌樽先生:なるほど、そう来ましたか。人生には調和も関係も大切ですがね。

詩子アナ:いい名前というのは민재君の場合は「민」と「재」、도현君の場合は「도」と「현」とのつながりをいうんですよね、先生。

歌樽先生:そういうことですね。

詩子アナ:[이 イ]は本来陰でも陽でもなく、中性だと聞いたことがありますので、陰陽の調和ではないように思います。子音と母音は性格が違うものなので調和はありえないので、1)か2)のどちらかですが、2)の「相克」は「相争う」ことですから、これを除外すると、正解が見えてきました!

歌樽先生:なかなか自信があるようですね。正解です。

第27問:答は1)の相生(そうしょう)の関係です。

相生は互いの関係が良好であるとされています。

詩子アナ:相生は仲がいいんですね。

歌樽先生:では、その中の良さを確認するために、子音の五行の区分を確認しておきましょう。

  • 木:牙音 ㄱ/ㅋ  カガ行
  • 火:舌音 ㄴ/ㄷ/ㄹ/ㅌ  タダナラ行
  • 土:喉音 ㅇ/ㅎ  アヤワハ行
  • 金:歯音 ㅅ/ㅈ/ㅊ  サザチャ行
  • 水:脣音 ㅁ/ㅂ/ㅍ  パバマ行

第28問:では、민재君の名前は五行だと次のどれでしょうか。

1)①と②  2)②と③  3)③と④  4)④と⑤

詩子アナ:「민」が⑤の「水」、「재」が④の「金」ですから、分かりました。

第28問:答は4)の④と⑤です。

歌樽先生:大正解!「金」から「水」を生ずるので、「金」と「水」は相生の関係にありますね。

第29問:では、도현君の名前は五行だと次のどれでしょうか。

1)①と②  2)②と③  3)③と④  4)④と⑤

詩子アナ:「도」が②の「火」、「현」が③の「土」ですから、これも分かりました。

第29問:答は2)の②と③です。

歌樽先生:完璧です。では、「엄마야 / 누나야 / 강변 살자」の3つの部分の語頭の音が五行でどうなるか考えてみましょう。

第14回

詩子アナ:子供たちが歌を歌っていますね。

子供たち:「♪엄마야 누나야 강변 살자……♪」

歌樽先生:歌いやすい詩と曲ですから、この歌は愛されていますね。

詩子アナ:「엄마야 / 누나야 / 강변 살자」の3つの部分の語頭の音というのは「♪엄마야 누나야 강변 살자 ~♪」の「엄」と「누」と「강」のことですね。

歌樽先生:そうですね。第12問で「엄마야 누나야 강변 살자」を五行で分類し、それぞれいくつあるか数えてみましたが、思い出しましたか。

詩子アナ:はい。こんな感じでしたね。

 土

歌樽先生:では、

第29問:「엄마야 / 누나야 / 강변 살자」の3つの部分の語頭の音はどんな関係でしょうか。

詩子アナ:はい、「엄」は「土」、「누」は「火」、「강」は「木」ですね。

第29問:答は、「土、火、木」の関係ですから「木と火」「火と土」が相生の関係です。

歌樽先生:その通りです。「土、火、木」がうまく響きあっていますね。

第30問:「뜰에는 / 반짝는 / 금모래빛」3つの部分の語頭の音はどんな関係でしょうか。

詩子アナ: 「뜰」は「火」、「반」は「水」、「금」は「木」ですね。ということは分かりました。

「火と水」は相克の関係ですが、「木」が入ることで、「水と木」「木と火」が相生の関係になっていますね。

第30問:答は、「火、水、木」の関係ですから「水と木」「木と火」が相生の関係です。

歌樽先生:では、ついでに3行目もやっておきましょう。

第31問:「뒷문 / 밖에는 / 갈잎의 노래」の3つの部分の語頭の音はどんな関係でしょうか。

詩子アナ: 「뒷」は「火」、「밖」は「水」、「갈」は「木」で、「火と水」は相克ですが、「水と木」「木と火」が相生の関係になっていますね。

第31問:答は前問と同じで、「水と木」「木と火」が相生の関係です。

歌樽先生:では、今度は確率を考えてみましょう。

第32問:5行の中から3つ選び、そのうちの2組が相生の関係になる確率は何%でしょうか。

1) 12.5% 2) 25% 3) 50% 4) 75%

詩子アナ:確率の公式は忘れましたが、1/8、1/4、1/2、3/4 ということですね。5つから1つ選ぶのは、1つずつ選べばいいので5つ。5つから2つ選ぶのは、1つ決めるとこの決まったものと選べるのは残り4つで、これが5つあるので、4×5=20となりますが、重複があるので、2で割ると10となって、、ここが限界です。

歌樽先生:いい線いっていますよ。

詩子アナ:そうですか、じゃあ、もう少し考えてみます。答のパーセントから推し量ると、分母が8か8の倍数のようにみえる問題ですが、そうでなくて、10か20が分母だとすると、1) の12.5%は消えて、分母が10の場合は 3) の50%だけが残りますから、、

歌樽先生:さらに答に近づいてきましたよ。

詩子アナ:分母が10と確定できれば、いいんですが。

歌樽先生:じゃあ、ヒントをここで一つ、5つから3つ選ぶのも2つ選ぶのも組み合わせの数はかわりません。2つ選んだほうを数えるのか、2つ選んだあとに残ったものを数えるかですから、同数になります。

詩子アナ:ヤッター。分かりました。2つ選ぶ組み合わせが10ということですから。

第32問:答は 3) の50%です。

歌樽先生:ヒントが易しすぎましたね。第1行目と第4行目は同じですから、第1行目から第4行目まで全ての行で、3つに分けた語頭の3つの音には五行における相生の関係が2組あることが分かります。この確率は1/16ですから、約 6%です

詩子アナ:この詩のキーとなるハングルが「갈잎의 노래」だと初めにおっしゃいましたが、これに近づいているんでしょうか。

歌樽先生:もうほぼ近づいていますね。では、関連の問題を出してみましょう。

第33問:「갈잎의 노래」の実際の発音はつぎのどれでしょうか。

1) 가리페 노래 2) 갈리픠 노래 3) 갈리페 노래 4) 갈니픠 노래

헷갈리지는 않지요? (紛らわしくはないでしょ)

第15回

詩子アナ:ええ、歌を何度も聴きましたから、大丈夫です。完璧です。

第33問:答は3)갈리페 노래です。

歌樽先生:では、何でこの問題を出したのでしょうか。

詩子アナ:えっ!問題の意図ですか。ヒントお願いします。

歌樽先生:ではまず、易しい問題からやってみましょう。

第34問:「갈리페 노래」の技法は次のどれに一番近いですか。

1) リフレイン 2) リフレクション 3) リフレッシュ 4) リフレーション

詩子アナ:これは分かりました。

第34問:答は1)リフレインです。繰り返しといった感じです。

歌樽先生:では、次の問題です。

第35問:「갈잎의 노래」は何を暗示しているでしょうか。次の中から選びなさい。

1) フラクサス 2) フラクセル 3) フラクタス 4) フラクタル

詩子アナ:難問ですね、これは。もっと大変なことになってしまいました。調べてみて分かるかどうかわかりませんが、相当のレベルの問題ですね。これが分かれば「갈잎의 노래」に近づけるということですか。

歌樽先生:そういうことですね。

詩子アナ:金素月はこの言葉を知っていたのですか。

歌樽先生:いえ、天才はこういった言葉なんかなくても、本質に迫ることができるんです。

詩子アナ:では、私たち凡人にはこういった言葉が必要なんですね。では、秘密のツールで調べてみます。1)のフラクサスは前衛芸術活動のようだし、2)のフラクセルは皮膚のレーザー療法のようだし、3)のフラクタスは果実のようで、4)のフラクタルは自己相似性という説明がありますね。

歌樽先生:何か思い出しませんか。

詩子アナ:思い出しそうです。もうここまで思い出しているのです。

歌樽先生:難攻不落ですが、もう一歩ですね。子供の時はケンカしあっても仲良しなものですが、詩子さんは兄弟喧嘩をよくしていましたか。

詩子アナ:私も姉もおとなしいタイプでしたから、喧嘩はあまりしませんでしたね。あっ!思い出しました。2行目と3行目が兄弟姉妹か双子かもしれないといったような気がするのですが、あれですか。とすると、自己相似性、分かりました!

第35問:答は4)フラクタルです。

歌樽先生:正解です。やっと辿り着きましたね。

詩子アナ:ヤッター!到着点のフラクタル!第34問の延長線ですか。でも、これで何か分かったという感じがしないんですが。

歌樽先生:フラクタルとは自然でよく見られる形で、一部を抜き出すと全体と似た形になるところに特徴があります。例えば、枝から枝がでている一部分が、木全体の構造と似ていたり、海岸線のある部分を拡大すると、拡大前のより大きな海岸線と似ていたりといったところでしょうかね。ここは大切ですからしっかりおさえておきましょう。どんどん聞きますから、どんどん答えてください。

詩子アナ:はい、お願いします。

歌樽先生:[갈리페 노래]の初声を五行でいうと?【第36問】

詩子アナ:五行でいえば、木-火-水-火-火の順です。

歌樽先生:構成要素を3つ挙げると?第37問

詩子アナ:木-火-水です。

歌樽先生:相生の関係にあるのは?第38問

詩子アナ:「木と火」「木と水」の2組です。

歌樽先生:これはさきほど調べた何と似ていますか。第39問

詩子アナ:「뒷문 / 밖에는 / 갈잎의 노래」の3つの語頭音が、「木と火」、「木と水」の2組が相生の関係にあるのと似ています。

第16回

歌樽先生:では、「뒷문 / 밖에는 / 갈잎의 노래」と「갈잎의 노래」の関係は?第40問

詩子アナ:分かった!フラクタル‼

歌樽先生:「뜰에는 / 반짝이는 / 금모래빛」の3つの語頭音の五行の構成は?第41問

詩子アナ:火-水-木です。

歌樽先生:相生の関係にあるのは?第42問

詩子アナ:「木と火」「木と水」の2組です。

歌樽先生:「금모래빛」の各音を五行でいえば?第43問

詩子アナ:木-水-火-水です。

歌樽先生:相生の関係にあるのは?第44問

詩子アナ:「木と火」「木と水」の2組です。

歌樽先生:「뜰에는 / 반짝이는 / 금모래빛」と「금모래빛」の関係は?第45問

詩子アナ:これもフラクタルです‼

歌樽先生:第1行目と第4行目は五行の音はどうなっていますか。第46問

詩子アナ:これは前にやりましたから、すぐ分かります。五行が全て入っています。

歌樽先生:それぞれの構成を数えると?第47問

詩子アナ:木1、火2、土3、金2、水2という構成です。

歌樽先生:では、この方眼紙に詩を書いて、五行別に調べて数を数えてみましょう。第48問

詩子アナ:こんな風になりました。5の倍数が多いですが、全部が5の倍数ではないんですね。

43214321
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
    木 51211
    火 142552
    土 63003
    金 52012
    水 102332

歌樽先生:ワンポイントずらすのも、멋(粋)というものですからね。こんどは五行を5つの二つのグループに分けて、自由に色分けしてみましょう。第49問

詩子アナ:これでなにか分かるのですか。

第17回

歌樽先生:分かるかもしれないし、分からないかもしれません。五行をどのように2つのグループに分けるかが鍵ですね。

詩子アナ:例えば「木-火-土」と「金-水」のようにですか。

歌樽先生:そうですね。

詩子アナ:それは「水-木-火」のグループと「土-金」のグループでしょう。これ以外は考えられません。「水-木-火」が第2行目と第3行目の核心部分ですから。

歌樽先生:では、それでやってみましょう。

詩子アナ:こんな感じに色分けしてみました。

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歌樽先生:なかなかいい出来栄えですね。

詩子アナ:ヤッター!いろいろ考えました。ここでもほぼ左右対称になっていますが、一つだけ別の色になっているのがワンポイントずらした「멋(粋)」にあたるんでしょうか。

歌樽先生:「멋(粋)」と断定するのは難しいでしょうが、金素月の持ち味が出ていると言っていいでしょう。

詩子アナ:独断と偏見の歌樽先生としては控えめなコメントをいただきました!

歌樽先生:では、川辺に住もうという理由を考えてみましょう。

詩子アナ:できれば、四択で御願いしたいのですが。

歌樽先生:分かりました。

第50問:なぜ「川辺に住もうよ」という詩を作ったのでしょうか。

  • 1) 川辺が好きだから      
  • 2) 庭の金の砂の光がきれいだから
  • 3) 葦の歌が聞きたいから  
  • 4) 住むのに良い場所だから

詩子アナ:全部、当たっているように思えますね。昼食の前に訳したものをもう一度見てみます。

  • お母さん! お姉さん! 川辺に住もうよ
  • 庭には煌めく金の砂の光
  • 裏門の外には葦の葉の歌
  • お母さん! お姉さん! 川辺に住もうよ

歌樽先生:そろそろ、汽車がくる時間ですね。答の方と訳詩の方は、帰りにゆっくり考えてください。実は、大変なことが起こるかも知れないんです。回龍浦の周りを流れる川を乃城川(내성천)というのですが、この川がなくなるかも知れないと心配している人がたくさんいるんです。

詩子アナ:川がなくなるんですか。

歌樽先生:四大江事業(사대강 사업 4つの大きな川)で上流にダムができて、以前のようには川の水が流れてこないかも知れないんです。

詩子アナ:それは大変ですね。川がなければ回龍浦(회룡포 フェリョンポ)じゃなくて、無龍浦(무룡포 ムリョンポ)になってしまいますね。子供たちが来ますね。

歌樽先生:汽車に乗るようですね。애들아 잘 있어!(僕たち、元気でね)

子供たち:네, 안녕히 가세요.(はい、さようなら)

第18回

詩子アナ: 第50問のなぜ「川辺に住もうよ」という詩を作ったか、分かりました。

歌樽先生:それはすばらしいですね。では、それが答になるような別の問題を考えてみましょう。

詩子アナ:正解を当てればいいと思っていたのですが、問題をもう一度見てから考えてみます。

第50問(再):なぜ「川辺に住もうよ」を作ったのでしょうか。

  • 1) 川辺が好きだから      
  • 2) 庭の金の砂の光がきれいだから
  • 3) 葦の歌が聞きたいから  
  • 4) 住むのに良い場所だから

歌樽先生:では、ヒントを出しましょう。四字の漢字で作ってみましょう。

詩子アナ:四字熟語ですか。もっと難しくなりました。

歌樽先生:知っている四字熟語はどれくらいありますか。

詩子アナ:四字熟語はあまりよく知らないんです。四面楚歌の状態です。答を当てますから、先生が四字熟語で作ってください。

歌樽先生:では、問題を作ってみましょう。

第51問:次のAグループとBグループのうちどちらに正解があるでしょうか。

  • Aグループ 1) 山紫水明 2) 鎮山案山 3) 山容水態 4) 背山臨水
  • Bグループ 1) 風光明媚 2) 風餐露宿 3) 風林火山 4) 馬耳東風

詩子アナ:Aグループは山、Bグループは風のようですね。見たことのないものもありますが、Bではないように思われます。

第51問:正解はAグループです。

歌樽先生:はい、正解です。Bグループの2)風餐露宿は旅の苦労や野宿の苦しみなどを表す言葉ですね。では、Aグループの中から問題です。

第52問:次のうち、第50問の正解は次の内どれに一番近いでしょうか。

1) 山紫水明  2) 鎮山案山  3) 山容水態  4) 背山臨水

詩子アナ:1)の「山紫水明」と3)山容水態はどちらも自然の美しさをいっているので、これが正解であれば正解が2つになってしまうので、バツですね。2)の「鎮山案山」は都や村の後と前の山のようですから、正解がわかりました。

第52問:正解は4)背山臨水です。

歌樽先生:正解です。「背山臨水 (배산임수)」は都や村の立地条件を風水地理説から見たときの言葉ですね。

http://cafe.daum.net/publicauction30/MiuB/12?q=%B9%E8%BB%EA%C0%D3%BC%F6%B6%F5

ということは、第50問の正解は?

詩子アナ:これは、分かりました。

第50問:正解は、4) 住むのに良い場所だから。

歌樽先生:先ほど考えていた答と同じですか?

詩子アナ:1)の「川辺が好きだから」は2)3)の二つを含んでいて、4)は次元の違うものなので、1)か4)か迷いましたが、結局1)2)3)は同類なので、これはもう4)に違いないと思いました。金素月が「背山臨水」を好んだことはどうすれば分かりますか。

歌樽先生:一番分かりやすいのは、素月の詩を一通り読んでみることですね。そうすればすぐに納得がいくでしょう。

詩子アナ:全部読むのですか。

歌樽先生:基本は全てですが、例えば村とか家とかの言葉があるか、そうでなくてもそれらを指していると思われる詩の中に山や川が出てくるかを調べるだけでも十分だと思います。

詩子アナ:分かりました。

歌樽先生:では、「オンマヤ・ヌナヤ」をもう一度新しく訳してみましょう。

詩子アナ:さっき訳したのはどこにいったっけ。ちょっと捜してみます、ええと。

歌樽先生:初めから新しくやり直した方がいいでしょう。

詩子アナ:新しくですか。わかりました。

歌樽先生:まず、一行目の「엄마야 누나야 강변 살자」だけを試訳してみましょう。

詩子アナ:さっき、やったのがでてきました。

「お母さん! お姉さん! 川辺に住もうよ」

でも、これじゃあ新しくやったことにはならないし。訳すときに必要なのは「意図」を探るということでしたので、ここの意図は、ええと、

歌樽先生:その調子でやってみましょう。

第19回

詩子アナ:「意図」は「核心となる部分」をみること、その核心部は結局、「詩の完成を担っている部分」なので、どのように詩を完成させたかを知り、それを訳に生かすということで、

「엄마야 누나야 강변 살자」では「마야 / 나야 / 살자」が「아야 / 아야 / 아야」という韻を踏んでいること。

歌樽先生:何を言っているのかよく分かりませんが、そうやって自分で整理してみるのはいいことですね。

詩子アナ:もう一つあります。一行目の「엄・누・강・변・살」が五行の土、火、木、水、金の音を持っていること。

歌樽先生:では、やってみましょう。試訳ですから、気軽にやってみてください。後で直すことになりますから、気兼ねなく、思い切って、どんどんやってみましょう。

詩子アナ:ほんとにどんどん思い切って何でもいいんですか。

歌樽先生:いいですよ、どんなものになるか楽しみですね。

詩子アナ:「お母さんや、姉さんや、川辺に住もうや」

歌樽先生:考えた跡はわかりますが、「お母さんや」という言い方が不自然ですね。お爺さんが「お婆さんや」と言ったり、お婆さんが「お爺さんや」いうのはあるでしょうが。

詩子アナ:「おっ母さん、姉さん、川辺に住もやんけ」

歌樽先生:「住もやんけ」は大阪弁ですか?

詩子アナ:それらしくしてみましたが、だめですかね。

歌樽先生:方言なら方言で統一すれば、それはそれでいいでしょう。

詩子アナ:「おっ母さん、姉さん、川辺で暮らさんか」

歌樽先生:なるほど、「さん」で揃えてきましたか。

詩子アナ:上出来でしょ?「さん」が三つで「おりこうさん」、できた!

歌樽先生:乱暴な訳ですね。私が降参です。

詩子アナ:「かか様、姉様、家は川辺ぢゃ」

歌樽先生:これでは、今の人は分からないでしょう。

詩子アナ:やっぱり、これではだめですか。

歌樽先生:童謡の感じがあったほうがいいでしょうね。

第53問:日本の童謡で母を「かかさん」と呼んでいる歌がありますが、それはどれでしょうか。

1) 雨降り  2) 十五夜お月さん  3) やさしいおかあさま  4) 肩たたき

十五夜お月さん

■■■

詩子アナ:どこかで聞いたことのあるようなないような歌もありますが、「かかさん」とは確かに古い感じがしますね。

第53問:答は2)十五夜お月さん。

詩子アナ:ママのついた童謡もありますか。

歌樽先生:ありますよ。「ママのおひざ」は有名ですね。「すやすやママの胸で」

「すやすやママの胸で」という子守唄もありますね。

■■■

詩子アナ:じゃあ、ママでやってみます。

歌樽先生:はい、ではそうしてみましょう。

詩子アナ:でも、ママでは字数のバランスが難しいですね。

歌樽先生:そこは少し考えてみましょう。

第20回

詩子アナ:どうして、「강변에 살자」ではなくて、「강변 살자」なんですか。これでは、「川辺に住もうよ」ではなくて「川辺住もうよ」となっておかしい気がするのですが。

歌樽先生:その通りですね。ところが、誰もおかしいとは思っていないようです。「강변 살자」という名前のペンションもあるようですし。

http://blog.naver.com/PostView.nhn?blogId=zemi00&logNo=60196457993

http://map.zum.com/zum/hub?ptype=p_detail&mk=MP1336047192310&oid=&p_eye=

詩子アナ:こういった省略は童謡とか詩だからということもあるんですか。

歌樽先生:それはあると思います。さっきの「かかさん」が歌詞にある「十五夜お月さん」は野口雨情の作詞ですが、ここでは「もらわれて」を「貰られて」と書いてあります。

http://j-lyric.net/artist/a00126c/l013274.html

■■■

詩子アナ:なにか果てしなく寂しい歌ですね。お母さんが亡くなったようで、お父さんもいないんでしょうか。童謡とは思えないほどですね。

歌樽先生:これと較べると「엄마야 누나야」は明るいですね。

詩子アナ:そうですね。希望がありますから。ところで、「貰われて」を「貰られて」のように言葉の数を合わせるために適当に変えてもいいのですか。

歌樽先生:無理なものは無理と考えるのがいいでしょうね。

詩子アナ:「강변 살자」はどうですか。

歌樽先生:「강변 살자」は原本には「江邊살쟈」と一語のように書いてあって、分かち書きをしていませんから、「강변살다」という動詞として認識していた可能性はあると思います。もう一つは言葉の性質上、一度納得できれば少し変でも分かったつもりになって、だんだんと抵抗が少なくなるというところもありますね。それで、一行目の訳詩はどうなりましたか。

詩子アナ:ママを使ってみました。それから助詞の「で」を入れました。

「ママ、姉さん、川辺で住もうよ」

歌樽先生:ママという語について考えてみましょう。

第54問:ママという語は日本でいつ頃から使われ始めるようになったのでしょうか。

  • 1) 大正(1912年)以前から
  • 2) 昭和20年(1945年)頃
  • 3) 昭和40年(1965年)     
  • 4) 平成(1989年)以降

詩子アナ:私のおじいさん、おばあさんの頃だとして、昭和20年頃だと思います。

歌樽先生:実は意外と古いんです。

第53問:答は1)大正(1912)以前からといわれています。

詩子アナ:はあ、そうですか。ところで、私の訳詩の出来はいかがですか。

歌樽先生:「かか様、姉様、家は川辺ぢゃ」に比べると、子供にも分かりやすいですね。

詩子アナ:ヤッター!

第21回

歌樽先生:では、2行目に移りましょう。ここは誤植もあるのですが、「뜰에는  반짝이는  金(금)모래빛」と考えて訳詩してみましょう。

詩子アナ:誤植があるのですか。

歌樽先生:はい、「金모래빛」のところが「金금래빗」となっています。「オンマヤ、ヌナヤ」の3つ前の「江村(강촌)」という詩で「금모래 반짝」という句を使っています。ここは「金모래빛」と考えていいでしょう。

詩子アナ:さっきは「庭には煌めく金の砂の光」と訳しましたが、文字数が多すぎる気もします。

歌樽先生:それにリズムもよくありませんね。1行目の「ママ、姉さん、川辺で住もうよ」と文字数をあわせられますか。

詩子アナ:「ママ、姉さん、川辺で住もうよ」は「2+4+4+4」で14ですね。「庭には煌めく金の砂の光」では「4+4+6+3」で17ですね。

歌樽先生:もう少し短くしてみましょう。

詩子アナ:「砂の光」の「光」を取って、「庭には煌めく金の砂」でいかがでしょうか。これで、「4+4+5」で13です。

歌樽先生:では、その調子で、3行目を訳詩しましょう。

詩子アナ:「裏門」の「裏」を取って、「門の外には葦の葉の歌」では「3+4+5+2」で14です。

歌樽先生:訳したという感じが残っていますが、まず字数を合わせてリズムよくしましょう。

詩子アナ

  • ママ、姉さん、川辺で住もうよ 14
  • 庭には煌めく金の砂 13
  • 門の外には葦の葉の歌 14
  • ママ、姉さん、川辺で住もうよ 14

歌樽先生:これをハングルで書いてみましょう。長音、つまり長く伸ばす音ですが、これは書きませんので、注意しましょう。

詩子アナ:では、ハングルで書いてみます。

  • 마마 네상 가와베데 수모요      11
  • 니와니와 기라메쿠 긴노수나     12
  • 몬노 소토니와 아시노하노 우타  13
  • 마마 네상 가와베데 수모요      11

詩子アナ:ハングルで書くと、文字数が違ってきますね。

歌樽先生:「母さん」をハングルで書いてみましょう。

詩子アナ:「가상」ですか。文字数ではママも母さんも同じになりますね。

歌樽先生:金素月はいろいろと無理をしてでも、10文字に収めたかったようですから、書き方を工夫してハングル10文字で訳詩をしてみましょう。

詩子アナ:えっ!そんなことしなくてはいけないのですか。

歌樽先生:しなくてはいけないのではなくて、試みとしてやってみようというのです。それが最終の訳詩という訳ではありませんから。

詩子アナ:でも、これ、面白そうですから、やってみます。

  • 母さん 姉さん 川辺で住もう
  • 가상 네상  가와베데 수모     10
  • 庭はキラリ 金の砂
  • 니와와  기라리 킨노수나 10
  • お外 葦の葉 歌う
  • 오소토 아시노하 우타우       10
  • 母さん 姉さん 川辺で住もう
  • 가상 네상 가와베데 수모      10

歌樽先生:文字を合わせるので、無理もありますが、ハングルで書けば、ぎりぎりですが、10文字になりましたね。では、こんどは、リズムよく自由に訳詩しましょう。

詩子アナ:リズムよく、自由にですか、難しいですね。

歌樽先生:いえいえ、これからは、詩子さんの力が十分に出せるところです。これまで学んだことを思い出しながらやってみましょう。詩子さんの実力が発揮できる場ですよ。

詩子アナ:いままでずいぶん実力を発揮したつもりですが、これからですか。山また山ですね。

歌樽先生:もう、ゴールは近いのですから、山ではなく川辺でどんどん自由にやってみましょう。

詩子アナ:詩子、ウッチャッコー、ファイティング!

第22回

詩子アナ:では、「엄마야 누나야 강변 살자」からやってみます。どんどん自由にやれということでしたので、いろいろ考えてみました。

① 母さん 姉さん 川辺で暮らそ
② 母さん 姉さん 川辺で暮らそう
③ 母さん 姉さん 川辺で暮らそうよ
④ お母さん お姉さん 川辺で暮らそう
⑤ お母さん お姉さん 川辺で暮らそうよ
⑥ お母さん お姉さん 川辺で住もう
⑦ お母さん お姉さん 川辺で住もうよ
⑧ お母さん お姉さん 川辺で住みたいよ
⑨ ママ  姉ちゃん  川辺で住もやん
⑩ ねえ、ママ  姉さん  川辺で住もよ

歌樽先生:いろいろやってみましたね。音の種類はどうなっていますか。

詩子アナ:①から⑩の全てに5つの音が入っています。

歌樽先生:なるほど。では二行目に行きましょう。

詩子アナ:次は「뜰에는  반짝는  금모래빛」です。

① 庭にはきらきら金の砂
② 庭にはきんきら川洲が光り
③ お庭きらきら金の砂
④ お庭はきらきら金の砂
⑤ お庭はきんきら金の砂
⑥ お庭は川洲がきらきらと
⑦ お庭はきらきら川洲が誘い
⑧ お庭の川洲はきらきら光り
⑨ お庭の川洲はきらきらと
⑩ お庭はきらきら川洲だよ

歌樽先生: 音の種類はどうなっていますか。

詩子アナ:①から⑩まで全て水がありません。木・火・土・金の4つはあります。

歌樽先生:マ・バ行がありませんね。では、この調子で次にいきましょう。

詩子アナ:次は「뒷문 밖에는 갈잎의 노래」です。

① 背戸のお外は葦の葉そよぐ
② 外はそよそよ葦(よし)の歌
③ お外は葦の葉そよそよそよぐ
④ お外はそよそよ葦の葉そよぐ
⑤ お外はそよそよ葦の歌
⑥ お外は葦の葉そよそよと
⑦ お外はそよそよ葦の葉歌う
⑧ お外そよそよ葦(よし)の歌
⑨ お外そよそよ葦(よし)歌う
⑩ お外はそより葦(よし)の歌

歌樽先生: 音の種類はどうなっていますか。

詩子アナ:「뒷문 밖에는 갈잎의 노래」は「뒨문 바께는 갈리페 노래」と発音され、「土」と「金」の2つがありませんが、①から④は「水」がなく、⑤から⑩は「木」と「水」の音がありません。

歌樽先生:2行目と3行目の音の兄弟姉妹の関係はどのように考えましたか。

詩子アナ:2行目の「お庭」と「お外」の「お」を重ねるのと、「砂」と「歌」を使えばどちらも母音が「う・あ」で揃うかなと考えてみました。あとは「きらきら」と「そよそよ」の音の反復でなんとか切り抜けようかと考えましたが。

歌樽先生:なるほど、よく考えましたね。では、上のどれかを選んで一つのまとまった訳詩にしてみましょう。それから、もう一度考えてみましょう。

詩子アナ:えっ!もう一度やり直しですか?

歌樽先生:必要であればの話ですが。

詩子アナ:はい、では上の訳を組み合わせてみます。

第23回

歌樽先生:では、やってみましょう。

詩子アナ:一番平凡なタイプの訳です。

① 母さん 姉さん 川辺で暮らそ
④ お庭はきらきら金の砂
⑤ お外はそよそよ葦の歌
① 母さん 姉さん 川辺で暮らそ

歌樽先生:では、平凡でないものはどんな感じですか。

詩子アナ:平凡かどうかといわれると困るんですが、こんな感じです。

⑩ ねえ ママ  姉さん  川辺で住もよ
⑥ お庭は川洲がきらきらと
⑥ お外は葦の葉そよそよと
⑩ ねえ ママ  姉さん  川辺で住もよ

歌樽先生:別な組み合わせも考えてみましたか。

詩子アナ:上のを少し変えて、こんなものも考えてみました。

② 母さん 姉さん 川辺で住もよ
⑤ お庭はきらり金の砂
⑩ お外はそより葦(よし)の歌
② 母さん 姉さん 川辺で住もよ      

歌樽先生:ずいぶん深く考えましたね。では、このどれかを選んで、第17回でやったように色分けしてみましょう。

詩子アナ:では、次の訳詩でやってみます。

  • 母さん 姉さん 川辺で住もよ
  • お庭きらきら金の砂
  • お外そより葦の歌
  • 母さん 姉さん 川辺で住もよ

歌樽先生:表1が上の訳のハングル表記とその五行音、表2が「オンマヤ・ヌナヤ」とその五行音ですね。

[表1] 日本語訳(上)のハングル表記

[表2] 엄마야 누나야



詩子アナ
:はい、表1の を緑に、表2の を太字にしてあります。

歌樽先生:お疲れ様でした。では、これをヒントに自由に詩を創作してみましょう。

詩子アナ:えっ?訳詩ではなく、創作詩ですか。それはもう無理、無理、無理の十八里です。

歌樽先生:「無理、無理、無理の十八里」という言葉があるのですか?

詩子アナ:いえ、余りにも無理なので、今作ってみました。

歌樽先生:その調子でやってみましょう。

第24回

詩子アナ:自由に創作してみなさいというのは、何か理由があるのですか。どうも腑に落ちないのですが。

歌樽先生:なるほど、鋭いですね。なかなかいいところを押さえられるようになりましたね。作曲家の安ソンヒョン先生の「オンマヤ・ヌナヤ」の歌碑を以前(第1回-2回)見ましたね。

詩子アナ:はい、楽譜は詳しく見ませんでしたが。

歌樽先生: 安ソンヒョン先生作曲のものが歌碑に刻まれています。

http://blog.daum.net/namury44/16888572

ところが、現在歌われている「엄마야 누나야」の歌は実は安先生の作曲ではなく、金グァンス先生作曲のものといわれています。

詩子アナ:今まで聴いていた「オンマヤ・ヌナヤ」は金グァンス先生のものなんですか。

歌樽先生:今はほとんどそうですね。下の金グァンス先生作曲の楽譜と上の安ソンヒョン先生の楽譜を比べてみるとかなり違いますね。

http://blog.daum.net/jshwang11/502

詩子アナ:メロディーも拍子も音符の数も違いますし。

歌樽先生:そこで大きな問題が生じるのです。

詩子アナ:どんな問題ですか。

歌樽先生:では、それを考えてみましょう。

第25回

歌樽先生:「オンマヤ・ヌナヤ」の歌詞によって作られた金グァンス先生の曲が、今は「オンマヤ・ヌナヤ」の歌詞よりも有名になってしまっているのです。

詩子アナ:では金素月が「オンマヤ・ヌナヤ」という詩を作ったことよりも、金グァンス先生がこの曲を作ったほうがよく知られているのですか。

歌樽先生:いえ、金グァンスの作曲ということもよく知られていません。

詩子アナ:えっ!では、どうなっているのですか。

歌樽先生:日本の童謡に「うさぎ追いしかの山」というのがありますね。

詩子アナ:はい、「小鮒釣りしかの川」、確か「故郷 (ふるさと)」ですよね。

歌樽先生:そうです。この歌の作詞者と作曲者を知っていますか。

詩子アナ:いいえ、知りません。あまり考えたこともありません。

歌樽先生:高野辰之作詞、岡野貞一作曲ですが、歌の有名度に比べると二人の知名度は低いですよね。

詩子アナ:ええ、「故郷」という歌は日本人で知らない人がいないぐらい有名なのに、歌を作った作詞者と作曲家はほとんど知られていませんね。

歌樽先生:歌が有名になればなるほど、作詞者、作曲者は二の次になるんです。

詩子アナ:作詞者と作曲者が忘れられてしまうのが問題なのですか。

歌樽先生:それも問題なのですが、もっと大きな問題があるのです。誰もが曲に合わせて歌おうとしますからね。因みに先ほどの訳詩ですが、これを金グァンス先生の曲 に合わせて歌ってみてください。

詩子アナ:では、一番平凡タイプでやってみます。

  • ♪母さん 姉さん 川辺で暮らそ
  • お庭はきらきら金の砂
  • お外はそよそよ葦(よし)の歌
  • 母さん 姉さん 川辺で暮らそ♪

なかなかうまく合いませんね。

歌樽先生:「オンマヤ・ヌナヤ」はもう金素月の詩が中心になっているのではなく、金グァンス作曲の「オンマヤ・ヌナヤ」になっていて、しかも作詞の金素月よりも作曲者ははるかに知られていないにもかかわらず、曲のみが誰の耳にも残っているという状況なのです。

詩子アナ:つまり、「故郷」は「故郷」の曲、「オンマヤ・ヌナヤ」は「オンマヤ・ヌナヤ」という曲になり、その曲があって、歌詞があるということになっている訳ですね。

歌樽先生:そういうことです。ですから、曲は思い出せても歌詞は忘れるということが起きるのです。

詩子アナ:つまり、もとの詩が中心ではなく、曲中心になっているということですか。これこそ主客転倒ですね。こういうどんでん返しがあるとは思いませんでした。自由に詩を創作しなさいというのはそういうことだったのですか。

歌樽先生:そうだからといって、落胆することはありません。今まで学んだことを基礎にやれば十分やりきれると信じています。

詩子アナ:そんな風に信じられても、ちょっと力が抜けますね。オンマヤ!でも、曲があるということは、それがヒントになりますから、あながち悪いともいえないような気もします。

歌樽先生:では、今度は曲も考慮しながらやってみましょう。さっきいろんなバージョンの訳詩を見せてもらいましたから、それらを試してみることも可能ですね。

詩子アナ:ああ、大変、大変。歌もそれほど上手な訳ではないし。

歌樽先生:でも「無理、無理、無理の十八里」の距離は少し縮まりましたか。

詩子アナ:いえいえ、「びっくり、びっくり、十八里」で距離は変わりません。

歌樽先生:「びっくり」の「くり」が「九里」で、これが2つで「十八里」という訳ですか、詩子さんの調子が戻ってきたようですね。これで、安心しました。

詩子アナ:私は「有知無知三十里」という心境です。

歌樽先生:難しい故事成句ですね。これを知っているひとは「ソウソウ」いませんから。

詩子アナ:「曹操 (そうそう)」さんの気持ちで、歌いながらやってみます。ところで、訳詩というのは元の詩からこんなに離れていいんでしょうか。

歌樽先生:表面的には原詩から離れるほど、内容的には原詩に近づく場合もありますから、一概にはいいとか悪いとかは言えませんね。最終的には作者の意図が訳詩に十分反映されているかどうかということでしょうから。では、期待しています。

ナレーター:みなさん、どんな風景が見えたでしょうか。独断と偏見でお馴染みの歌樽先生、そして詩子アナウンサー、長時間お疲れ様でした。

Shaws and Goolees

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